オルベスコ100μgインヘラー112吸入用の用法・用量
成人
通常、成人にはシクレソニドとして100~400μgを1日1回吸入投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は800μgとする。また、1日に800μgを投与する場合は、朝、夜の1日2回に分けて投与する。
小児
通常、小児にはシクレソニドとして100~200μgを1日1回吸入投与する。なお、良好に症状がコントロールされている場合は50μg1日1回まで減量できる。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.喘息症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与すること。
- 2.1日1回投与の場合には、本剤を夜に投与することが望ましい。
オルベスコ100μgインヘラー112吸入用の効能・効果
気管支喘息。
【効能又は効果に関連する注意】
本剤の投与開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態にしておくこと。特に、喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態のときには原則として本剤は使用しないこと。
オルベスコ100μgインヘラー112吸入用の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]過敏症:(1%未満)発疹、そう痒、(頻度不明)血管浮腫等の過敏症状。
- [2]口腔・呼吸器:(1%未満)咽喉頭症状(咽喉頭不快感、咽喉頭疼痛)、嗄声、口渇、口腔カンジダ症、味覚異常、声のかすれ、(頻度不明)咳嗽。
- [3]消化器:(頻度不明)悪心。
- [4]肝臓:(1%未満)AST増加、ALT増加。
- [5]精神神経系:(1%未満)倦怠感、頭痛。
- [6]その他:(1%未満)*呼吸困難[*:気管支痙攣が疑われる場合は、短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を行うこと]、尿中蛋白、*胸部不快感、*胸痛[*:気管支痙攣が疑われる場合は、短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を行うこと]、気分不快、浮腫、動悸、*気管支痙攣[*:気管支痙攣が疑われる場合は、短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を行うこと]。
オルベスコ100μgインヘラー112吸入用の使用上の注意
【禁忌】
- 1.有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[症状を増悪するおそれがある]。
- 2.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤は気管支拡張剤並びに全身性ステロイド剤のように既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用すること。
- 2.本剤の投与期間中に急性の発作が発現した場合は、発作発現時に短時間作用性吸入β2刺激薬等の他の適切な薬剤を使用するよう患者を指導すること。また、短時間作用性吸入β2刺激薬等の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきたと感じられたら、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めるよう患者を指導すること。薬剤の使用量が増加したり効果が十分でなくなってきた状態は喘息の管理が不十分になっていることを示唆し、患者の生命を脅かす可能性があるので、本剤の増量あるいは気管支拡張剤・全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減に合わせて併用薬剤を徐々に減量すること。
- 3.気道感染に伴い喘息症状の増悪がみられた場合には、本剤の増量を含むステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮すること。
- 4.本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量すること。
- 5.全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により全身性作用(副腎皮質機能抑制、小児成長遅延、骨密度低下、白内障、緑内障を含む)が発現する可能性があるので、吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節すること。特に長期間、大量投与の場合には定期的に検査を行い、全身性作用が認められた場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
- 6.全身性ステロイド剤の減量は本剤の吸入開始後症状の安定をみて徐々に行うこと(減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる)。
- 7.本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがあるが、この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていないが、本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意すること。
- 8.全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎発現・鼻炎増悪、湿疹発現・湿疹増悪、蕁麻疹発現・蕁麻疹増悪、眩暈発現・眩暈増悪、動悸発現・動悸増悪、倦怠感発現・倦怠感増悪、顔のほてり発現・顔のほてり増悪、結膜炎発現・結膜炎増悪等の症状があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.結核性疾患又は感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・深在性真菌症を除く>の患者:症状を増悪するおそれがある。
- 2.気管支粘液の分泌が著しい患者:本剤の肺内での作用を確実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用することが望ましい。
- 3.長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者:本剤投与後の全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払い、また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと(これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる)。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること(本薬は動物実験(ラット、ウサギ)で胎盤通過性が報告されており、また、本薬は動物実験(ウサギ)で副腎皮質ステロイド剤に共通した催奇形作用が報告されている)。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本薬は動物実験(ラット)で乳汁中に移行(静脈内投与において投与量の0.044%以下)することが報告されている)。
【小児等】
- 1)長期間投与する場合には投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節することとし、身長等の経過の観察を十分行うこと。また小児等の使用にあたっては、使用法を正しく指導すること。全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に投与する場合に成長遅延をきたすおそれがある。
- 2)低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者での薬物動態試験で、活性代謝物である脱イソブチリル体の血中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められている)。
【相互作用】
活性代謝物である脱イソブチリル体は主として肝チトクロームP-450 3A4(CYP3A4)で代謝される。
- 2.併用注意:CYP3A4阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール、リトナビル等)[副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある(CYP3A4による代謝が阻害されることにより、本剤の活性代謝物である脱イソブチリル体の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
【過量投与】
- 1.症状:長期間の過量投与(用法及び用量の範囲を超えた量等)により、副腎皮質機能抑制等の全身性作用がみられることがある。
- 2.処置:過量投与時には、患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:
- 1)吸入前:患者には添付の携帯袋及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
- 2)吸入時:
- (1)本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用する(内服しても効果はみられない)。
- (2)専用のアダプターを使用すること。
- 3)吸入後:本剤吸入後に、うがいを実施するよう指導する(口腔内カンジダ症又は嗄声の予防のため)、ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく、口腔内をすすぐよう指導すること。
- 4)保管時:
- (1)アダプターはときどき柔らかい乾いた布もしくはちり紙で拭き、清潔に保管すること。
- (2)容器及びアダプターを水に入れたり、水で洗わない(噴霧不良の原因となることがある)。
【取扱い上の注意】
- 1.高温にすると破裂の危険があるため、温度が50℃以上になる所に置かないこと。
- 2.容器は空になっても火中に投じないこと。
- 3.容器は地方自治体により定められた方法で廃棄すること。
【保管上の注意】
室温保存。