商品名

ウプトラビ錠0.4mg 添付文書情報

ウプトラビ錠0.4mgの用法用量

〈肺動脈性肺高血圧症〉

通常、成人にはセレキシパグとして1回0.2mgを1日2回食後経口投与から開始する。忍容性を確認しながら、7日以上の間隔で1回量として0.2mgずつ最大耐用量まで増量して維持用量を決定する。なお、最高用量は1回1.6mgとし、いずれの用量においても、1日2回食後に経口投与する。通常、2歳以上の幼児又は小児には、セレキシパグとして次の開始用量を1日2回食後に経口投与する。忍容性を確認しながら、7日以上の間隔で、次の増量幅で最大耐用量まで増量して維持用量を決定する。なお、次の最高用量は超えないこととし、いずれの用量においても1日2回食後に経口投与する。

  • [1]体重9kg以上25kg未満:開始用量(1回量)0.1mg、増量幅(1回量)0.1mg、最高用量(1回量)0.8mg。
  • [2]体重25kg以上50kg未満:開始用量(1回量)0.15mg、増量幅(1回量)0.15mg、最高用量(1回量)1.2mg。
  • [3]体重50kg以上:開始用量(1回量)0.2mg、増量幅(1回量)0.2mg、最高用量(1回量)1.6mg。

〈外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症〉

通常、成人にはセレキシパグとして1回0.2mgを1日2回食後経口投与から開始する。忍容性を確認しながら、7日以上の間隔で1回量として0.2mgずつ最大耐用量まで増量して維持用量を決定する。なお、最高用量は1回1.6mgとし、いずれの用量においても、1日2回食後に経口投与する。

【用法及び用量に関連する注意】

  • 1.投与初期に頭痛、下痢等の副作用が多く報告されており、特に小児においては嘔吐も多く認められていることから、患者の状態を十分観察しながら慎重に用量の漸増を行うこと。
  • 2.成人又は体重50kg以上の小児では忍容性に問題があり減量する場合は、原則として1回0.2mgずつ漸減すること(減量後に再増量する場合は、再増量までに8日以上の間隔をあけ、忍容性を確認しながら漸増すること)。
  • 3.3日以上投与を中断した場合、再開時には中断前より低い用量からの投与を考慮すること。
  • 4.投与を中止する場合は、症状の増悪に留意しながら投与量を漸減すること。
  • 5.中等度肝障害患者には、1日1回に減量して投与を開始し、投与間隔や増量間隔の延長、最高用量の減量を考慮すること。
  • 6.小児用0.05mg錠と組み合わせて使用しないこと。
  • 7.体重50kg未満の小児に投与する場合は、維持用量に到達するまでは小児用0.05mg錠を使用すること(維持用量が0.2mg錠及び0.4mg錠を用いて調整可能な場合には、0.2mg錠及び0.4mg錠に切り替えて投与することができる)。

ウプトラビ錠0.4mgの効能効果

  • [1]肺動脈性肺高血圧症。
  • [2]外科的治療不適応の慢性血栓塞栓性肺高血圧症又は外科的治療後に残存した慢性血栓塞栓性肺高血圧症・外科的治療後に再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症。

【効能又は効果に関連する注意】

  • 1.〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。
  • 2.〈肺動脈性肺高血圧症〉肺動脈性肺高血圧症の小児のWHO機能分類クラス1及び肺動脈性肺高血圧症の小児のWHO機能分類クラス4における有効性及び安全性は確立していない。
  • 3.〈肺動脈性肺高血圧症〉小児の特発性又は遺伝性PAH及び先天性心疾患に伴うPAH以外のPAHにおける有効性及び安全性は確立していない(PAH:肺動脈性肺高血圧症)。
  • 4.〈外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症〉慢性血栓塞栓性肺高血圧症のWHO機能分類クラス1及び慢性血栓塞栓性肺高血圧症のWHO機能分類クラス4における有効性及び安全性は確立していない。

ウプトラビ錠0.4mgの副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)低血圧:過度の血圧低下[低血圧(3.6%)、起立性低血圧(0.7%)等]があらわれることがある。
    • 2)出血:出血[鼻出血(1.6%)、網膜出血(0.3%)等]があらわれることがある。
    • 3)甲状腺機能異常:甲状腺機能異常[甲状腺機能亢進症(0.7%)、甲状腺機能低下症(0.4%)等]があらわれることがある。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]血液:(0.5~5%未満)貧血、(0.5%未満)鉄欠乏性貧血、血小板数減少、(頻度不明)ヘモグロビン減少。
    • [2]代謝異常:(0.5~5%未満)食欲減退、体液貯留、(0.5%未満)低カリウム血症、脱水。
    • [3]精神神経系:(5%以上)頭痛(58.3%)、浮動性めまい、(0.5~5%未満)失神、体位性めまい、頭部不快感、傾眠、不眠症、灼熱感、感覚鈍麻、嗜眠、(0.5%未満)錯感覚、味覚消失、片頭痛。
    • [4]眼:(0.5~5%未満)眼痛、(0.5%未満)羞明、霧視、眼瞼浮腫、流涙増加。
    • [5]耳:(0.5~5%未満)回転性めまい、(0.5%未満)耳鳴。
    • [6]循環器:(5%以上)潮紅(12.3%)、(0.5~5%未満)ほてり、動悸、(0.5%未満)頻脈、心房細動、心不全、右室不全、心室性期外収縮、狭心症、心電図QT延長、紅痛症(四肢熱感・四肢発赤・四肢の痛みを伴う四肢の腫れ)。
    • [7]呼吸器:(0.5~5%未満)呼吸困難、鼻閉、咳嗽、(0.5%未満)低酸素症、口腔咽頭不快感。
    • [8]消化器:(5%以上)下痢(37.9%)、悪心(27.2%)、嘔吐(15.0%)、腹痛、(0.5~5%未満)腹部不快感、消化不良、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、便秘、排便回数増加、胃炎、(0.5%未満)口内乾燥、胃拡張、消化性潰瘍。
    • [9]肝臓:(0.5~5%未満)肝酵素上昇、肝機能異常、(0.5%未満)血中ビリルビン増加、Al-P増加。
    • [10]皮膚:(0.5~5%未満)発疹、紅斑、皮膚そう痒症、(0.5%未満)光線過敏性反応、脱毛症、多汗症、(頻度不明)蕁麻疹、血管浮腫。
    • [11]筋骨格系:(5%以上)顎痛(23.6%)、筋肉痛(13.2%)、四肢痛(12.1%)、関節痛、(0.5~5%未満)背部痛、顎関節症候群、頚部痛、筋痙縮、骨痛、四肢不快感、関節腫脹、筋骨格硬直、(0.5%未満)開口障害、筋力低下、筋肉疲労、脊椎痛。
    • [12]腎臓:(0.5~5%未満)腎機能障害、(0.5%未満)頻尿。
    • [13]その他:(0.5~5%未満)倦怠感、浮腫(末梢性浮腫、顔面浮腫等)、疼痛、無力症、疲労、胸部不快感、体重減少、胸痛、(0.5%未満)異常感、発熱、胃腸炎、上咽頭炎、副鼻腔炎、インフルエンザ様疾患、転倒、月経過多、非心臓性胸痛、血中甲状腺刺激ホルモン増加、(頻度不明)血中甲状腺刺激ホルモン減少、過敏症。

ウプトラビ錠0.4mgの使用上の注意

【禁忌】

  • 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
  • 2.重度肝障害患者。
  • 3.肺静脈閉塞性疾患を有する肺高血圧症の患者[本剤の血管拡張作用により、肺水腫を誘発するおそれがある]。

【重要な基本的注意】

  • 1.本剤は、肺動脈性肺高血圧症又は慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療に十分な知識及び経験を有する医師のもとで使用すること。
  • 2.本剤の投与により肺水腫の徴候がみられた場合は肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮し、肺静脈閉塞性疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止すること。
  • 3.本剤は血管拡張作用を有するため、本剤の投与に際しては、血管拡張作用により患者が有害な影響を受ける可能性がある状態(降圧剤投与中、安静時低血圧、血液量減少、重度の左室流出路閉塞、自律神経機能障害等)にあるのかを十分検討すること。
  • 4.甲状腺機能異常があらわれることがあるので、本剤投与中は必要に応じて甲状腺機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
  • 5.意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.低血圧の患者:血圧を更に低下させるおそれがある(本剤は血管拡張作用を有する)。
  • 2.出血傾向並びに出血傾向素因のある患者:出血傾向を助長するおそれがある(本剤は血小板凝集抑制作用を有する)。

【腎機能障害患者】

  • 1)重度腎障害(eGFR:15~29mL/min/1.73㎡)のある患者(透析中の患者を含む):本剤の血中濃度が上昇することが認められている(また、透析中の患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)。

【肝機能障害患者】

  • 1)重度肝障害<Child-Pughスコア:10~15>患者:投与しないこと(本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある)。
  • 2)軽度又は中等度肝障害<Child-Pughスコア:5~9>患者:本剤の血中濃度が上昇する。

【妊婦】

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

【授乳婦】

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。

【小児等】

  • 1)〈肺動脈性肺高血圧症〉低出生体重児、新生児、乳児、2歳未満の幼児又は体重9kg未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
  • 2)〈外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症〉小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

【高齢者】

一般に、生理機能が低下していることが多い。

【相互作用】

本剤及び本剤の活性代謝物である脱メチルスルホニルアミド体(MRE-269)はCYP2C8とCYP3A4により代謝される。また、MRE-269はUGT1A3とUGT2B7によりグルクロン酸抱合される。

  • 2.併用注意:
    • [1]降圧作用を有する薬剤(カルシウム拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤、利尿剤、プロスタグランジンE1誘導体製剤、プロスタグランジンE2誘導体製剤、プロスタグランジンI2誘導体製剤等)[過度の血圧低下が起こるおそれがあるので、併用薬もしくは本剤を増量する場合は血圧を十分観察すること(相互に降圧作用を増強することが考えられる)]。
    • [2]抗凝血剤(ワルファリン等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、チクロピジン、プロスタグランジンE1誘導体製剤、プロスタグランジンE2誘導体製剤、プロスタグランジンI2誘導体製剤、非ステロイド性抗炎症剤等)[出血の危険性が増大するおそれがあるので、定期的にプロトロンビン時間等の血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること(本剤はin vitroで血小板凝集抑制作用を有するため、相互に抗凝血作用を増強することが考えられる)]。
    • [3]CYP2C8の阻害作用を有する薬剤(クロピドグレル含有製剤、デフェラシロクス等)[クロピドグレルとの併用で、本剤の活性代謝物のCmax及びAUCが増加したとの報告があるので、本剤の投与中にこれらの薬剤を開始する場合には、本剤の減量を考慮し、これらの薬剤の投与中に本剤を開始する場合には、本剤を1日1回に減量して投与を開始すること(CYP2C8を阻害することにより、本剤の活性代謝物の代謝が抑制されると考えられる)]。
    • [4]ロピナビル・リトナビル[本剤の血中濃度が上昇したとの報告があり、本剤の副作用が発現するおそれがある(本剤の代謝酵素であるCYP3A4や、本剤が基質となるOATP1B1、OATP1B3及びP糖タンパクを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇すると考えられる)]。
    • [5]CYP2C8の誘導作用を有する薬剤(リファンピシン等)[本剤の活性代謝物のAUCが低下するおそれがある(CYP2C8を誘導することにより、本剤及び活性代謝物の代謝が促進されると考えられる)]。

【過量投与】

  • 1.症状:本剤を1回3.2mg投与された成人患者に一過性悪心が発現したとの報告がある(外国人データ)。
  • 2.処置:過量投与時、特異的な解毒薬はない(本剤はタンパク結合率が高いため、透析が有効である可能性は低い)。

【適用上の注意】

  • 1.薬剤交付時の注意:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

【その他の注意】

  • 2.非臨床試験に基づく情報:イヌを用いた毒性試験において、本剤の薬理作用に起因する、腸管の蠕動運動の抑制によると考えられる腸重積が認められた。

【取扱い上の注意】

アルミピローの開封後は湿気を避けて保管すること。

【保管上の注意】

室温保存。

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