ベニジピン塩酸塩錠2mg「日医工」の用法・用量
- 1.高血圧症、腎実質性高血圧症:通常、成人にはベニジピン塩酸塩として1日1回2~4mgを朝食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分な場合には、1日1回8mgまで増量することができる。但し、重症高血圧症には1日1回4~8mgを朝食後経口投与する。
- 2.狭心症:通常、成人にはベニジピン塩酸塩として1回4mgを1日2回朝・夕食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
ベニジピン塩酸塩錠2mg「日医工」の効能・効果
- 1.高血圧症、腎実質性高血圧症。
- 2.狭心症。
ベニジピン塩酸塩錠2mg「日医工」の副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
- 1.重大な副作用(頻度不明)
- 肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害や黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行う。
- 1)肝臓:(頻度不明)肝機能異常[AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇等]。
- 2)腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇。
- 3)血液:(頻度不明)白血球減少、好酸球増加、血小板減少。
- 4)循環器:(頻度不明)動悸、顔面紅潮、ほてり、血圧低下、胸部重圧感、徐脈、頻脈、期外収縮。
- 5)精神神経系:(頻度不明)頭痛、頭重、眩暈、ふらつき、立ちくらみ、眠気、しびれ感。
- 6)消化器:(頻度不明)便秘、腹部不快感、嘔気、胸やけ、口渇、下痢、嘔吐。
- 7)過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感、光線過敏症[投与を中止する]。
- 8)口腔:(頻度不明)歯肉肥厚。
- 9)その他:(頻度不明)浮腫(顔浮腫・下腿浮腫・手浮腫)、CK上昇(CPK上昇)、耳鳴、手指発赤・手指熱感、肩こり、咳嗽、頻尿、倦怠感、カリウム上昇、*女性化乳房[*:投与を中止する]、結膜充血、霧視、発汗。
ベニジピン塩酸塩錠2mg「日医工」の使用上の注意
【禁忌】
- 1.心原性ショックの患者[症状が悪化する恐れがある]。
- 2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
【慎重投与】
- 1.過度に血圧の低い患者。
- 2.重篤な肝機能障害のある患者[肝機能障害が悪化する恐れがある]。
- 3.高齢者。
【重要な基本的注意】
- 1.カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行う。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意する。
- 2.本剤の投与により、過度の血圧低下を起こし、一過性意識消失等が現れる恐れがあるので、そのような場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行う。
- 3.降圧作用に基づく眩暈等が現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
【相互作用】
本剤は、主としてCYP3A4で代謝される。
- 併用注意:
- 1.降圧作用を有する薬剤[血圧が過度に低下することがある(降圧作用が増強される)]。
- 2.ジゴキシン[ジギタリス中毒が現れる恐れがあるので、ジゴキシンの血中濃度と心臓の状態をモニターし、異常が認められた場合には、ジゴキシンの用量の調節又は本剤の投与を中止する(カルシウム拮抗剤が、ジゴキシンの尿細管分泌を阻害し、血中ジゴキシン濃度を上昇させるとの報告がある)]。
- 3.シメチジン[血圧が過度に低下する恐れがある(シメチジンが肝ミクロソームにおけるカルシウム拮抗剤の代謝酵素を阻害する一方で胃酸を低下させ薬物の吸収を増加させるとの報告がある)]。
- 4.リファンピシン[降圧作用が減弱される恐れがある(リファンピシンが肝の薬物代謝酵素を誘導し、カルシウム拮抗剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させるとの報告がある)]。
- 5.イトラコナゾール[血圧が過度に低下することがある(イトラコナゾールが、肝臓における本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する恐れがある)]。
- 6.グレープフルーツジュース[血圧が過度に低下することがある(グレープフルーツジュースが、肝臓における本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する)]。
【高齢者への投与】
一般的に高齢者では、過度の降圧は好ましくないとされていることから、高血圧症の高齢者に使用する場合は、低用量(2mg/日)から投与を開始するなど経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい。
【妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与を避ける[動物実験(ラット、ウサギ)で胎仔毒性が、また妊娠末期に投与すると妊娠期間延長及び分娩時間延長することが報告されている]。
- 2.授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている]。
【小児等への投与】
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
【過量投与】
過量投与により過度の血圧低下を起こす恐れがあるので、著しい血圧低下が認められた場合には下肢の挙上、輸液投与、昇圧剤投与等の適切な処置を行う(なお、本剤は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有用ではない)。
【適用上の注意】
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
【その他の注意】
CAPD(持続的外来腹膜透析)施行中の患者の透析排液が白濁することが報告されているので、腹膜炎等との鑑別に留意する。
【取扱い上の注意】
安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。