ピドキサール注10mgの用法・用量
ピリドキサールリン酸エステル水和物として、通常、成人1日5~60mgを1~2回に分けて、皮下、筋肉内または静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。きわめてまれであるが、依存症の場合には、より大量を用いる必要のある場合もある。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.添加剤としてベンジルアルコールを含有するので、新生児(低出生体重児)等に大量に用いる場合は他のベンジルアルコールを含有しない製剤の使用を考慮すること。
- 2.ビタミンB6依存症に大量を用いる必要のある場合は観察を十分に行いながら投与すること。特にビタミンB6依存症の新生児、ビタミンB6依存症の乳幼児への投与は少量から徐々に増量し、症状に適合した投与量に到達させること。
ピドキサール注10mgの効能・効果
- (1)ビタミンB6欠乏症の予防及び治療(薬物投与<例えばイソニアジド>によるものを含む)。
- (2)ビタミンB6の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)。
- (3)ビタミンB6依存症(ビタミンB6反応性貧血など)。
- (4)次記疾患のうち、ビタミンB6欠乏またはビタミンB6代謝障害が関与すると推定される場合:1)口角炎、口唇炎、舌炎、口内炎、2)急性湿疹・慢性湿疹、脂漏性湿疹、接触皮膚炎、アトピー皮膚炎、尋常性ざ瘡、3)末梢神経炎、4)放射線障害(放射線宿酔)。
なお、前記適応(効能又は効果)のうち、「ビタミンB6欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合」の疾患に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
ピドキサール注10mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)横紋筋融解症(頻度不明):新生児、乳幼児に大量に用いた場合、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎障害等の重篤な腎障害に至ることがある。
- 2.その他の副作用:
- [1]過敏症:(頻度不明)発疹等の過敏症状。
- [2]消化器:(頻度不明)下痢、嘔吐[新生児、乳幼児に大量に用いた場合、認められたとの報告がある]。
- [3]肝臓:(頻度不明)肝機能異常[新生児、乳幼児に大量に用いた場合、認められたとの報告がある]。
- [4]その他:(頻度不明)注射部位の発赤、疼痛、皮下硬結。
ピドキサール注10mgの使用上の注意
【小児等】
- 1)新生児、乳幼児に大量に用いた場合、横紋筋融解症、下痢、嘔吐、肝機能異常等の副作用があらわれることがある。
- 2)添加剤として含有されているベンジルアルコールによると疑われる中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)を来した新生児(低出生体重児)等の症例が報告されている。
- 3)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【相互作用】
- 2.併用注意:レボドパ[レボドパの作用を減弱することがある(ピリドキシンがレボドパの末梢での脱炭酸化を促進し、脳内作用部位への到達量を減少させるためと考えられている)]。
【適用上の注意】
- 1.薬剤投与時の注意:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。・ 筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最小限度に行うこと。なお、特に筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わないこと。また、乳幼小児に筋肉内投与を連用することはこのましくない。・ 筋肉内投与時神経走行部位を避けるよう注意すること。・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
【保管上の注意】
室温保存。