プロスタンディン点滴静注用500μgの用法・用量
通常成人には本品1バイアル(アルプロスタジルとして500μg)を輸液100mLに溶解し毎分5~10μg(0.1~0.2μg/kg/分)の注入速度で点滴静注を開始する。血圧の下降に注意しながら目的とする血圧まで下げ、以後それを維持できる点滴速度に調節する。低血圧を維持するためには通常毎分2.5~10μg(0.05~0.2μg/kg/分)を必要とする。
プロスタンディン点滴静注用500μgの効能・効果
- [1]次記における外科手術時の低血圧維持:高血圧症または軽度の虚血性心疾患を合併する場合。
- [2]外科手術時の異常高血圧の救急処置。
プロスタンディン点滴静注用500μgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)ショック(頻度不明)。
- 2.その他の副作用:
- [1]循環器:(5%未満)心電図異常(ST上昇・ST低下、T波逆転・T波平低化)、頻脈、不整脈、(頻度不明)低血圧。
- [2]注射部:(5~10%未満)静脈炎。
- [3]肝臓:(頻度不明)AST上昇・ALT上昇等。
- [4]その他:(5%未満)タキフィラキシー、(頻度不明)尿量減少、PaO2低下。
プロスタンディン点滴静注用500μgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.重症動脈硬化症及び心に高度循環障害あるいは脳に高度循環障害のある患者[低血圧により症状が悪化するおそれがある]。
- 2.重症肝疾患、腎疾患のある患者[低血圧により症状が悪化するおそれがある]。
- 3.非代償性の高度の出血、ショック状態及び呼吸不全の患者、未治療の貧血患者[低血圧により症状が悪化するおそれがある]。
- 4.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
- 5.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤の作用には個人差があるので血圧を頻回に測定するとともに、患者の全身状態を十分に管理しながら慎重に投与すること。
- 2.低血圧を必要とする手術ではECG、導尿等により心機能や腎機能を監視すること。
- 3.呼吸抑制があらわれることがあるので、呼吸管理に注意すること。
- 4.本剤の過剰投与により著明な低血圧をきたした場合には本剤の投与を中止して、麻酔を浅くし、体位変換、気道内圧の減少等の処置を行うこと(また、その他の副作用があらわれた場合にはすみやかに投与速度を遅くするか又は投与を中止すること)。
- 5.術後は患者の血圧が完全に回復するまで管理を行うこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.心不全のある患者:心不全の増強傾向があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
- 2.緑内障、眼圧亢進のある患者:動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている。
- 3.ステロイド服用中の患者:急性副腎不全を起こすおそれがある。
- 4.衰弱患者:状態が悪化するおそれがある。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(アルプロスタジルには子宮収縮作用が認められている)。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤投与時の注意:本剤は輸液以外の薬剤とは別経路で投与すること(患者の血圧の変化に応じて本剤の投与速度を適宜調節する必要がある)。
【取扱い上の注意】
外箱開封後は、遮光して保存すること。
【保険給付上の注意】
外科手術時の低血圧維持・外科手術時の異常高血圧の救急処置においては、既に他の薬剤が用いられており一般的に特に本剤を用いる必然性はないが、本剤の作用上の特徴等を踏まえ、保険診療上は、術前から、高血圧症を合併する場合であって腎機能障害若しくは肝機能障害を有する場合、又は軽度の虚血性心疾患を合併する場合における外科手術時の低血圧維持に限り本剤の使用を認めるものであること(昭和62年8月28日保険発第58号厚生省保険局医療課長通知)。
【保管上の注意】
室温保存。