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クレセンバ点滴静注用200mg 添付文書情報

クレセンバ点滴静注用200mgの用法用量

通常、成人にはイサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回、1時間以上かけて点滴静注する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回、1時間以上かけて点滴静注する。

【用法及び用量に関連する注意】

  • 1.カプセル剤と注射剤は医師の判断で切り替えて使用することができる。
  • 2.投与期間は基礎疾患の状態、免疫抑制からの回復及び臨床効果に基づき設定すること。

クレセンバ点滴静注用200mgの効能効果

次記の真菌症の治療:1)アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)、2)ムーコル症、3)クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))。

【効能又は効果に関連する注意】

本剤を投与する前に、原因真菌を分離及び同定するための真菌培養、病理組織学的検査等の他の検査のための試料を採取すること。培養等の検査の結果が得られる前に薬物療法を開始する場合でも、検査の結果が明らかになった時点でそれに応じた抗真菌剤による治療を再検討すること。

クレセンバ点滴静注用200mgの副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
    • 2)肝機能障害:肝機能検査異常(13.7%)、肝機能異常(6.8%)、肝損傷(1.4%)、肝炎(頻度不明)があらわれることがある。
    • 3)急性腎障害(1.4%)、腎不全(頻度不明)。
    • 4)ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]血液及びリンパ系障害:(頻度不明)白血球減少症、好中球減少症、汎血球減少症。
    • [2]心臓障害:(5%未満)動悸、心室性期外収縮、(頻度不明)心房細動、心房粗動、徐脈、上室性期外収縮、上室性頻脈。
    • [3]耳及び迷路障害:(頻度不明)回転性めまい。
    • [4]内分泌障害:(5%未満)抗利尿ホルモン不適合分泌。
    • [5]胃腸障害:(5%以上)悪心、(5%未満)下痢、嘔吐、(頻度不明)腹部膨満、腹痛、便秘、消化不良。
    • [6]一般・全身障害及び投与部位の状態:(5%以上)注射部位反応、注射部位蕁麻疹、注入部位静脈炎、(5%未満)末梢性浮腫、(頻度不明)無力症、胸痛、疲労、倦怠感。
    • [7]肝胆道系障害:(5%未満)胆嚢炎、(頻度不明)肝腫大。
    • [8]免疫系障害:(頻度不明)過敏症。
    • [9]臨床検査:(5%未満)血圧低下、血小板数減少、血中クレアチニン増加、好中球数減少、心電図異常、体重減少。
    • [10]代謝及び栄養障害:(5%未満)高カリウム血症、食欲減退、低ナトリウム血症、(頻度不明)低アルブミン血症、低血糖、低カリウム血症、低マグネシウム血症。
    • [11]筋骨格系及び結合組織障害:(5%未満)筋力低下、(頻度不明)背部痛。
    • [12]神経系障害:(5%未満)異常感覚、感覚障害、感覚鈍麻、傾眠、味覚不全、痙攣発作、(頻度不明)脳症、頭痛、末梢性ニューロパチー、錯感覚、失神、痙攣。
    • [13]精神障害:(頻度不明)譫妄、うつ病、不眠症。
    • [14]腎及び尿路障害:(5%未満)血尿、腎機能障害。
    • [15]呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(5%未満)呼吸困難、口腔咽頭不快感、発声障害、(頻度不明)急性呼吸不全、気管支痙攣、頻呼吸。
    • [16]皮膚及び皮下組織障害:(5%未満)そう痒性皮疹、光線過敏性反応、湿疹、皮膚乾燥、薬疹、冷汗、(頻度不明)脱毛症、皮膚炎、点状出血、皮膚そう痒症、発疹。
    • [17]血管障害:(5%以上)ほてり、(5%未満)高血圧、(頻度不明)低血圧、血栓性静脈炎。

クレセンバ点滴静注用200mgの使用上の注意

【禁忌】

  • 1.リトナビル投与中、コビシスタット含有製剤投与中、イトラコナゾール投与中、ボリコナゾール投与中、クラリスロマイシン投与中、リファンピシン投与中、リファブチン投与中、カルバマゼピン投与中、フェノバルビタール投与中、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中(St.John’s Wort)、フェニトイン投与中、ホスフェニトインナトリウム水和物投与中、ロミタピドメシル酸塩投与中の患者。
  • 2.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。

【重要な基本的注意】

  • 1.肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
  • 2.急性腎障害、腎不全があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
  • 3.本剤の投与に際しては、アレルギー歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。
  • 4.ラット及びマウスにおいて発がん性が認められているので、本剤を長期投与する場合は治療上の有益性と危険性を考慮して投与の継続を慎重に判断すること。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.他のアゾール系抗真菌剤に対し薬物過敏症の既往歴のある患者:類似の化学構造を有しており、交差過敏反応を起こすおそれがある。
  • 2.先天性QT短縮症候群の患者:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、本剤投与前及び投与中は定期的に心電図検査を実施するなど、患者の状態を慎重に観察すること(QT間隔が短縮するおそれがある)。

【肝機能障害患者】

  • 1)重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C):治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること、やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがあり、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない)。
  • 2)軽度及び中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A及びB):本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、副作用の発現に十分注意すること。

【生殖能を有する者】

妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

【妊婦】

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラット及びウサギにおいて、それぞれ臨床曝露量(AUC)未満の曝露量で、胎仔骨格異常(胎仔催奇形性)が認められた)。

【授乳婦】

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットで乳汁中への移行が報告されている)。

【小児等】

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

【相互作用】

イサブコナゾールは、CYP3Aで代謝される。また、CYP3Aを中程度に阻害、CYP2B6を誘導、P糖蛋白(P-gp)、有機カチオントランスポーター(OCT)2、多剤・毒性化合物排出蛋白(MATE)1、UDP-グルクロン酸転移酵素(UDP-glucuronosyltransferase、UGT)を阻害する。

  • 1.併用禁忌:
    • [1]リトナビル<ノービア>、コビシスタット含有製剤<ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス>、イトラコナゾール<イトリゾール>、ボリコナゾール<ブイフェンド>、クラリスロマイシン<クラリス、クラリシッド>[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(これらの薬剤はCYP3Aを強く阻害する)]。
    • [2]リファンピシン<リファジン>、リファブチン<ミコブティン>、カルバマゼピン<テグレトール>、フェノバルビタール<フェノバール>、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)、フェニトイン<アレビアチン、ヒダントール>、ホスフェニトインナトリウム水和物<ホストイン>[本剤の血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある(これらの薬剤等はCYP3Aを強く誘導する)]。
    • [3]ロミタピドメシル酸塩<ジャクスタピッド>[ロミタピドの血中濃度が上昇する可能性がある(本剤はロミタピドの代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。
  • 2.併用注意:
    • [1]ロピナビル・リトナビル[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は本剤の副作用発現に十分に注意すること(リトナビルはCYP3Aを阻害する)。ロピナビル・リトナビルの血中濃度が低下するおそれがあるため、併用する場合はロピナビル・リトナビルの有効性の減弱について十分に注意すること(ロピナビル・リトナビルの血中濃度が低下する機序は不明)]。
    • [2]CYP3Aを阻害する薬剤等(ニルマトレルビル・リトナビル等)[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は本剤の副作用発現に十分に注意すること(これらの薬剤等はCYP3Aを阻害する)]。
    • [3]CYP3Aにより代謝される薬剤(免疫抑制剤(タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン)、ミダゾラム、フェンタニル、ベネトクラクス、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、シンバスタチン、アムロジピン等)[これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A)を阻害する)]。
    • [4]エファビレンツ[相互に血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は必要に応じてエファビレンツの用量を調節すること(本剤はエファビレンツの代謝酵素(CYP2B6)を誘導し、エファビレンツは本剤の代謝酵素(CYP3A)を誘導する)]。
    • [5]シクロホスファミド[シクロホスファミドの活性代謝物の血中濃度が変動し毒性が増強するあるいは作用が減弱するおそれがある(本剤は、シクロホスファミドの代謝酵素であるCYP2B6を誘導し、CYP3Aを阻害する)]。
    • [6]ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(ビンクリスチン、ビンブラスチン等)、コルヒチン、エベロリムス[これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること(これらの薬剤はCYP3A及びP-gpの基質であり、本剤はCYP3A及びP-gpを阻害する)]。
    • [7]P-gpの基質となる薬剤(フェキソフェナジン、トルバプタン、抗悪性腫瘍剤(ニロチニブ、ラパチニブ)、ジゴキシン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等)[これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること(これらの薬剤はP-gpの基質であり、本剤はP-gpを阻害する)]。
    • [8]ミコフェノール酸モフェチル[活性代謝物であるミコフェノール酸の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はミコフェノール酸の副作用発現に十分に注意すること(本剤はミコフェノール酸の代謝酵素(UGT)を阻害する)]。
    • [9]メトホルミン[メトホルミンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は必要に応じてメトホルミンの用量を調節すること(メトホルミンはOCT2及びMATE1の基質であり、本剤はOCT2及びMATE1を阻害する)]。

【過量投与】

  • 1.処置:過量投与時、本剤は血液透析によって除去されない。

【適用上の注意】

  • 1.薬剤調製時の注意:
    • 1)溶解方法:
      • (1)本剤は、保存剤を含有しないため無菌的に調製すること。
      • (2)1バイアルに5mLの日局注射用水を加え、緩やかに攪拌してバイアル内の粉末を完全に溶解すること。
      • (3)溶液は無色から帯黄色で、微粒子を認めないことを目視で確認する(異常を認めた場合には使用しないこと)。
      • (4)溶解後は室温で1時間以内に点滴静注溶液を調製すること。
      • (5)本剤は1回使い切りである(残液は適切に廃棄すること)。
    • 2)希釈方法:
      • (1)溶解した溶液5mLをバイアルから抜き取り、250mLの日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液が入った点滴バッグに添加すること。希釈の際、半透明~白色のイサブコナゾールの微粒子が見えることがあるが、これは投与時にインラインフィルターによって除かれる。
      • (2)微粒子の形成を低減するために、静かに転倒混和すること。
      • (3)希釈後は、室温で6時間以内に投与まで完了すること(やむを得ず保存する場合は、希釈後直ちに冷蔵保存し(2~8℃)、24時間以内に投与まで完了すること)。希釈した液は凍結しないこと。
    • 3)配合変化:配合変化の可能性があるため本剤の希釈には、日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を使用すること(他の製剤<日局注射用水・日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を除く>とは混合しないこと)。
  • 2.薬剤投与時の注意:
    • 1)投与前後に、ラインを日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液でフラッシュする。本剤は、他の製剤<日局注射用水・日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を除く>と同一のラインから同時に投与しないこと。
    • 2)孔径0.2~1.2μmのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
    • 3)注入に伴う反応のリスクを低減するため、全量を最低1時間かけて静脈内投与する。急速静注は行わないこと。

【その他の注意】

  • 2.非臨床試験に基づく情報:
    • 1)マウスのがん原性試験(2年間投与)において、肝芽細胞腫増加及び肝臓血管腫増加が臨床曝露量(AUC)のそれぞれ0.6倍及び1.0倍以上の曝露量で認められた。ラットのがん原性試験(2年間投与)において、皮膚線維腫増加及び子宮内膜腺癌増加が臨床曝露量のそれぞれ2.6倍及び3.8倍の曝露量で認められた。なお、臨床試験においてヒトにおける本剤の投与と腫瘍発生との間に明確な関係は報告されていない。
    • 2)本剤のコレステロール合成に関与するCYP51阻害作用に関連して、ラット反復経口投与試験において卵巣間質細胞空胞化が臨床曝露量(AUC)の2.2倍以上の曝露量、ラット及びカニクイザル反復経口投与試験において副腎皮質細胞肥大・副腎皮質細胞空胞化が臨床曝露量の1.1倍の曝露量で認められた。

【保管上の注意】

2~8℃保存。

クレセンバ点滴静注用200mg

クレセンバ点滴静注用200mg

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