ベンザルコニウム塩化物液10%「東豊」の用法・用量
- 1.手指・皮膚の消毒:石鹸で十分に洗浄し、水で石鹸分を十分に洗い落とした後、ベンザルコニウム塩化物0.05~0.1%溶液に浸して洗い、滅菌ガーゼあるいは布片で清拭する。術前の手洗いの場合には、5~10分間ブラッシングする。
- 2.手術部位(手術野)の皮膚の消毒:手術前局所皮膚面をベンザルコニウム塩化物0.1%溶液で約5分間洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.2%溶液を塗布する。
- 3.手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒:ベンザルコニウム塩化物0.01~0.025%溶液を用いる。
- 4.感染皮膚面の消毒:ベンザルコニウム塩化物0.01%溶液を用いる。
- 5.医療機器の消毒:ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液に10分間浸漬するか、又は厳密に消毒する際は、器具を予め2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液中で15分間煮沸する。
- 6.手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒:ベンザルコニウム塩化物0.05~0.2%溶液を布片で塗布・清拭するか、又は噴霧する。
- 7.膣洗浄:ベンザルコニウム塩化物0.02~0.05%溶液を用いる。
- 8.結膜嚢の洗浄・消毒:ベンザルコニウム塩化物0.01~0.05%溶液を用いる。
ベンザルコニウム塩化物液10%「東豊」の効能・効果
手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒、感染皮膚面の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒、膣洗浄、結膜嚢の洗浄・消毒。
ベンザルコニウム塩化物液10%「東豊」の副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
その他の副作用(頻度不明)
過敏症:発疹、そう痒感等[このような症状が現れた場合には使用を中止する]。
ベンザルコニウム塩化物液10%「東豊」の使用上の注意
【重要な基本的注意】
- 1.本剤は必ず希釈し、濃度に注意して使用する。
- 2.血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している医療器具等に用いる場合には、十分に洗い落としてから使用する。
- 3.石鹸類は本剤の殺菌作用を減弱させるので、石鹸分を洗い落としてから使用する。
【臨床検査結果に及ぼす影響】
本剤で消毒したカテーテルで採取した尿はスルホサリチル酸法による尿蛋白試験で偽陽性を示すことがある。
【適用上の注意】
- 1.人体:
- 1)経口投与しない。
- 2)浣腸には使用しない。
- 3)原液又は濃厚液が眼に入らないように注意する(入った場合には水でよく洗い流す)。
- 4)濃厚液の使用により、皮膚刺激症状・粘膜刺激症状が現れることがあるので注意する。
- 5)炎症又は易刺激性の部位に使用する場合には、正常の部位に使用するよりも低濃度とすることが望ましい。
- 6)粘膜、創傷面又は炎症部位に長時間又は広範囲に使用しない(全身吸収による筋脱力を起こす恐れがある)。
- 7)密封包帯、ギプス包帯、パックに使用すると刺激症状が現れることがあるので、使用しないことが望ましい。
- 8)深い創傷又は眼に使用する場合の希釈液としては、注射用水か滅菌精製水を用い、水道水や精製水を用いない。
- 2.その他:
- 1)希釈液として塩類含量の多い水又は硬水を用いる場合には、通常用いる濃度の1.5~2倍の溶液として使用する。
- 2)繊維、布(綿、ガーゼ、ウール、レーヨン等)は本剤を吸着するので、これらを本剤に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下とならないように新しい溶液を補充する。
- 3)皮膚消毒に使用する綿球、ガーゼ等は滅菌保存し、使用時に本剤に浸す。
- 4)合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等への使用は避けることが望ましい。
【取扱い上の注意】
- 1.金属器具を長時間浸漬する必要がある場合には、腐食を防止するためにベンザルコニウム塩化物0.1%溶液に0.5~1.0%の亜硝酸ナトリウムを添加する。
- 2.皮革製品の消毒に使用すると、変質させることがあるので使用しない。
【保管上の注意】
気密容器。