フェロ・グラデュメット錠105mgの用法・用量
鉄として、通常成人1日105~210mgを1~2回に分けて、空腹時に、又は副作用が強い場合には、食事直後に、経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
フェロ・グラデュメット錠105mgの効能・効果
鉄欠乏性貧血。
フェロ・グラデュメット錠105mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]消化器:(0.5~5%未満)悪心・嘔吐、腹痛、食欲不振、胃部不快感、(0.5%未満)下痢、便秘。
- [2]過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒感。
- [3]肝臓:(頻度不明)肝機能異常。
フェロ・グラデュメット錠105mgの使用上の注意
【禁忌】
鉄欠乏状態にない患者[鉄過剰症をきたすおそれがある]。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.消化性潰瘍、慢性潰瘍性大腸炎、限局性腸炎等の胃腸疾患のある患者:消化管粘膜を刺激し、潰瘍や炎症を増悪するおそれがある。
- 2.発作性夜間血色素尿症の患者:溶血を誘発することがある。
- 3.腸管に憩室又は腸管に強度の狭窄のある患者及び腸管の運動機能低下している患者:錠剤の通過が妨げられるため、憩室部位壊疽及び腸閉塞をきたすことがある。
- 4.嚥下障害のある患者:本剤が口腔内や食道に停留し、口腔内潰瘍や食道潰瘍形成に至った症例が認められている、また誤嚥により本剤が気管や気管支に停留し、気管粘膜障害(気管びらん、気管出血、気管浮腫等)や気管支粘膜障害(気管支びらん、気管支出血、気管支浮腫等)、気管支狭窄に至った症例が認められている。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
- 1)本剤が口腔内や食道に停留し、口腔内潰瘍や食道潰瘍形成に至った症例が認められている、また誤嚥により本剤が気管や気管支に停留し、気管粘膜障害(気管びらん、気管出血、気管浮腫等)や気管支粘膜障害(気管支びらん、気管支出血、気管支浮腫等)、気管支狭窄に至った症例が認められている。
- 2)用量に留意すること(一般に生理機能が低下している)。
【相互作用】
- 2.併用注意:
- [1]甲状腺ホルモン製剤<経口>(乾燥甲状腺<経口>、リオチロニン<経口>、レボチロキシン<経口>)[これらの薬剤の吸収が阻害され作用が減弱することがあるので、できるだけ投与間隔をあけるなど注意すること(難溶性の複合体を形成することが考えられている)]。
- [2]セフジニル<経口>、ニューキノロン系抗菌剤<経口>(ノルフロキサシン<経口>、シプロフロキサシン<経口>等)[これらの薬剤の吸収が阻害され作用が減弱することがあるので、できるだけ投与間隔をあけるなど注意すること(キレートを形成する)]。
- [3]テトラサイクリン系抗生物質<経口>(テトラサイクリン<経口>、ドキシサイクリン<経口>、ミノサイクリン<経口>)[相互に吸収が阻害され作用が減弱することがあるので、できるだけ投与間隔をあけるなど注意すること(キレートを形成する)]。
- [4]制酸剤[本剤の吸収が阻害されるおそれがある(難溶性の複合体の形成又は消化管のpHの上昇によると考えられている)]。
- [5]タンニン酸を含有する食品等[本剤の吸収が阻害されるおそれがある(難溶性の複合体を形成する)]。
【臨床検査結果に及ぼす影響】
潜血反応で偽陽性となることがある。
【過量投与】
- 1.症状:過量投与時、主な症状は胃粘膜刺激による悪心、嘔吐、腹痛、血性下痢、吐血等の消化器症状である(また、頻脈、血圧低下、チアノーゼ等がみられる)、重症の場合は、昏睡、ショック、肝壊死、肝不全に至ることがある(本剤は徐放錠のため症状が持続することがある)。
- 2.処置:過量投与時、服用初期には催吐、胃洗浄が有効である(その他に下剤、鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う)。過量投与時、血圧低下や循環虚脱があらわれた場合には、昇圧剤、輸液等による対症療法を行う。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:
- 1)PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- 2)本剤は徐放錠であるので、噛んだり、砕いたりせずに服用するよう指導すること。
- 3)本剤が口腔内や食道に停留し、口腔内潰瘍や食道潰瘍形成に至った症例が認められているので、服用にあたっては十分量の水とともに服用し、直ちに飲み下すよう注意させること。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:
- 1)本剤の投与により、便が黒色を呈することがある。
- 2)鉄放出後のプラスチック格子は、そのまま糞便中に排泄される。
- 2.非臨床試験に基づく情報:動物実験において、大量のアロプリノールの併用で肝の鉄貯蔵量が増加したとの報告がある。
【保管上の注意】
室温保存。