塩化カルシウム水和物の用法・用量
塩化カルシウム水和物として、通常成人1回1~2gを約5%水溶液にして1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
塩化カルシウム水和物の効能・効果
低カルシウム血症に起因する次記症候の改善:テタニー、テタニー関連症状。
塩化カルシウム水和物の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]長期投与:(頻度不明)高カルシウム血症、結石症。
- [2]代謝異常:(頻度不明)アシドーシス。
- [3]消化器:(頻度不明)食欲不振、便秘等。
塩化カルシウム水和物の使用上の注意
【禁忌】
- 1.高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を悪化させるおそれがある]。
- 2.腎結石のある患者[腎結石を助長するおそれがある]。
- 3.重篤な腎不全のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.長期投与により血中カルシウム高値及び尿中カルシウム高値になることがあるので、長期投与する場合には定期的に血中カルシウム又は尿中カルシウムを検査することが望ましい。
- 2.本品は局所刺激作用を有し、胃腸粘膜を刺激するので、牛乳などの保護剤と共に投与すること。また、経管投与は行わないこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.高カルシウム血症があらわれやすい病態の患者。
【腎機能障害患者】
- 1)重篤な腎不全のある患者:投与しないこと(組織への石灰沈着を助長するおそれがある)。
- 2)腎不全を有する低カルシウム血症の患者:アシドーシスを促進する。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験を実施していない。
【高齢者】
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
【相互作用】
- 2.併用注意:
- [1]活性型ビタミンD製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール、ファレカルシトリオール等)[高カルシウム血症があらわれやすい(相加作用)]。
- [2]テトラサイクリン系抗生物質<経口>(ミノサイクリン<経口>、ドキシサイクリン<経口>、テトラサイクリン<経口>等)、ニューキノロン系抗菌剤<経口>(シプロフロキサシン<経口>、ノルフロキサシン<経口>、トスフロキサシン<経口>等)、リン酸エストラムスチンナトリウム<経口><エストラサイト、ビアセチル、プロエスタ>、骨代謝改善剤<経口>(エチドロン酸二ナトリウム<経口>、アレンドロン酸ナトリウム水和物<経口>、リセドロン酸ナトリウム水和物<経口>)[これらの薬剤の効果が減弱するおそれがあるので、投与間隔をできるだけあけるなど注意すること(カルシウムがこれらの薬剤と難溶性のキレートを形成し、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられる)]。
- [3]多量の牛乳[牛乳アルカリ症があらわれることがあるので多量の牛乳との併用は避けること(腸管からのカルシウム吸収が増大する)]。
- [4]強心配糖体(メチルジゴキシン、ジゴキシン、ジギトキシン等)[強心配糖体の作用を増強し徐脈・心室性期外収縮・房室ブロックなどの中毒症状を誘発するおそれがある(カルシウムは強心配糖体の心筋収縮力増強作用を強める)]。
- [5]ポリカルボフィルカルシウム:
- ①.ポリカルボフィルカルシウム[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(この薬剤はカルシウムを含有(ポリカルボフィルカルシウム1.0g中にカルシウムとして約200mg含有)するため、併用するとカルシウムの過剰摂取となる)]。
- ②.ポリカルボフィルカルシウム<経口>[この薬剤の作用が減弱するおそれがある(この薬剤はカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、カルシウムとの共存下では再結合により薬効が減弱する)]。
【適用上の注意】
- 1.薬剤調製時の注意:
- 1)配合変化:本剤の水溶液は、炭酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、酒石酸塩などの塩類と反応して沈殿を生じることがあるので、混合を避ける。
【取扱い上の注意】
本剤は潮解性であるので、吸湿に注意して取扱い、使用後は速やかに容器の閉栓をすること。
【保管上の注意】
室温保存。