リオナ錠250mgの用法・用量
〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉
通常、成人には、クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし、1日3回食直後に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日6000mgとする。
〈鉄欠乏性貧血〉
通常、成人には、クエン酸第二鉄として1回500mgを1日1回食直後に経口投与する。患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1回500mgを1日2回までとする。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉本剤投与開始時又は用量変更時には、1~2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。
- 2.〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉増量を行う場合は、増量幅をクエン酸第二鉄として1日あたりの用量で1500mgまでとし、1週間以上の間隔をあけて行うこと。
リオナ錠250mgの効能・効果
- [1]慢性腎臓病患者における高リン血症の改善。
- [2]鉄欠乏性貧血。
【効能又は効果に関連する注意】
〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉本剤は、血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
リオナ錠250mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]胃腸障害:(2%以上)下痢(12.4%)、悪心、便秘、(2%未満)腹部不快感、嘔吐、腹部膨満、腹痛、上腹部痛、排便回数増加、胃腸障害、下腹部痛、十二指腸潰瘍、便通不規則。
- [2]臨床検査:(2%未満)血清フェリチン増加[高リン血症患者を対象とした臨床試験で認められた副作用]、ヘモグロビン増加、血中アルミニウム増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、ヘマトクリット増加。
- [3]その他:(2%未満)赤血球増加症[高リン血症患者を対象とした臨床試験で認められた副作用]、食欲減退、頭痛、高血圧、肝機能異常、湿疹、そう痒症、月経過多、倦怠感。
リオナ錠250mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 2.〈鉄欠乏性貧血〉鉄欠乏状態にない患者(鉄過剰症を来すおそれがある)。
【重要な基本的注意】
- 1.〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉本剤は、定期的に血清リン濃度、血清カルシウム濃度及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること(血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること)。慢性腎臓病の場合、低カルシウム血症の発現あるいは低カルシウム血症悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与を考慮し、カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には、カルシウム受容体作動薬の減量等も考慮すること。慢性腎臓病の場合、また、二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは二次性副甲状腺機能亢進症悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤、カルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。
- 2.〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉本剤投与中は血清フェリチン値等を定期的に測定し、鉄過剰に注意すること。また、慢性腎臓病の場合、ヘモグロビン値等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には、過剰造血に注意すること。
- 3.〈鉄欠乏性貧血〉本剤投与中は、ヘモグロビン値、血清フェリチン値等を適宜測定し、鉄過剰に注意すること。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.〈効能共通〉消化性潰瘍、炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者:病態を悪化させるおそれがある。
- 2.〈効能共通〉他の鉄含有製剤投与中の患者:鉄過剰症を引き起こすおそれがある。
- 3.〈効能共通〉発作性夜間血色素尿症の患者:溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。
- 4.〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者:病態を悪化させるおそれがある。
- 5.〈慢性腎臓病患者における高リン血症の改善〉血清フェリチン値等から鉄過剰が疑われる患者:鉄過剰症を引き起こすおそれがある。
【肝機能障害患者】
- 1)C型慢性肝炎等の肝炎患者:病態を悪化させるおそれがある。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
【相互作用】
- 2.併用注意:
- [1]キノロン系抗菌剤<服用>(シプロフロキサシン<服用>等)[これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること(これら薬剤と結合し、吸収を減少させるおそれがある)]。
- [2]甲状腺ホルモン剤<服用>(レボチロキシン<服用>等)、テトラサイクリン系抗生物質<服用>(テトラサイクリン塩酸塩<服用>、ドキシサイクリン塩酸塩水和物<服用>等)、セフジニル<服用>、抗パーキンソン剤<服用>(レボドパ・ベンセラジド塩酸塩<服用>等)、エルトロンボパグ オラミン<服用>[これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること(これら薬剤と結合し、吸収を減少させるおそれがある)]。
- [3]経口アルミニウム製剤(水酸化アルミニウムゲル<服用>、合成ケイ酸アルミニウム<服用>)[他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニウム濃度が上昇したとの報告があるので、同時に服用させないなど注意すること(クエン酸との併用により、吸収が促進されるとの報告がある)]。経口アルミニウム製剤は透析療法を受けている患者には投与禁忌である。
【過量投与】
- 1.症状:過量投与時、主な症状は胃粘膜刺激による悪心、嘔吐、腹痛、血性下痢、吐血等の消化器症状である(また、頻脈、血圧低下、チアノーゼ等がみられる)、重症の場合は、昏睡、ショック、肝壊死、肝不全に至ることがある。
- 2.処置:過量投与時、服用初期には催吐、胃洗浄が有効である(その他に下剤、鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う)。過量投与時、血圧低下や循環虚脱があらわれた場合には、昇圧剤、輸液等による対症療法を行う。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- 2.薬剤投与時の注意:
- 1)腹部のX線又はMRI検査で、本剤が存在する胃腸管の画像に未消化錠が写る可能性がある。
- 2)本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
【その他の注意】
- 2.非臨床試験に基づく情報:イヌを用いたクエン酸第二鉄水和物の長期反復投与毒性試験において、最大臨床用量の鉄として慢性腎臓病における高リン血症の改善の約5倍、鉄欠乏性貧血の約30倍に相当する用量より、鉄の過剰蓄積に伴う肝臓組織障害(慢性肝臓炎症巣、細胆管増生及び肝実質線維化)が認められ、これらの変化は休薬による回復性はなく、休薬期間中に病態の進行が認められた。
【取扱い上の注意】
アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
【保管上の注意】
室温保存。