ビビアント錠20mgの用法・用量
通常、バゼドキシフェンとして、1日1回20mgを経口投与する。
ビビアント錠20mgの効能・効果
閉経後骨粗鬆症。
ビビアント錠20mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)静脈血栓塞栓症(頻度不明):深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症、表在性血栓性静脈炎があらわれることがあるので、下肢疼痛・下肢浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止すること。
- 2.その他の副作用:
- [1]眼:(頻度不明)霧視・視力低下等の視力障害。
- [2]皮膚:(1~5%未満)発疹、(頻度不明)じん麻疹、皮膚そう痒症。
- [3]循環器:(1~5%未満)血管拡張(ほてり)。
- [4]消化器:(1~5%未満)腹痛、口渇、(頻度不明)口内乾燥。
- [5]血液:(1~5%未満)貧血。
- [6]肝臓:(1~5%未満)ALT上昇、(1%未満)AST上昇。
- [7]精神神経系:(頻度不明)傾眠。
- [8]乳房:(1~5%未満)線維嚢胞性乳腺疾患。
- [9]筋・骨格系:(1~5%未満)筋痙縮(下肢痙攣を含む)、関節痛。
- [10]その他:(1~5%未満)耳鳴、(1%未満)末梢性浮腫、(頻度不明)過敏症、トリグリセリド上昇。
ビビアント錠20mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者[これらの症状が増悪することがある]。
- 2.長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者。
- 3.抗リン脂質抗体症候群の患者[本症候群の患者は静脈血栓塞栓症を起こしやすいとの報告がある]。
- 4.妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦。
- 5.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤の投与により、静脈血栓塞栓症があらわれることがあるので、患者に対し、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
- 2.静脈血栓塞栓症のリスクの高い患者では、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ、本剤の投与を考慮すること[静脈血栓塞栓症のリスク要因:外科手術、重大な外傷、加齢、肥満、悪性腫瘍等]。長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る前に本剤の投与を中止し、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないこと。
- 3.患者のカルシウム及び/又はビタミンDの摂取量が十分でない場合は、カルシウム及び/又はビタミンDをそれぞれ補給すること。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.経口エストロゲン療法にて顕著な高トリグリセリド血症の既往のある患者:本剤服用により血清トリグリセリド上昇がみられることがある(なお、本剤の臨床試験において、トリグリセリド>300mg/dLの患者には投与されていない)。
【腎機能障害患者】
腎機能障害患者を対象とした国内臨床試験は実施していない。
【肝機能障害患者】
血中濃度が上昇するおそれがある(肝機能障害患者を対象とした国内臨床試験は実施していない)。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤投与中に、妊娠した場合、胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを、あらかじめ説明しておき、本剤投与中に妊娠した場合は、直ちに本剤を中止すること(非臨床試験の結果から、妊婦に本剤を投与した場合、胎児に悪影響を及ぼすおそれがあり、ウサギでは、≧0.5mg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床用量の1.4倍)で、流産及び胎仔心奇形(胎仔心室中隔欠損)及び胎仔骨格異常(胎仔脊柱骨化遅延あるいは胎仔脊柱奇形又は胎仔頭蓋骨骨化遅延あるいは胎仔頭蓋骨奇形)の発生増加が認められ、また、ラットでは、≧1mg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床用量の0.25倍)で、生存仔数減少及び胎仔体重減少が認められた)。
【授乳婦】
授乳を避けさせること(本剤がヒト母乳中へ移行するかどうかは不明である)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:
- 1)海外臨床試験において、静脈血栓塞栓症の発現率(1000女性人年)は、最初の1年間において最も高くなるとの報告がある。1年間では、本剤20mg投与群4.64:プラセボ投与群1.73(相対リスク2.69)、3年間では、2.86:1.75(相対リスク1.63)、5年間では、2.35:1.57(相対リスク1.50)、7年間では、2.06:1.36(相対リスク1.51)であった。
- 2)本剤投与による子宮内膜増殖は、確認されていないので、本剤投与中に子宮出血が発現した場合には、他の要因を含め、症状に応じて詳しい検査を行うこと。
- 2.非臨床試験に基づく情報:
- 1)雌ラット及びマウスにおけるがん原性試験の結果、卵巣腫瘍の発生が認められたとの報告があり、これらの所見は、若齢の性周期を有する動物における卵胞機能及び性ホルモンバランスの不均衡に起因する変化である可能性が高いと考えられる。長期臨床試験において、閉経後女性における本剤の投与と腫瘍発生との間に明確な関係は示唆されていない。
- 2)雄ラットにおけるがん原性試験及び卵巣摘除サルを用いた18ヵ月間投与薬効薬理試験において、腎腫瘍又は腎細胞癌の発生が認められたとの報告がある。これらの所見は、動物に特異的又は自然発症的な変化である可能性が高いと考えられる。
【保管上の注意】
室温保存。