ヒロポンの用法・用量
通常、成人には、メタンフェタミン塩酸塩として1回2.5~5mg、1日10~15mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ヒロポンの効能・効果
- [1]次記疾病・症状の改善:ナルコレプシー、各種の昏睡、嗜眠、もうろう状態、インスリンショック、うつ病・うつ状態、統合失調症の遅鈍症の改善。
- [2]手術中・手術後の虚脱状態からの回復促進及び麻酔からの覚醒促進。
- [3]麻酔剤の急性中毒、睡眠剤の急性中毒の改善。
ヒロポンの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)依存性(頻度不明):反復投与により薬物依存を生じるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること。
- 2.その他の副作用:
- [1]精神神経系:(頻度不明)興奮、情動不安、めまい、不眠、多幸症、振戦、頭痛。
- [2]循環器:(頻度不明)心悸亢進、頻脈、血圧上昇。
- [3]消化器:(頻度不明)食欲不振、口渇、不快な味覚、下痢、便秘。
- [4]過敏症:(頻度不明)じん麻疹。
- [5]その他:(頻度不明)インポテンツ、性欲変化。
ヒロポンの使用上の注意
【禁忌】
- 1.モノアミン酸化酵素阻害剤投与中(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)又はモノアミン酸化酵素阻害剤投与後2週間以内の患者。
- 2.重篤な高血圧症、動脈硬化症の患者[血圧上昇のおそれがある]。
- 3.心疾患のある患者[本剤は心収縮力を増強し、心拍出量を増加させるため、症状が悪化するおそれがある]。
- 4.甲状腺機能亢進症の患者[心機能亢進状態にあるため、本剤が心機能に対し悪影響を及ぼす可能性がある]。
- 5.本剤の成分又はアドレナリン作動薬に対し過敏症の患者[過敏症が発現するおそれがある]。
- 6.不眠症、激越状態にある患者[症状が悪化するおそれがある]。
- 7.薬物乱用の既往歴のある患者[反復投与により薬物依存を生じるので、乱用のおそれがある]。
【重要な基本的注意】
- 1.反復投与により薬物依存を生じるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること。
- 2.本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
- 3.治療の目的以外には使用しないこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.高血圧症<重篤な高血圧症を除く>の患者:血圧上昇のおそれがある。
【腎機能障害患者】
腎機能障害患者:排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス、家兎)で催奇形作用(脳ヘルニア、口蓋裂等)が報告されている)。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトで乳汁中への移行が報告されている(メタンフェタミンの医療目的外での使用(投与量不明、静脈内投与又は吸引)による))。
【高齢者】
本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
【相互作用】
- 1.併用禁忌:モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩<エフピー>、ラサギリンメシル酸塩<アジレクト>、サフィナミドメシル酸塩<エクフィナ>)[高血圧クリーゼを起こすおそれがあるので、これらの薬剤を投与中又は投与後2週間以内の患者には本剤を投与しないこと(神経外モノアミン濃度が増加すると考えられる)]。
- 2.併用注意:
- [1]メチルドパ水和物、レセルピン[これらの薬剤の降圧作用を阻害する(機序は不明である)]。
- [2]三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩等)[本剤の作用が増強されることがある(機序は不明である)]。
- [3]全身麻酔剤(イソフルラン、セボフルラン等)[不整脈・心室細動を起こすことがある(機序は不明である)]。
【取扱い上の注意】
外箱開封後は遮光して保存すること。
【保管上の注意】
室温保存。