ビザミル静注の用法・用量
通常、本剤1バイアル(120~370MBq)を静脈内投与し、投与後60~120分に撮像を開始する。
【用法及び用量に関連する注意】
撮像時間は、投与量、撮像機器、データ収集条件、画像再構成のアルゴリズム及びパラメータ等を考慮して決定すること(適切にバリデーションされたPET装置で撮像を行う場合、投与量185MBqにおける標準的な撮像時間は20分間である)。
ビザミル静注の効能・効果
- [1]アルツハイマー病による軽度認知障害又はアルツハイマー病による認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化。
- [2]抗アミロイドベータ抗体薬投与後の脳内アミロイドベータプラークの可視化。
【効能又は効果に関連する注意】
〈アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化〉アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の発症前診断を目的として無症候者に対して本剤を用いたPET検査を実施しないこと(アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の発症予測に関する有用性は確立していない)。
ビザミル静注の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)アナフィラキシー(0.2%):アナフィラキシーを起こすことがあるので問診を十分に行い、投与後は十分に観察し、顔面潮紅、呼吸困難及び胸部圧迫感等の症状が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]循環器:(1~5%未満)潮紅、血圧上昇。
- [2]消化器:(1~5%未満)悪心。
- [3]精神神経系:(0.5~1%未満)頭痛、浮動性めまい。
- [4]その他:(1~5%未満)胸部不快感。
ビザミル静注の使用上の注意
【禁忌】
本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.〈効能共通〉診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合のみ投与すること。
- 2.〈効能共通〉本剤を用いて撮像したPET画像の読影は、本剤を用いたPET検査に関する読影訓練を受けた医師が行うこと。
- 3.〈アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化〉アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の診断は、軽度認知障害及び認知症に関する十分な知識と経験を有する医師が、本剤を用いたPET検査所見に加えて、他の関連する検査結果や臨床症状等に基づき総合的に判断すること。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤投与時の注意:本剤の投与ルート内の残留を防ぐため、本剤の投与に引き続いて日局生理食塩液を急速静注する。
【その他の注意】
- 2.非臨床試験に基づく情報:遺伝毒性試験のうち、細菌を用いる復帰突然変異試験及びマウスリンフォーマTk試験において、代謝活性化系の存在下で遺伝毒性試験陽性の結果であった。
【取扱い上の注意】
本剤は、医療法その他の放射線防護に関する法令、関連する告示及び通知等を遵守し、適正に使用すること。
【保険給付上の注意】
本剤は、効能又は効果として「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」を有する医薬品に係る厚生労働省の定める最適使用推進ガイドラインに沿って実施される、アミロイドPET検査に使用される場合に限り、保険適用される。
【保管上の注意】
室温保存。