タダラフィルOD錠5mgZA「トーワ」の用法・用量
1日1回タダラフィルとして5mgを経口投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
- 1.中等度腎障害のある患者では、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性があること及び投与経験が限られていることから、患者の状態を観察しながら1日1回2.5mgから投与を開始するなども考慮する。
- 2.チトクロームP450・3A4<CYP3A4>を強く阻害する薬剤投与中の患者では、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、1日1回2.5mgから投与を開始し、患者の状態を観察しながら適宜5mgへ増量する。
タダラフィルOD錠5mgZA「トーワ」の効能・効果
前立腺肥大症に伴う排尿障害。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
本剤の適用にあたっては、前立腺肥大症の診断・診療に関する国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、適切な検査により診断を確定する。
タダラフィルOD錠5mgZA「トーワ」の副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
- 1.重大な副作用(頻度不明)
- 過敏症(発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群):本剤の投与により(男性勃起不全治療剤及び肺動脈性肺高血圧症治療剤としての投与を含む)、発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群等の過敏症が、ごくまれに報告されており、このような症状が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用(頻度不明)
- 1)循環器:動悸、ほてり、潮紅、心筋梗塞、胸痛、心突然死、失神、低血圧。
- 2)感覚器:眼痛、霧視、結膜充血、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、眼瞼腫脹、視野欠損、非動脈炎性前部虚血性視神経症、突発性難聴。
- 3)消化器:消化不良、胃食道逆流性疾患、下痢、胃炎、腹痛。
- 4)腎臓:腎クレアチニンクリアランス減少。
- 5)筋骨格:筋肉痛、背部痛、四肢痛。
- 6)精神・神経系:頭痛、浮動性眩暈、片頭痛、脳卒中。
- 7)泌尿・生殖器:勃起増強、自発陰茎勃起、持続勃起症、勃起延長。
- 8)呼吸器:呼吸困難、鼻出血。
- 9)皮膚:多汗症。
- 10)その他:CK上昇(CPK上昇)。
タダラフィルOD錠5mgZA「トーワ」の使用上の注意
【警告】
- 1.本剤と硝酸剤又は一酸化窒素<NO>供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)との併用により降圧作用が増強し過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意する。
- 2.死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認する。
【禁忌】
- 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 2.硝酸剤投与中又は一酸化窒素<NO>供与剤投与中(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)の患者。
- 3.可溶性グアニル酸シクラーゼ<sGC>刺激剤投与中(リオシグアト)の患者。
- 4.次に掲げる心血管系障害を有する患者[これらの患者に対する使用経験がない]:(1)不安定狭心症のある患者、(2)心不全<NYHA分類3度以上>のある患者、(3)コントロール不良の不整脈、低血圧[血圧<90/50mmHg]又はコントロール不良の高血圧[安静時血圧>170/100mmHg]のある患者、(4)心筋梗塞の既往歴が最近3カ月以内にある患者、(5)脳梗塞の既往歴が最近6カ月以内・脳出血の既往歴が最近6カ月以内にある患者。
- 5.重度腎障害のある患者[重度の腎障害のある患者では本剤の血漿中濃度が上昇すること及び使用経験が限られているため]。
- 6.重度肝障害のある患者[重度の肝障害のある患者における使用経験がないため]。
【慎重投与】
- 1.α遮断剤投与中の患者。
- 2.軽度腎障害・中等度腎障害のある患者。
- 3.軽度肝障害・中等度肝障害のある患者[投与経験が限られている]。
- 4.ホスホジエステラーゼ<PDE>5阻害剤投与中の患者[PDE5阻害剤との併用使用の経験がない]。
- 5.高齢者。
- 6.陰茎構造上欠陥(陰茎屈曲、陰茎線維化、Peyronie病等)のある患者[本剤の薬理作用により勃起が起こり、その結果陰茎に痛みを引き起こす可能性がある]。
- 7.持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者。
- 8.出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者[in vitro試験でニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている(出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない)]。
- 9.網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはPDEの遺伝的障害を持つ症例が少数認められる]。
【重要な基本的注意】
- 1.他のPDE5阻害剤と同様に、本剤は血管拡張作用を有するため軽度の一過性血圧低下が現れる場合がある。本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認する。
- 2.α遮断剤と併用する場合は、降圧作用を増強する恐れがあるため、患者背景を考慮して治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ慎重に投与する。
- 3.4時間以上の勃起延長又は持続勃起<6時間以上持続する痛みを伴う勃起>が外国にてごくまれに報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導する。
- 4.本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失が現れた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導する。
- 5.臨床試験において、眩暈や視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
- 6.本剤投与後に急激な聴力低下又は突発性難聴(耳鳴り、眩暈を伴うことがある)が現れた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに耳鼻科専門医の診察を受けるよう、患者に指導する。
- 7.国内において他の前立腺肥大症治療薬と併用した際の臨床効果は確認されていない。
- 8.本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合は、手術療法等、他の適切な処置を考慮する。
【相互作用】
本剤は主にCYP3A4により代謝される。
- 1.併用禁忌:
- 1)硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)[併用により、降圧作用を増強するとの報告がある(NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する)]。
- 2)sGC刺激剤<ベルイシグアト以外>(リオシグアト<アデムパス>)[併用により、血圧低下を起こす恐れがある(併用により、細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼす恐れがある)]。
- 2.併用注意:
- 1)CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、テラプレビル、グレープフルーツジュース等)[強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤、国内未発売)との併用により、本剤のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある(CYP3A4阻害によるクリアランスの減少)]。
- 2)HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、インジナビル、サキナビル、ダルナビル等)[リトナビルとの併用により、本剤のAUCが124%増加するとの報告がある(CYP3A4阻害によるクリアランスの減少)]。
- 3)CYP3A4誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール等)[リファンピシンとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある(CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱する恐れがある)]。
- 4)α遮断剤(ドキサゾシン、テラゾシン等)[ドキサゾシンとの併用により、立位収縮期及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81及び5.33mmHg下降するとの報告があり、また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強する恐れがある)]。
- 5)降圧剤(アムロジピン、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタン等)[アンジオテンシン2受容体拮抗剤(単剤又は多剤)との併用により、自由行動下収縮期及び拡張期血圧は最大それぞれ8及び4mmHg下降するとの報告がある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強する恐れがある)]。
- 6)カルペリチド[併用により降圧作用が増強する恐れがある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強する恐れがある)]。
- 7)ベルイシグアト[症候性低血圧を起こす恐れがあるので、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ併用する(細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強する恐れがある)]。
【高齢者への投与】
高齢者では一般に生理機能が低下しているため、患者の状態を十分に観察しながら投与する。
【過量投与】
- 1.徴候・症状:外国において、健康成人に本剤を500mgまで単回投与した場合及び勃起不全患者に本剤100mgを反復投与した場合の副作用は、低用量で認められたものと同様の副作用であった。
- 2.処置:過量投与の際の特異的な薬物療法はないが、適切な対症療法を行う(なお、腎透析によるクリアランスの促進は期待できない)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
- 2.服用時:
- 1)本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である(また、水で服用することもできる)。
- 2)本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させない。
【その他の注意】
- 1.勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルの市販後の自発報告において、心筋梗塞、心突然死、心室性不整脈、脳出血、一過性脳虚血発作等の重篤な心血管系障害がタダラフィル投与後に発現している(これらの多くが心血管系のリスクファクターを有している患者であった)。多くの事象が、性行為中又は性行為後に認められ、少数例ではあるが、性行為なしにタダラフィル投与後に認められたものもあった。その他は、タダラフィルを投与し性行為後の数時間から数日後に報告されている。これらの症例について、タダラフィル、性行為、本来患者が有していた心血管系障害、これらの要因の組み合わせ又は他の要因に直接関連するかどうかを確定することはできない。なお、性行為を控える必要がある心血管系障害を有する患者には、タダラフィルを勃起不全治療剤として使用することは禁忌とされている。
- 2.薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において男性勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルを含むPDE5阻害剤投与後に、まれに視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されており、これらの患者の多くは、NAIONの危険因子を有していた[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]、外国において、NAIONを発現した45歳以上の男性を対象として実施された自己対照研究では、PDE5阻害剤の投与から消失半減期(T1/2)の5倍の期間内(タダラフィルの場合約4日以内に相当)は、NAION発現リスクが約2倍になることが報告されている。
- 3.薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、痙攣発作の発現が報告されている。
- 4.薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されており、これらの患者では、耳鳴りや眩暈を伴うことがある。
- 5.アルコール飲用時に本剤を投与した外国の臨床薬理試験(本剤10mg、20mg)[本剤の承認された用法・用量は、1日1回タダラフィルとして5mgである]において、アルコール血中濃度、本剤の血漿中濃度のいずれも相互に影響を受けなかったが、アルコールを高用量<0.7g/kg>飲用した被験者において、眩暈や起立性低血圧が報告された。
- 6.25mg/kg/day以上の用量でタダラフィルをイヌに3~12カ月間連日経口投与した毒性試験において、精巣重量低下、精細管上皮変性、精巣上体精子数減少が認められたとの報告がある。ヒトにおける精子形成能に対する影響を検討した外国臨床試験の一部では平均精子濃度減少が認められたが、精子運動率、精子形態及び生殖ホルモン値はいずれの試験においても変化が認められなかった。
【取扱い上の注意】
安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、2年)及び加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、通常の市場流通下においてそれぞれ3年間安定であることが推測された。
【保険給付上の注意】
- 1.本製剤の効能・効果は、「前立腺肥大症に伴う排尿障害」である。
- 2.本製剤が「前立腺肥大症に伴う排尿障害」以外の治療目的で処方された場合には、保険給付の対象としないこととする。