レブロジル皮下注用75mgの用法・用量
通常、成人にはルスパテルセプト(遺伝子組換え)として1回1.0mg/kgを3週間間隔で皮下投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回1.75mg/kgを超えないこと。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.次の基準を参考に、本剤を増量、休薬、減量又は中止すること。
[本剤の増量、休薬又は減量基準]
- [1]同一用量を2回(6週間)以上連続投与した後に、十分なヘモグロビン濃度の上昇が認められない場合又は赤血球輸血から離脱できない場合:1用量レベル増量する。
- [2]赤血球輸血を受けていない状態で、ヘモグロビン濃度が11.5g/dL以上の場合:本剤を休薬し、ヘモグロビン濃度が11g/dL以下になった場合、休薬前の用量で投与を再開する。
- [3]赤血球輸血を受けていない状態で、ヘモグロビン濃度が3週間以内に2g/dLを超える急激な上昇が認められた場合:1用量レベル減量する。
- [4]*Grade3以上の副作用:Grade1又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後は1用量レベル減量して投与を再開する。
*)GradeはNCI-CTCAE v4.03に準じる。
[本剤の用量レベル]
- [1]レベル2:1.75mg/kg。
- [2]レベル1:1.33mg/kg。
- [3]レベル0:1.0mg/kg。
- [4]レベル-1:0.8mg/kg。
- [5]レベル-2:0.6mg/kg。
- [6]レベル-3:0.45mg/kg。
- [7]レベル-4:投与中止。
- 2.本剤1.75mg/kgを3回(9週間)投与した時点を目安として、輸血量の減少やヘモグロビン濃度の上昇等の効果が認められない場合には、本剤の投与継続の要否を検討すること。
レブロジル皮下注用75mgの効能・効果
骨髄異形成症候群に伴う貧血。
【効能又は効果に関連する注意】
- 1.IPSS-Rによるリスク分類のHigh及びIPSS-Rによるリスク分類のVery Highに対する有効性及び安全性は確立していない(IPSS-R:Revised International Prognostic Scoring System(国際予後スコアリングシステム改訂版))。
- 2.臨床試験に組み入れられた患者の病型、貧血の状態等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
レブロジル皮下注用75mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]消化器:(3%以上)悪心、(1~3%未満)下痢、嘔吐。
- [2]神経系:(3%以上)頭痛、(1~3%未満)浮動性めまい、(1%未満)失神寸前状態。
- [3]筋骨格系:(1~3%未満)筋肉痛、骨痛、(1%未満)背部痛、関節痛。
- [4]血液:(1~3%未満)好中球減少症、血小板減少症。
- [5]肝臓:(1~3%未満)ALT増加、AST増加。
- [6]腎臓:(1%未満)血中クレアチニン増加、急性腎障害。
- [7]呼吸器:(1~3%未満)呼吸困難、(1%未満)労作性呼吸困難、肺塞栓症。
- [8]循環器:(3%以上)高血圧、(1%未満)急性心筋梗塞。
- [9]投与部位:(3%以上)注射部位反応(紅斑、疼痛、そう痒感、発疹、腫脹)。
- [10]過敏症:(1%未満)顔面浮腫、眼瞼浮腫、眼窩周囲浮腫。
- [11]その他:(3%以上)疲労、(1~3%未満)無力症、そう痒症、疼痛、高尿酸血症、(1%未満)末梢性浮腫。
レブロジル皮下注用75mgの使用上の注意
【禁忌】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤は、血液疾患の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者にのみ投与すること。
- 2.本剤投与中はヘモグロビン濃度を定期的に観察し、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。
【生殖能を有する者】
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい(動物実験(ラット)でルスパテルセプトの胎仔への移行が認められ、ラット及びウサギで臨床曝露量の約5.0倍(ラット)又は11.7倍(ウサギ)に相当する投与量で、胚発生への影響・胎仔発生への影響(吸収胚数増加及び着床後胚損失率増加、同腹仔数減少及び骨格変異の発現頻度増加)が認められている)。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、動物実験(ラット)で本剤の乳汁中移行が認められている(乳汁中濃度/血清中濃度比:0.06~0.17))。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【適用上の注意】
- 1.薬剤調製時の注意:
- 1)本剤1バイアルあたり1.6mLの注射用水で溶解し、50mg/mLの濃度とすること。
- 2)溶解方法:
- (1)注射用水をバイアルに注入後、バイアルを1分間静置する(溶解に使用した針及びシリンジは皮下投与に使用しない)。
- (2)バイアルを30秒間緩やかに回転させて、その後バイアルを立てた状態で30秒間静置する(粉末が完全に溶解するまで繰り返す)。
- (3)バイアルを反転させ反転状態で30秒間緩やかに回転させ、その後バイアルを立てた状態に戻し30秒間静置し、同様の操作を更に7回繰返し側面に付着した粉末を完全溶解する(バイアルは振とうせず激しく撹拌しない)。
- (4)溶解液は無色~微黄色の澄明又は僅かに乳白光を呈する液であり、溶解液に微粒子や変色がないか目視で確認すること(微粒子が認められた場合には使用しないこと)。
- (5)溶解後やむを得ず保存する場合は常温又は2~8℃で保存し、常温保存する場合8時間以内、2~8℃保存する場合24時間以内に使用する(2~8℃保存する場合、投与15~30分前に冷蔵庫から取り出し室温に戻す)。溶解液は凍結させないこと。
- 3)患者の体重から算出した必要量をバイアルからシリンジへ抜き取る。残液は廃棄すること。
- 2.薬剤投与時の注意:
- 1)注射部位は上腕部、大腿部又は腹部を選び、同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。また、1回につき1.2mLを超えて投与する場合には、同程度の投与量に分けてシリンジに取り、部位を変えて投与する(複数回に分けて投与する場合、投与毎に新しい注射針及びシリンジを使用する)。
- 2)他の薬剤<注射用水を除く>と混合しないこと。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:
- 1)臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。
- 2)海外市販後の自発報告において、骨髄異形成症候群患者で、髄外造血巣が認められたとの報告がまれにある。
- 3)臨床試験において、高リスク骨髄異形成症候群への進行及び急性骨髄性白血病への移行を含む造血器悪性腫瘍が認められたとの報告がある。
- 2.非臨床試験に基づく情報:幼若ラット(生後7日)を用いた毒性試験において、臨床曝露量の約3.1倍に相当する投与量で、造血器悪性腫瘍(リンパ腫、骨髄性白血病、リンパ性白血病)の発生が認められている。また、ラットを用いた次世代に及ぼす影響に関する毒性試験において、臨床曝露量の約1.1倍に相当する投与量で、軽微な出生仔糸球体腎炎等の出生仔腎臓組織学的変化が認められている。
【取扱い上の注意】
凍結を避けること。
【保管上の注意】
2~8℃で保存。