一般名 乾燥濃縮人アンチトロンビン3 規格 1,500単位1瓶(溶解液付)
薬効 6343
病原生物に対する医薬品
生物学的製剤
血液製剤類
血漿分画製剤
薬価 74645.00
区分 製造メーカー 日本血液製剤機構
販売メーカー 日本血液製剤機構
田辺三菱製薬
用法/用量 本剤を添付の注射用水で溶解し、緩徐に静注もしくは点滴静注する。
1.先天性アンチトロンビン3欠乏に基づく血栓形成傾向:本剤1日1000〜3000国際単位(又は20〜60国際単位/kg)を投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
2.アンチトロンビン3低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC):アンチトロンビン3が正常の70%以下に低下した場合は、ヘパリンの持続点滴静注のもとに本剤1日1500国際単位(又は30国際単位/kg)を投与する。但し、産科的、外科的DICなどで緊急処置として本剤を使用する場合は、1日1回40〜60国際単位/kgを投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.出血検査等出血管理を十分行いつつ使用する。
2.ヘパリンの併用により出血を助長する危険性のある場合は本剤の単独投与を行う。
3.DICの場合におけるヘパリンの1日持続点滴は、通常10000単位が適当と考えられるが、臨床症状により適宜増減する(但し、ヘパリンの投与は1時間当たり500単位を超えない)。
効能/効果 1.先天性アンチトロンビン3欠乏に基づく血栓形成傾向。
2.アンチトロンビン3低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)。
副作用 承認までの臨床試験(例数198例)では、副作用は認められなかった。市販後の使用成績調査では、4,301例中5例(0.12%)6件に副作用が認められた。副作用の内訳は、発疹、嘔気、肝機能異常、好酸球増多、頭痛、発熱が各1件(0.02%)であった(ノイアート静注用500単位の再審査終了時)。次の副作用は、前記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
1.重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次記のような症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、発現した場合には、適切な処置を行う。
1).過敏症:(0.1%未満)発疹、(頻度不明)蕁麻疹等[このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う]。
2).肝臓:(0.1%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等。
3).消化器:(0.1%未満)嘔気、(頻度不明)嘔吐。
4).その他:(0.1%未満)発熱、頭痛、好酸球増多、(頻度不明)悪寒、胸部不快感。
使用上の注意 (禁忌)
本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者。

(原則禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)
1.溶血性貧血・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある)]。
2.免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない(感染した場合には、持続性貧血を起こすことがある)]。

(重要な基本的注意)
患者への説明:本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努める。
1.本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV−1抗体、抗HIV−2抗体、抗HTLV−1抗体陰性で、かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している。更に、プールした試験血漿については、HIV−1、HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、Cohnの低温エタノール分画で得た画分から人アンチトロンビン3を濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化・除去を目的として、製造工程において60℃、10時間の液状加熱処理及びウイルス除去膜による濾過処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意する。
1).血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察する。
2).現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与する。
2.ショック等の重篤な副作用を起こすことがあるので、使用にあたっては、経過を十分観察する。
3.本剤を、緊急措置以外にDICの治療に使用する場合にあたっては、患者のアンチトロンビン3値が正常の70%以下に低下している場合においても、本剤の投与が医療上必要であると判断されたときに使用する。
4.本剤の使用にあたっては、少なくとも2日以上使用してその効果を判定し、使用の継続を判断する。

(相互作用)
併用注意:抗凝固剤(トロンボモデュリン アルファ<遺伝子組換え>製剤等)[本剤の作用が増強する恐れがある(併用により、抗凝固作用が相加的に作用する)]。

(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない;本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない(感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある)]。

(小児等への投与)
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

(適用上の注意)
1.調製時:
1).他剤との混合注射は避けることが望ましい。
2).本剤は、溶解後直ちに使用する。
3).一部を使用した残液は、細菌汚染の恐れがあるので使用しない。
2.投与時:
1).溶解時に著しい沈殿の認められるものは投与しない。
2).溶解した液をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生することがあるため、投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認する。浮遊物が認められた場合には投与しない。

(その他の注意)
本剤は、貴重な人血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめる。

(取扱い上の注意)
記録の保存:本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号(ロット番号)、投与した日、投与を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存する。

(DIC診断基準)
DICの診断にあたっては、次記のような診断基準があるので参考とする。
1.厚生省DIC研究班の診断基準。
2.産婦人科におけるDICの診断基準。
3.消化器外科における重症感染症のDICの診断基準。
4.新生児DICの診断基準。
<厚生省DIC研究班の診断基準(1988年改訂)>
1.基礎疾患
1).あり:1点。
2).なし:0点。
2.臨床症状
1).出血症状(注1)
(1).あり:1点。
(2).なし:0点。
2).臓器症状
(1).あり:1点。
(2).なし:0点。
3.検査成績
1).血清FDP値(μg/mL)
(1).40≦:3点。
(2).20≦ <40:2点。
(3).10≦ <20:1点。
(4).10>:0点。
2).血小板数(×10の3乗/μL)(注1)
(1).50≧:3点。
(2).80≧ >50:2点。
(3).120≧ >80:1点。
(4).120<:0点。
3).血漿フィブリノゲン濃度(mg/dL)
(1).100≧:2点。
(2).150≧ >100:1点。
(3).150<:0点。
4).プロトロンビン時間[時間比(正常対照値で割った値)]
(1).1.67≦:2点。
(2).1.25≦ <1.67:1点。
(3).1.25>:0点。
4.判定(注2)
1).7点以上:DIC。
2).6点:DICの疑い(注3)。
3).5点以下:DICの可能性少ない。
4).白血病その他注1に該当する疾患
(1).4点以上:DIC。
(2).3点:DICの疑い(注3)。
(3).2点以下:DICの可能性少ない。
5.診断のための補助的検査成績、所見
1).可溶性フィブリンモノマー陽性。
2).D−Dダイマーの高値。
3).トロンビン・アンチトロンビン3複合体の高値。
4).プラスミン・α2プラスミンインヒビター複合体の高値。
5).病態の進展に伴う得点の増加傾向の出現。特に数日内での血小板数あるいはフィブリノゲンの急激な減少傾向ないしFDPの急激な増加傾向の出現。
6).抗凝固療法による改善。
6.
1).注1:白血病及び類縁疾患、再生不良性貧血、抗腫瘍剤投与後など骨髄巨核球減少が顕著で、高度の血小板減少をみる場合は血小板数及び出血症状の項は0点とし、判定は4.−4).に従う。
2).注2:基礎疾患が肝疾患の場合は次のとおりとする。
(1).肝硬変及び肝硬変に近い病態の慢性肝炎(組織上小葉改築傾向を認める慢性肝炎)の場合には、総得点から3点減点した上で、4.−1).〜3).の判定基準に従う。
(2).劇症肝炎及び前記を除く肝疾患の場合は、本診断基準をそのまま適用する。
3).注3:DICの疑われる患者で5.診断のための補助的検査成績、所見のうち2項目以上満たせばDICと判定する。
7.除外規定
1).本診断基準は新生児、産科領域のDICの診断には適用しない。
2).本診断基準は劇症肝炎のDICの診断には適用しない。
<産婦人科におけるDICの診断基準>
1.基礎疾患
1).常位胎盤早期剥離
(1).子宮硬直、児死亡:5点。
(2).子宮硬直、児生存:4点。
(3).超音波断層所見及びCTG所見による早剥の診断:4点。
2).羊水栓塞症
(1).急性肺性心:4点。
(2).人工換気:3点。
(3).補助呼吸:2点。
(4).酸素放流のみ:1点。
3).DIC型後産期出血
(1).子宮から出血した血液又は採血血液が低凝固性の場合:4点。
(2).2000mL以上の出血(出血開始から24時間以内):3点。
(3).1000mL以上2000mL未満の出血(出血開始から24時間以内):1点。
4).子癇;子癇発作:4点。
5).その他の基礎疾患:1点。
2.臨床症状
1).急性腎不全
(1).無尿(≦5mL/hr):4点。
(2).乏尿(5<〜≦20mL/hr):3点。
2).急性呼吸不全(羊水栓塞症を除く)
(1).人工換気又は時々の補助呼吸:4点。
(2).酸素放流のみ:1点。
3).心、肝、脳、消化管などに重篤な障害がある時はそれぞれ4点を加える。
(1).心(ラ音又は泡沫性の喀痰など):4点。
(2).肝(可視黄疸など):4点。
(3).脳(意識障害及び痙攣など):4点。
(4).消化管(壊死性腸炎など):4点。
4).出血傾向;肉眼的血尿及びメレナ、紫斑、皮膚粘膜、歯肉、注射部位などからの出血:4点。
5).ショック症状
(1).脈拍≧100/分:1点。
(2).血圧≦90mmHg(収縮期)又は40%以上の低下:1点。
(3).冷汗:1点。
(4).蒼白:1点。
3.検査項目
1).血清FDP≧10μg/mL:1点。
2).血小板数≦10×10の4乗/mm3:1点。
3).フィブリノゲン≦150mg/dL:1点。
4).プロトロンビン時間(PT)≧15秒(≦50%)又はヘパプラスチンテスト≦50%:1点。
5).赤沈≦4mm/15min又は≦15mm/hr:1点。
6).出血時間≧5分:1点。
7).その他の凝固・線溶・キニン系因子(例、AT−3≦18mg/dL又は≦60%、プレカリクレイン、α2−PI、プラスミノゲン、その他の凝固因子≦50%):1点。
※基礎疾患スコアは、各基礎疾患項目の中から、1項目のみ選択する。
DIC判定:DIC診断基準により総得点が8点以上のもの。
<消化器外科における重症感染症のDICの診断基準>
1.血小板の減少<10×10の4乗/mm3(hypersplenismなどを除く)又は、急激な減少(30%以上)。
2.FDP増加>20μg/mL。
3.Paracoagulation test陽性。
この3つを満足するものをDIC、2つを満足するものをDIC準備状態と診断する。
<新生児DICの診断基準>
1.基礎疾患の存在。
2.出血傾向あるいは(及び)参考条項の存在。
3.検査所見
1).血小板数(×10の4乗/μL)
(1).≦15、>10:1点。
(2).≦10:2点。
2).フィブリノゲン(mg/dL)
(1).≦150、>100:1点。
(2).≦100:2点。
3).FDP(FDPL、μg/mL)
(1).≧10、<40:1点。
(2).≧40:2点。
4).FDP(D−dimer、ng/mL)
(1).≧500、<2000:1点。
(2).≧2000:2点。
4.参考条項
1).pH≦7.2
2).PaO2≦40mmHg
3).直腸温≦34℃
4).収縮期血圧≦40mmHg
*1.は必須項目。2.は必須項目。3.は3点DIC疑診、4点以上DIC確診。

(ノイアート静注用1500単位の溶解法及び溶解液注入針の使い方)
1.ノイアート静注用1500単位(以下ノイアートと略す)瓶及び溶剤瓶のゴム栓表面を消毒する(添付文書の図1)。
2.溶解液注入針の保護サヤをまず片方[キャップホルダーの小さい方(添付文書の図2・a)]だけ軽くまわしてはずす(添付文書の図2)。
3.溶解液注入針を溶剤瓶のゴム栓中央に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図3)。
4.溶解液注入針の反対側の保護サヤ(添付文書の図2・b)を軽くまわしてはずす(添付文書の図4)。
5.ノイアート瓶を倒立させて溶解液注入針をゴム栓の中央に真っすぐ深く刺入する(添付文書の図5)。
6.溶剤瓶が上になるように逆転する。液が流れ始めたら連結された両方の瓶を斜めにして液ができるだけノイアート瓶の壁面に沿って流れ込むようにする(添付文書の図6)。
7.溶剤の移行が終わったら、溶解液注入針を溶剤瓶(空)とともに抜き去り、ノイアート瓶をなるべく泡立てないようゆるやかに揺り動かして溶解する。
8.溶解液注入針はディスポーザブルなので再使用しない。
9.輸液セットを用いて点滴注輸する場合:瓶針は溶解液注入針と同じ位置及びその付近に刺入すると液漏れを起こすことがあるので離れた位置に刺入する。

(ノイアート静注用1500単位に添付のロングエアー針の使用方法)
1.ノイアート静注用1500単位瓶に輸液セットの瓶針を刺し、バイアルをさかさまにつるしておく。
2.ロングエアー針のフィルター部(通気部)を指で蓋をした状態のまま、ノイアート静注用1500単位瓶にまっすぐ差し込み、ロングエアー針の先端が液面上に出たことを確認してから、指をはなす。
3.点滴静注する際に、ロングエアー針の先端が液面上に出るように突き刺して使用する(添付文書の図参照)。
<注>:
1).市販の輸液セットなどに組み込まれた通気針は、針が短く先端が液面上に出ないため、点滴の際気泡を生じるので、添付のロングエアー針の使用をすすめる。
2).ロングエアー針は溶解液注入針と同じ位置及びその付近に刺入すると液漏れを起こすことがあるので離れた位置に刺入する。
3).包装袋が破損している場合は使用しない。
4).使用は1回限りとする。

(保管上の注意)
禁凍結、30℃以下。
このページの最初に戻る
ノイアート静注用1500単位
この医薬品についてもっと学ぶ!
※サイト内のページ遷移です。外部サイトには遷移しません。
「MEDCROSS」で調べる!
http://www.medcross.jp のサイトに移動します。





 
このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote