炭酸水素Na静注1.26%バッグ「フソー」の用法・用量
- 1.薬物中毒の際の排泄促進、動揺病等に伴う悪心・嘔吐及び眩暈並びに急性蕁麻疹には、炭酸水素ナトリウムとして1回12~60mEq(1~5g)を静脈内注射する。
- 2.アシドーシスには、通常用量を次式により算出し、静脈内注射する。
必要量(mEq)=不足塩基量(mEq/L)×0.2×体重(kg)。
なお、いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減する。
炭酸水素Na静注1.26%バッグ「フソー」の効能・効果
- 1.薬物中毒<pHの上昇により尿中排泄の促進される薬物に限る>の際の排泄促進。
- 2.アシドーシス。
- 3.次記疾患又は状態に伴う悪心・嘔吐及び眩暈:動揺病、メニエル症候群、その他の内耳障害。
- 4.急性蕁麻疹。
炭酸水素Na静注1.26%バッグ「フソー」の副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 1.過剰投与:(頻度不明)1)電解質:アルカローシス、高ナトリウム血症、低カリウム血症、2)血液:血液凝固時間延長、3)骨格筋:テタニー。
- 2.神経系:(頻度不明)口唇しびれ感、知覚異常。
- 3.投与部位:(頻度不明)血管痛。
- 4.その他:(頻度不明)発熱、全身冷感、不快感、貧血、悪心、徐脈等。
炭酸水素Na静注1.26%バッグ「フソー」の使用上の注意
【慎重投与】
- 1.心停止のある患者[炭酸ガスが蓄積し、細胞内アシドーシス発現の誘因となる恐れがある]。
- 2.うっ血性心不全のある患者、重症高血圧症の患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化する恐れがある]。
- 3.腎障害のある患者[水分、ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化する恐れがある]。
- 4.末梢浮腫及び肺浮腫のある患者[浮腫が悪化する恐れがある]。
- 5.妊娠中毒症の患者[水分、ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、妊娠中毒症を悪化させる恐れがある]。
- 6.低カルシウム血症の患者[症状が悪化する恐れがある]。
- 7.低カリウム血症の患者[症状が悪化する恐れがある]。
【重要な基本的注意】
心肺蘇生時には、炭酸ガスを十分排除する必要があるので、本剤の投与にあたっては、換気を十分に行う。
【高齢者への投与】
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意する。
【適用上の注意】
- 1.調製時:
- 1)カルシウムイオンと沈殿を生じるので、カルシウム塩を含む製剤と配合しない。
- 2)本剤はアルカリ性であり、他の注射剤<注射用水や5%ブドウ糖注射液を除く>と混合する場合は、配合変化を起こしやすいので注意する。
- 2.投与前:
- 1)投与に際しては、感染に対する配慮をする(患者の皮膚や器具消毒)。
- 2)体温程度に温めて使用する。
- 3)開封後直ちに使用し、残液は決して使用しない。
- 3.投与時:
- 1)血管外へ漏れると組織炎症・組織壊死を起こすことから、針先が確実に静脈内に挿入されていることを確認して、注入を開始する。また、できるだけ太い静脈を利用する。細い静脈しか得られないときは、適量の注射用水や5%ブドウ糖注射液で希釈し、緩徐に静脈内注射(点滴)する。
- 2)血管痛が現れた場合には、注射部位を変更し、また、場合によっては中止する。
- 4.投与速度:ゆっくり静脈内に投与する。
【取扱い上の注意】
- 1.製品の安定性を保持するためガスバリアーフィルムで包装しているので、外袋は使用直前まで開封しない。
- 2.外袋の内面に水滴が認められた場合は使用しない。
- 3.連結管による連続投与は行わない(連続投与を行う場合には、Y型タイプのセットを使用する)。
- 4.インジケーター(ピンクの錠剤)が青紫~青色に変色している時は使用しない。
- 5.インジケーターを正常に働かせるため直射日光にさらさない。
- 6.内容液の漏出又は混濁などが認められた場合は使用しない。
- 7.オーバーシール(ゴム栓部の汚染防止のためのシール)が万一はがれているときは使用しない。
- 8.通気針は不要。
- 9.ゴム栓への針刺は、ゴム栓面に垂直に、ゆっくりと行う(斜めに刺すと、ゴム片(コア)が薬液中に混入したり、ポート部を傷つけて液漏れを起こす恐れがある)。
- 10.容器の目盛はおよその目安として使用する。
- 11.本品の容器は柔らかなプラスチック製であるため、鋭利なもの等で傷をつけたり、強い衝撃を与えたりしない(液漏れの原因となる)。