グラニセトロン点滴静注液3mgバッグ「サワイ」の用法・用量
- 1.抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐):
- 成人:通常、成人にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる。
- 小児:通常、小児にはグラニセトロンとして40μg/kgを1日1回点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、症状が改善されない場合には、40μg/kgを1回追加投与できる。
- 2.放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐):
通常、成人にはグラニセトロンとして1回40μg/kgを点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、1日2回投与までとする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
放射線照射に伴う消化器症状に対して使用する場合は、放射線照射前に点滴静注する。なお、造血幹細胞移植前処置時の放射線全身照射<TBI>に伴う消化器症状(TBI:Total Body Irradiation)に対して使用する場合は、投与期間は4日間を目安とする。
グラニセトロン点滴静注液3mgバッグ「サワイ」の効能・効果
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状<悪心・嘔吐>及び放射線照射に伴う消化器症状<悪心・嘔吐>。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
- 1.本剤を抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与に限り使用する。
- 2.本剤を放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、強い悪心、嘔吐が生じる全身照射や上腹部照射等に限り使用する。
グラニセトロン点滴静注液3mgバッグ「サワイ」の副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
- 1.重大な副作用(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(そう痒感、発赤、胸部苦悶感、呼吸困難、血圧低下等)が現れるとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行う。
- 1)過敏症:(頻度不明)発疹、発赤。
- 2)精神神経系:(頻度不明)頭痛、眩暈、不眠。
- 3)循環器:(頻度不明)頻脈。
- 4)消化器:(頻度不明)便秘、下痢、腹痛、胃もたれ感。
- 5)肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等の肝機能検査値異常。
- 6)その他:(頻度不明)発熱、全身倦怠感、顔面潮紅。
グラニセトロン点滴静注液3mgバッグ「サワイ」の使用上の注意
【禁忌】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
【慎重投与】
- 塩化ナトリウム液に関する注意:
- 1.心臓機能障害、循環器系機能障害のある患者[塩化ナトリウム液により循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化する恐れがある]。
- 2.腎障害のある患者[塩化ナトリウム液により水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化する恐れがある]。
【重要な基本的注意】
本剤の投与により消化管運動低下が現れることがあるので、消化管通過障害の症状のある患者は、本剤投与後観察を十分に行う。
【相互作用】
併用注意:セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤<SNRI>、MAO阻害剤等)[セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)が現れる恐れがある(セロトニン作用が増強する恐れがある)]。
【高齢者への投与】
高齢者には副作用の発現に注意し、慎重に投与する。
【妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
- 1.妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
- 2.ラットにおいて乳汁への移行がみられたとの報告があるので、授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させる。
【小児等への投与】
- 1.抗悪性腫瘍剤<シスプラチン等>投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐):低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
- 2.放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐):小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
【適用上の注意】
- 1.調製時:フロセミド注の原液及びジアゼパム注との配合は沈殿が生じる場合があるので、避ける。
- 2.投与時:患者の体重による適正な用量を遵守する。
【その他の注意】
がん原性:マウス及びラットに1、5、50mg/kgを2年間経口投与し対照群と比較した試験において、次の通りであったとされている。マウスでは50mg/kg群の雄で肝細胞がん、50mg/kg群の雌で肝細胞腺腫増加がみられ、また、ラットでは5mg/kg以上群の雄及び50mg/kg群の雌で肝細胞腫瘍増加がみられたが、1mg/kg群(臨床用量の25倍に相当する)では、マウス及びラットとも肝細胞腫瘍の増加は認められなかった。
【取扱い上の注意】
- 1.ソフトバッグの取扱い上の注意:
- 1)外袋は使用直前まで開封しない。また、開封後は速やかに使用する。
- 2)次の場合は使用しない:
- (1)外袋が破損している場合は使用しない。
- (2)外袋の内側に水滴や薬液の漏出が認められる場合は使用しない。
- (3)薬液に着色や混濁が認められる場合は使用しない。
- (4)排出口をシールしているフィルムがはがれている場合は使用しない。
- 3)使用時には排出口をシールしているフィルムをはがす。
- 4)穿刺の際にはゴム栓の刺針部(凹部)にまっすぐ刺す(斜めに刺すと、排出口内壁を削り、削り片が薬液中に混入したり、排出口側壁を刺通し、液漏れをおこすことがある)、なお、同一箇所を繰り返し刺さない。
- 5)残液は使用しない。
- 6)容器の目盛はおよその目安として使用する。
- 2.安定性試験:包装品を用いた加速試験(40℃75%RH、6カ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。