スピリーバ2.5μgレスピマット60吸入の用法・用量
〈慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解〉
通常、成人にはスピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。
〈気管支喘息の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解〉
通常、成人にはスピリーバ1.25μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして2.5μg)を1日1回吸入投与する。なお、症状・重症度に応じて、スピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.〈効能共通〉本剤は1回2吸入で投与する製剤であり、1回1吸入では1日の投与量を担保できない。したがって、チオトロピウムとして2.5μgを投与する場合には、スピリーバ1.25μgレスピマットを使用すること。また、チオトロピウムとして5μgを投与する場合には、スピリーバ2.5μgレスピマットを使用すること。
- 2.〈気管支喘息〉重症度の高い喘息患者には、スピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入(チオトロピウムとして5μg)を1日1回吸入投与する。
スピリーバ2.5μgレスピマット60吸入の効能・効果
次記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解:慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、気管支喘息。
【効能又は効果に関連する注意】
〈効能共通〉本剤は慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)及び気管支喘息の維持療法に用いること。本剤は急性症状の軽減を目的とした薬剤ではない。〈気管支喘息〉気管支喘息において吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
スピリーバ2.5μgレスピマット60吸入の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)心不全(頻度不明)、心房細動(頻度不明)、期外収縮(1%未満)。
- 2)イレウス(頻度不明)。
- 3)閉塞隅角緑内障(頻度不明):視力低下、眼痛、頭痛、眼充血等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 4)アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(じん麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)が発現することがある。
- 2.その他の副作用:
- [1]眼:(頻度不明)霧視、眼圧上昇。
- [2]皮膚:(1%未満)発疹、皮膚そう痒、じん麻疹、(頻度不明)脱毛。
- [3]中枢神経系:(1%未満)浮動性めまい、(頻度不明)不眠。
- [4]感覚器:(頻度不明)味覚倒錯、嗅覚錯誤。
- [5]消化器:(1%以上)口渇(1.9%)、(頻度不明)便秘、消化不良、口内炎、舌炎。
- [6]代謝:(頻度不明)高尿酸血症。
- [7]循環器:(1%未満)動悸、上室性頻脈、(頻度不明)頻脈。
- [8]血液:(頻度不明)好酸球増多、白血球減少。
- [9]呼吸器:(1%未満)咽喉刺激感、嗄声、(頻度不明)咳嗽、呼吸困難、喘鳴、鼻出血、咽頭炎。
- [10]泌尿器:(頻度不明)血尿、排尿障害、夜間頻尿、クレアチニン上昇、腎機能異常、尿閉。
- [11]一般的全身障害:(頻度不明)過敏症(血管浮腫を含む)。
スピリーバ2.5μgレスピマット60吸入の使用上の注意
【禁忌】
- 1.閉塞隅角緑内障の患者[眼内圧を高め、症状を悪化させるおそれがある]。
- 2.前立腺肥大による排尿障害等排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある]。
- 3.アトロピン及びその類縁物質あるいは本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.〈効能共通〉用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当ではないと考えられるので、漫然と投与を継続せず中止すること。
- 2.〈効能共通〉吸入薬の場合、薬剤の吸入により気管支痙攣が誘発される可能性があるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 3.〈効能共通〉本剤の投与時に、本剤が眼に入らないように患者に注意を与えること。また、結膜充血及び角膜浮腫に伴う赤色眼とともに眼痛、眼不快感、霧視、視覚暈輪あるいは虹輪が発現した場合、急性閉塞隅角緑内障の徴候の可能性がある。結膜の充血及び角膜浮腫に伴う赤色眼とともに眼痛、眼の不快感、霧視、視覚暈輪あるいは虹輪が発現した場合には、可及的速やかに医療機関を受診するように患者に注意を与えること。
- 4.〈効能共通〉急性症状を緩和するためには、短時間作用性吸入β2刺激薬等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注意を与えること。また、短時間作用性吸入β2刺激薬等の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者に注意を与えること。
- 5.〈気管支喘息〉気管支喘息治療の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤であり、本剤は抗炎症剤ではないため、患者が本剤の使用により症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者に注意を与えること。
- 6.〈気管支喘息〉短時間作用性吸入β2刺激薬等の急性症状を緩和するための薬剤の使用量が増加したり効果が十分でなくなってきた場合には、患者の生命が脅かされる可能性があるので、吸入ステロイド剤等の増量等の抗炎症療法の強化を行うこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.心不全、心房細動、期外収縮の患者、又はそれらの既往歴のある患者:心不全、心房細動、期外収縮が発現することがある。
- 2.前立腺肥大<排尿障害がある場合を除く>のある患者:排尿障害が発現するおそれがある。
【腎機能障害患者】
- 1)腎機能高度低下あるいは腎機能中等度低下している患者(クレアチニンクリアランス値が50mL/min以下の患者):血中濃度の上昇がみられる(本剤は腎排泄型である)。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎仔に移行することが認められている)。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている)。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
副作用の発現に注意すること(一般に腎クリアランス等の生理機能が低下しており、血中濃度が上昇するおそれがあり、また、チオトロピウム粉末吸入剤の臨床試験で口渇は高齢者でより高い発現率が認められている)。
【過量投与】
- 1.症状:本剤を高用量投与した場合、抗コリン作動性の徴候及び抗コリン作動性の症状が発現する可能性がある。なお、本剤の経口投与後の生物学的利用率は低いので、経口摂取による急性中毒の発現の可能性は低いと考えられる。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:患者には専用の吸入用器具レスピマット及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:本剤と短時間作用型抗コリン性気管支拡張剤(イプラトロピウム臭化物水和物、オキシトロピウム臭化物等)との併用に関しては、臨床試験成績はなく、併用による有効性及び安全性は確立していないことから、併用は推奨できない。
【取扱い上の注意】
- 1.本剤は冷凍しないこと。
- 2.地方自治体により定められた廃棄処理方法にしたがうこと。
【保管上の注意】
冷凍しないこと。