商品名

レイアタッツカプセル150mg 添付文書情報

レイアタッツカプセル150mgの用法用量

通常、成人には次の用法・用量に従い食事中又は食直後に経口投与する。投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。

〈抗HIV薬による治療経験のない患者〉

・ アタザナビルとして300mgとリトナビルとして100mgをそれぞれ1日1回併用投与。・ アタザナビルとして400mgを1日1回投与。

〈抗HIV薬による治療経験のある患者〉

・ アタザナビルとして300mgとリトナビルとして100mgをそれぞれ1日1回併用投与。

【用法及び用量に関連する注意】

  • 1.リトナビル100mgを超えて併用投与した際の有効性と安全性は確立していない。リトナビルを高用量で併用投与した場合には本剤の安全性プロファイル(心伝導障害、高ビリルビン血症)に影響をあたえる可能性がある。
  • 2.ウイルス学的治療失敗を伴う抗HIV薬による治療経験のある患者に、本剤をリトナビルと併用せずに投与することは推奨されない。
  • 3.抗HIV薬による治療経験のない患者でリトナビルの投与が適用できない患者に対しては、リトナビルと併用しない用法・用量(アタザナビルとして400mgを1日1回投与)を考慮すること。
  • 4.中等度肝障害患者(Child-Pugh分類B)には、リトナビルを併用せずに、本剤の投与量を300mg、1日1回に減量して投与することを考慮する。中等度肝障害のある患者には、本剤とリトナビルの併用は推奨されない。
  • 5.透析を施行している腎障害<抗HIV薬による治療経験のない>患者には、本剤をリトナビルと併用して投与すること。なお、透析を施行している腎障害<抗HIV薬による治療経験のある>患者には、本剤を投与しないこと。
  • 6.本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定できない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
  • 7.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること。
  • 8.本剤の減量投与に対する長期的な有効性は確立されていないので、本剤を減量して投与することは推奨されない。
  • 9.本剤とテノホビルを併用する場合、本剤300mg、リトナビル100mg、テノホビル300mgをそれぞれ1日1回食事中又は食直後に投与することが推奨される。

レイアタッツカプセル150mgの効能効果

HIV-1感染症。

【効能又は効果に関連する注意】

  • 1.無症候性HIV感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認すること。

レイアタッツカプセル150mgの副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)重度の肝機能障害、肝炎:重度肝機能障害、肝炎(1%未満)等があらわれることがある。
    • 2)糖尿病、糖尿病悪化及び高血糖。
    • 3)出血傾向:出血事象があらわれた場合には血液凝固因子を投与するなど適切な処置を行うこと。
    • 4)QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)、房室ブロック(第一度~第三度AVブロック)。
    • 5)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、中毒性皮疹。
    • 6)尿細管間質性腎炎:腎間質結晶沈着が認められた症例が報告されている。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]心臓障害:(1%未満)失神、浮腫、動悸、心停止、第一度AVブロック、心筋炎、(頻度不明)QT延長、torsade de pointes。
    • [2]神経系障害:(1%以上)頭痛(2.7%)、(1%未満)末梢神経障害、健忘、傾眠、浮動性めまい、味覚異常、灼熱感、痙攣、運動過多、感覚鈍麻、反射亢進。
    • [3]眼障害:(1%以上)黄疸眼(1.1%)。
    • [4]耳及び迷路障害:(1%未満)耳鳴、耳炎。
    • [5]呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)呼吸困難、咳嗽、しゃっくり、低酸素症。
    • [6]胃腸障害:(1%以上)悪心(5.7%)、嘔吐(2.2%)、下痢(2.2%)、消化不良(1.2%)、腹痛(1.1%)、(1%未満)口渇、鼓腸、胃炎、膵炎、アフタ性口内炎、腹部膨満、大腸炎、便秘、歯痛、食道潰瘍、食道炎、胃腸炎、胃腸障害、口腔内潰瘍形成、消化性潰瘍。
    • [7]腎及び尿路障害:(1%未満)血尿、頻尿、蛋白尿、腎結石、腎臓痛、尿異常、結晶尿、腎不全、乏尿、多尿、尿路感染。
    • [8]皮膚及び皮下組織障害:(1%以上)発疹(1.9%)、(1%未満)脱毛症、皮膚そう痒症、蕁麻疹、血管拡張、水疱性皮膚炎、湿疹、血管浮腫、脂肪萎縮(顔面脂肪萎縮)、光線過敏、多汗、斑状出血、紫斑、蜂巣炎、皮膚糸状菌症、皮膚乾燥、爪障害、脂漏。
    • [9]筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)関節痛、筋萎縮、筋肉痛、ミオパチー、背部痛、骨痛、四肢痛、筋無力症、ピクピクした動き。
    • [10]代謝及び栄養障害:(1%未満)食欲不振、食欲亢進、体重減少、体重増加、脱水、脂質異常症、痛風、乳酸アシドーシス、肥満、(頻度不明)体脂肪再分布/体脂肪蓄積(胸部脂肪増加、体幹部脂肪増加、末梢部脂肪減少、野牛肩)。
    • [11]血管障害:(1%未満)高血圧、蒼白。
    • [12]全身障害及び投与局所様態:(1%以上)疲労(1.4%)、(1%未満)無力症、胸痛、発熱、倦怠感、歩行障害、異形成、全身浮腫、熱過敏、感染、末梢性浮腫、疼痛。
    • [13]免疫系障害:(1%未満)アレルギー反応。
    • [14]肝胆道系障害:(1%以上)黄疸(4.2%)、(1%未満)肝脾腫大、無胆汁症、肝腫大、肝臓細胞障害、脂肪肝、(頻度不明)胆石症、胆嚢炎、胆汁うっ滞。
    • [15]生殖系及び乳房障害:(1%未満)女性化乳房、男性生殖能低下、無月経、インポテンス、月経障害、骨盤痛。
    • [16]精神障害:(1%未満)不眠症、不安、うつ病、睡眠障害、異常な夢、失見当識、激越、リビドー減退、情動不安定、幻覚、敵意、神経過敏、精神病、自殺企図。
    • [17]臨床検査[グレード3-4の臨床検査値異常(副作用として報告されたかどうかにかかわらず、臨床試験において測定された臨床検査値異常)]:(1%以上)総ビリルビン上昇(37.2%)、ALT上昇(4.6%)、AST上昇(3.3%)、CK上昇(7.4%)、アミラーゼ上昇(11.6%)、リパーゼ上昇(2.6%)、好中球減少(4.7%)、ヘモグロビン減少(1.5%)。

レイアタッツカプセル150mgの使用上の注意

【禁忌】

  • 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
  • 2.重度肝障害のある患者。
  • 3.次の薬剤を投与中の患者:リファンピシン投与中、イリノテカン塩酸塩水和物投与中、ミダゾラム投与中、トリアゾラム投与中、ベプリジル塩酸塩水和物投与中、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩投与中、エルゴメトリンマレイン酸塩投与中、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩投与中、ピモジド投与中、シンバスタチン投与中、ロバスタチン投与中(国内未発売)、ロミタピドメシル酸塩投与中、バルデナフィル塩酸塩水和物投与中、ブロナンセリン投与中、アゼルニジピン投与中、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン投与中、ルラシドン塩酸塩投与中、フィネレノン投与中、リバーロキサバン投与中、グラゾプレビル水和物投与中、グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル投与中、プロトンポンプ阻害剤投与中(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、ボノプラザンフマル酸塩)、アスピリン・ランソプラゾール投与中、アスピリン・ボノプラザンフマル酸塩投与中、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>投与中(St.John’s Wort)。

【重要な基本的注意】

  • 1.本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
    • 1)本剤はHIV-1感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV-1感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体的状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
    • 2)本剤を空腹時に服用すると血中濃度が低くなり抗ウイルス作用を発揮できないことがあるため、本剤を食事中又は食直後に服用すること。
    • 3)本剤投与開始後、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりせず、処方された用量を守ること。
    • 4)本剤は一部の薬剤と相互作用を起こすことがあるため、処方箋の有無にかかわらず服用している薬剤をすべて担当医及び薬剤師に報告すること。
    • 5)無症候性高ビリルビン血症があらわれることがあるので、本剤服用中に眼球・皮膚の黄染がみられた場合には担当医に報告すること。
    • 6)本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
  • 2.本剤にて治療中、UDP-グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)阻害により無症候性非抱合型ビリルビン上昇が高頻度にあらわれるが、この高ビリルビン血症は本剤投与中止により回復する。高ビリルビン血症とともに肝トランスアミナーゼ上昇を認める場合には、他の原因を疑うこと。総ビリルビンの正常範囲の上限より5倍を超える上昇が認められた患者での長期的な安全性データは得られていない。ビリルビン上昇による黄疸・黄疸眼があらわれ、患者の美容上の観点より、本剤から他の抗HIV療法への切り換えを考慮することがある。
  • 3.本剤の投与による軽・中等度の発疹が報告されている。一般に投与開始3週間以内に斑状発疹又は丘疹状発疹が生じ、通常は投与継続中に2週間以内で消失する。重度発疹が発現したり、持続する場合には本剤の投与を中止すること。
  • 4.HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の患者において糖尿病の発症や糖尿病悪化及び高血糖が発現し、その中には糖尿病性ケトアシドーシスを伴っていた症例が市販後調査で報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  • 5.本剤と乳酸アシドーシスの危険性を増大させることが知られているヌクレオシドアナログを併用投与した患者(ヌクレオシドアナログを併用した妊婦を含む)に、致死性の乳酸アシドーシス及び高乳酸血症が報告されている。
  • 6.本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。
  • 7.重度肝機能障害、肝炎等があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  • 8.本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.心伝導障害(房室ブロック)のある患者:本剤の投与により、心電図検査でPR間隔延長を示すことがある。心伝導障害は第一~三度AVブロックの報告がある。臨床試験データが十分でない。
  • 2.血友病及び著しい出血傾向を有する患者:HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の血友病患者において突発性出血性関節症をはじめとする出血事象増加が報告されている。
  • 3.無酸症等著しい低胃酸状態が持続する状態の患者:無酸症等著しい低胃酸状態が持続する状態では、本剤の血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある。
  • 4.B型肝炎・C型肝炎の患者:定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態をモニタリングすること(トランスアミナーゼがさらに上昇する又は肝機能が悪化するおそれがある)。

【腎機能障害患者】

  • 1)透析を施行している腎障害患者。

【肝機能障害患者】

  • 1)重度肝障害のある患者:投与しないこと(血中濃度が上昇すると予想される)。
  • 2)投与前に著しいトランスアミナーゼ上昇が認められた患者:定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態をモニタリングすること(トランスアミナーゼがさらに上昇する又は肝機能が悪化するおそれがある)。
  • 3)軽度~中等度肝障害のある患者:本剤は主に肝臓で代謝されるため、肝障害のある患者では高い血中濃度が持続するおそれがある。

【妊婦】

  • 1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)では、母動物の曝露量が臨床用量(400mg/日)と同程度(ウサギ)又は2倍(ラット)で催奇形性は認められなかった。ラットの周産期及び授乳期に投与すると、母動物に毒性が発現する用量(曝露量で臨床用量の2倍に相当)で、産仔体重減少又は産仔体重増加抑制が認められた。母動物の曝露量がヒトに400mg/日投与した場合の曝露量と同程度の用量では、産仔に対する影響は認められなかった。
  • 2)分娩前に追加検査及び分娩前に代替治療の実施を考慮すること(本剤投与中に高ビリルビン血症が高頻度に発現する)。本剤を妊婦に投与した場合、新生児や乳幼児に生理的高ビリルビン血症の悪化及び核黄疸の発現がみられるか否かは不明である。

【授乳婦】

授乳を避けさせること(乳汁を介してHIV母児感染の可能性があること及び本剤の乳汁中への移行により乳児に重篤な有害事象が発現する可能性があり、動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されており、また、本剤がヒトの乳汁中に移行するとの報告がある)。

【小児等】

  • 1)新生児、月齢3ヵ月未満の乳児には、核黄疸の発現の危険性があるので本剤を投与しないこと。
  • 2)小児等に対する国内臨床試験は実施していない。

【高齢者】

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能(肝機能、腎機能、心機能等)が低下しており、また、合併症を有し、若しくは他の薬剤を併用している場合が多い)。

【相互作用】

本剤はチトクロームP450(CYP3A4)及びUDP-グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)の阻害作用を有する。

  • 1.併用禁忌:
    • [1]リファンピシン<リファジン>[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(リファンピシンがCYP3A4を誘導することによる)]。
    • [2]イリノテカン塩酸塩水和物<カンプト、トポテシン>[イリノテカンの副作用を増強することがある(本剤のUGT阻害によりイリノテカンの代謝が抑制されるおそれがある)]。
    • [3]ミダゾラム<ドルミカム、ミダフレッサ、ブコラム>、トリアゾラム<ハルシオン>[これらの薬剤の代謝が抑制され、重篤な又生命に危険を及ぼすような事象<持続的又は過度の鎮静・呼吸抑制等>が起こる可能性がある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [4]ベプリジル塩酸塩水和物<ベプリコール>[重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [5]エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、エルゴメトリンマレイン酸塩<エルゴメトリンF>、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩<パルタン>[これらの薬剤の代謝が抑制され、重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(末梢血管収縮・四肢の虚血等を特徴とする急性の毒性作用)が起こる可能性がある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [6]ピモジド<オーラップ>[ピモジドの代謝が抑制され、重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象<不整脈等>が起こる可能性がある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [7]シンバスタチン<リポバス>、ロバスタチン(国内未発売)[これらの薬剤の代謝が抑制され、重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象<横紋筋融解症を含むミオパチー等>が起こる可能性がある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [8]ロミタピドメシル酸塩<ジャクスタピッド>[本剤によりロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [9]バルデナフィル塩酸塩水和物<レビトラ>[本剤との併用に関する試験は行われていないが、バルデナフィルの血中濃度が上昇し、有害事象<低血圧・視覚障害・持続勃起症・失神等>の発現が増加するおそれがある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [10]ブロナンセリン<ロナセン>[本剤によりブロナンセリンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [11]アゼルニジピン<カルブロック>、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン<レザルタス>[本剤によりアゼルニジピンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [12]ルラシドン塩酸塩<ラツーダ>[本剤によりルラシドンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [13]フィネレノン<ケレンディア>[本剤によりフィネレノンの血中濃度が著しく上昇するおそれがある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [14]リバーロキサバン<イグザレルト>[本剤によりリバーロキサバンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(CYP3A4及びP糖蛋白(P-gp)の強力な阻害作用によりリバーロキサバンのクリアランスが減少する)]。
    • [15]グラゾプレビル水和物<グラジナ>[グラゾプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある(本剤のOATP1Bに対する阻害作用によるものと考えられている)]。
    • [16]グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル:
      • ①.グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル<マヴィレット配合錠>[グレカプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある(本剤のOATP1Bに対する阻害作用によるものと考えられている)]。
      • ②.グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル<マヴィレット配合錠>[ALT上昇のリスクが増加するおそれがある(ALT上昇の機序は不明)]。
    • [17]プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール<オメプラール、オメプラゾン>、ランソプラゾール<タケプロン>、ラベプラゾール<パリエット>、エソメプラゾール<ネキシウム>、ボノプラザンフマル酸塩<タケキャブ>)、アスピリン・ランソプラゾール<タケルダ>、アスピリン・ボノプラザンフマル酸塩<キャブピリン>[本剤とこれら薬剤の併用により、血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(本剤の溶解性がpHに依存することから、胃酸分泌抑制により本剤の吸収が抑制されるおそれがある)]。
    • [18]セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている)]。
  • 2.併用注意:
    • [1]テノホビルジソプロキシルフマル酸塩[本剤のAUC・Cminが低下し、テノホビルの血中濃度が上昇するおそれがあり、テノホビルに関連した有害事象<腎障害等>を増強するおそれがあるので、併用する場合にはテノホビルに関連した有害事象のモニタリングを行うこと、リトナビルを併用しない場合には、本剤とテノホビルの併用は推奨されない(機序不明)]。
    • [2]エファビレンツ[本剤とエファビレンツの併用は推奨されない(本剤の血中濃度が低下するおそれがある)]。
    • [3]ネビラピン[本剤の血中濃度が低下し、ネビラピンの血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤とネビラピンの併用は推奨されない(ネビラピンがCYP3A4を誘導し、また代謝が阻害されることによる)]。
    • [4]ホスアンプレナビルカルシウム水和物[ホスアンプレナビル700mg/リトナビル100mg1日2回と本剤300mg1日1回を併用した場合、本剤のCmax・AUCはそれぞれ24%・22%減少した(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [5]制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>、緩衝作用を有する薬剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、沈降炭酸カルシウム等)[本剤はこれらの薬剤投与の2時間前又は1時間後に投与すること(本剤の吸収が抑制されるおそれがある)]。
    • [6]H2受容体拮抗剤(ファモチジン等)[本剤とこれら薬剤の併用により、本剤の血中濃度が著しく低下し効果が減弱するおそれがあるので、H2受容体拮抗剤の影響を減少させるために、必ず本剤とリトナビルを併用して投与し、本剤とH2受容体拮抗剤は可能な限り間隔をあけて投与することが推奨され、また、抗HIV薬による治療経験のある患者に、本剤/リトナビルとテノホビルを併用する場合は、H2受容体拮抗剤の併用は推奨されない(胃内pHの上昇により、本剤の吸収が抑制されるおそれがある)]。
    • [7]アミオダロン、キニジン、リドカイン、三環系抗うつ薬[本剤とこれら薬剤の併用により重篤な又は生命に危険を及ぼすような有害事象があらわれるおそれがあり、この併用に関する試験は行われていないが、併用する場合には、併用薬剤の血中濃度のモニタリングを行うことが望ましい(これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [8]リオシグアト[リオシグアトの血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤との併用が必要な場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてリオシグアトの減量を考慮すること(本剤のCYP3A4阻害によりリオシグアトのクリアランスが低下する)]。
    • [9]トラゾドン[トラゾドンの血中濃度が上昇するおそれがあるので、併用する場合には、患者の状態に注意し、必要に応じてトラゾドンの減量を考慮すること(本剤がCYP3A4を阻害する)]。
    • [10]リファブチン[リファブチンの作用が増強するおそれがあるので、リファブチンの用法・用量を150mg隔日投与又は1週間に3回投与とすることが推奨され、併用する場合には、副作用のモニタリングを十分に行うこと(本剤がCYP3A4を阻害することにより、リファブチンの血中濃度を上昇させる)]。
    • [11]ワルファリン[本剤との併用により重篤な又は生命に危険を及ぼすような出血があらわれるおそれがあり、この併用に関する試験は行われていないが、併用する場合には、INRのモニタリングを行うことが望ましい(ワルファリンの血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [12]ジルチアゼム[本剤(400mg1日1回)とジルチアゼム(180mg1日1回)を併用した場合にジルチアゼム及びデスアセチル-ジルチアゼムのCmax・AUCが約2~3倍に増加するとの報告があり、ジルチアゼムを半量に減量して投与することを考慮し、本剤の投与により、心電図検査でPR間隔の延長を示すことがあり、併用する場合には心電図のモニタリングを行うことが望ましい(ジルチアゼム及びデスアセチル-ジルチアゼムの血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [13]フェロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベラパミル[フェロジピン、ニフェジピン、ニカルジピンあるいはベラパミルと本剤を併用する場合にはこれらの薬剤を減量するなど用量に注意し、併用する場合には心電図のモニタリングを行うことが望ましい(これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [14]シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル[これらの薬剤の血中濃度が上昇し、有害事象<低血圧・視覚障害・持続勃起症・失神等>を起こすおそれがあるので、併用する場合には、有害事象のモニタリングを行うなど注意すること(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [15]アトルバスタチン、ロスバスタチン[これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、本剤を含むHIVプロテアーゼ阻害薬とこれらの薬剤を併用した場合、横紋筋融解症を含むミオパチー等の事象発現の危険性が高くなる可能性があるので、注意すること(CYP3A4に対する競合による)]。
    • [16]シクロスポリン、タクロリムス[併用する場合には、治療域のモニタリングを行うことが望ましい(これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [17]テムシロリムス[テムシロリムス及びその活性代謝物であるシロリムスの血中濃度が上昇するおそれがある(CYP3A4に対する阻害による)]。
    • [18]クラリスロマイシン[本剤(400mg1日1回)とクラリスロマイシン(500mg1日1回)を併用した場合にクラリスロマイシンのCmaxが約1.5倍・AUCが約2倍に増加するとの報告があり、クラリスロマイシンに関連する有害事象<QTc延長等>を起こすおそれがあるので、クラリスロマイシンを半量に減量して投与することを考慮し、また、活性代謝物である14位水酸化体の濃度が顕著に低下するとの報告があり、Mycobacterium avium complexによる感染症以外の症状に対しては代替の治療法を考慮すること(本剤及びクラリスロマイシンの血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [19]ブプレノルフィン塩酸塩:
      • ①.ブプレノルフィン塩酸塩[ブプレノルフィンの血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤/リトナビルと併用する場合は、鎮静状態及び認知機能のモニタリングを行い、ブプレノルフィンの減量を考慮すること(本剤がCYP3A4及びUGT1A1を阻害する)]。
      • ②.ブプレノルフィン塩酸塩[本剤の血中濃度が減少するおそれがあるので、リトナビルを併用しない場合には、本剤とブプレノルフィンの併用は推奨されない(本剤がCYP3A4及びUGT1A1を阻害する)]。
    • [20]モリデュスタットナトリウム[モリデュスタットの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(本剤がUGT1A1を阻害する)]。
    • [21]エチニルエストラジオール及びノルエチステロン又はノルゲスチメートを含む経口避妊薬:
      • ①.エチニルエストラジオール及びノルエチステロンを含む経口避妊薬[本剤/リトナビルと併用する場合は、エチニルエストラジオールとして0.035mg以上の経口避妊薬を投与することが望ましく、また、リトナビルを併用せずに本剤と併用する場合は、エチニルエストラジオールとして0.030mg以下の経口避妊薬を投与することが望ましい;黄体ホルモン薬の血中濃度上昇による長期的な影響は不明であるが、インスリン抵抗性・脂質異常症・ざ瘡のリスクを上昇させるおそれがあるので、注意し、本剤投与時は他の避妊法を行うことが望ましい(本剤(リトナビルの併用なし)とエチニルエストラジオール及びノルエチステロンを含む経口避妊薬の併用により、エチニルエストラジオール及びノルエチステロンの平均血中濃度が上昇するおそれがある)]。
      • ②.エチニルエストラジオール及びノルゲスチメートを含む経口避妊薬[本剤/リトナビルと併用する場合は、エチニルエストラジオールとして0.035mg以上の経口避妊薬を投与することが望ましく、また、リトナビルを併用せずに本剤と併用する場合は、エチニルエストラジオールとして0.030mg以下の経口避妊薬を投与することが望ましい;黄体ホルモン薬の血中濃度上昇による長期的な影響は不明であるが、インスリン抵抗性・脂質異常症・ざ瘡のリスクを上昇させるおそれがあるので、注意し、本剤投与時は他の避妊法を行うことが望ましい(本剤/リトナビルとエチニルエストラジオール及びノルゲスチメートを含む経口避妊薬の併用により、エチニルエストラジオールの平均血中濃度が低下し、17-デアセチルノルゲスチメートの平均血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [22]エトラビリン[本剤の血中濃度が減少しエトラビリンの血中濃度が上昇するおそれがある(CYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進され、また、本剤のCYP3A4阻害作用により、エトラビリンの代謝が阻害される)]。
    • [23]マラビロク、ダサチニブ水和物[これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(本剤がCYP3A4の活性を阻害する)]。
    • [24]ケトコナゾール(国内未発売)、イトラコナゾール[本剤/リトナビルとケトコナゾール又はイトラコナゾールを併用する場合は、注意すること(これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、またCYP3A4により代謝される)]。
    • [25]ボリコナゾール:
      • ①.ボリコナゾール[CYP2C19の活性型遺伝子を1つ以上有する患者(Extensive Metabolizer:EM;CYP2C19遺伝子型)に本剤/リトナビル(300mg/100mg1日1回)とボリコナゾール(200mg1日2回)を併用した場合、ボリコナゾール及び本剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、併用する場合には、ボリコナゾールに関連した有害事象、及びボリコナゾールあるいは本剤の有効性の減弱について注意深く観察すること(CYP2C19のEMでは、リトナビルが、ボリコナゾールの主な肝薬物代謝酵素であるCYP2C19を誘導することにより、ボリコナゾールの血漿中濃度が低下する。本剤の血漿中濃度が低下する機序は不明である)]。
      • ②.ボリコナゾール[CYP2C19の活性型遺伝子を有さない患者(Poor Metabolizer:PM;CYP2C19遺伝子型)に本剤/リトナビル(300mg/100mg1日1回)とボリコナゾール(50mg1日2回)を併用した場合、ボリコナゾールの血漿中濃度が上昇し、本剤の血漿中濃度が低下するおそれがあるので、併用する場合には、ボリコナゾールに関連した有害事象、及びボリコナゾールあるいは本剤の有効性の減弱について注意深く観察すること(CYP2C19のPMでは、リトナビル及び本剤が、CYP3A4による代謝を阻害することにより、ボリコナゾールの血漿中濃度が上昇する。本剤の血漿中濃度が低下する機序は不明である)]。
    • [26]CYP3A4の基質となる薬剤(ボセンタン水和物等)[これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(本剤がCYP3A4を阻害する)]。
    • [27]エルバスビル[エルバスビルの血中濃度が上昇するおそれがある(CYP3A4に対する競合による)]。
    • EM:CYP2C19*1/*1、CYP2C19*1/*2、CYP2C19*1/*3、CYP2C19*1/*17、CYP2C19*2/*17、CYP2C19*3/*17、CYP2C19*17/*17。PM:CYP2C19*2/*2、CYP2C19*2/*3、CYP2C19*3/*3。

【過量投与】

  • 1.症状:
    • 本剤29.2gを過量に服用したHIV感染患者において、無症候性二束ブロック及びPR間隔延長が報告されている。
  • 2.処置:過量投与時、本剤は、主に肝臓で代謝され、蛋白結合率が高いため、透析は薬剤の除去に有効とは考えられない。

【その他の注意】

  • 2.非臨床試験に基づく情報:
    • 1)がん原性、変異原性、生殖毒性:マウス及びラットにおけるがん原性試験において、雌マウスの高用量で良性肝細胞腺腫の発生率が上昇したが、ラットではいかなるタイプの腫瘍の発生率にも上昇はみられなかった。雌雄マウスで腫瘍発生率の上昇がみられなかった用量における曝露量は、ヒトに400mg/日を投与した場合の曝露量の約4倍である。高用量群の雌マウスでみられた良性肝細胞腺腫の発生率上昇は、肝臓の細胞毒性的な変化(単細胞壊死)に対する二次的な肝細胞増殖の亢進によるものと考えられ、ヒトの臨床治療量における曝露量との関連性は低いと考えられる。本剤は、ヒト末梢血リンパ球におけるin vitroの染色体異常試験では代謝活性化の有無にかかわらず染色体異常陽性であった。Ames試験、ラットにおける小核試験及び不定期DNA合成試験、十二指腸のDNA障害試験(コメットアッセイ)の結果は陰性であった。臨床用量(400mg/日)と同程度(雄ラット)又は2倍(雌ラット)の曝露量で、本剤は、交配、受胎能及び初期胚発生に影響しなかった。
    • 2)動物における毒性・安全性薬理:マウス、ラット及びイヌで実施した反復投与毒性試験において、本剤投与に関連した肝臓の所見として、血清ビリルビン増加及び肝酵素増加、肝細胞空胞化及び肝細胞肥大がみられ、雌マウスで肝細胞単細胞壊死が認められた。肝臓の変化がみられた用量でのマウス、ラット及びイヌにおける本剤の全身曝露量は、ヒトに400mgを1日1回投与した場合の曝露量のそれぞれ0.4~12倍、0.4~4倍及び0.2~7倍であった。雌マウスで単細胞壊死がみられた用量での本剤の曝露量は、ヒトに400mgを1日1回投与した場合の曝露量の12倍であった。ラット及びイヌでは血清コレステロール増加及びグルコース増加がみられたが、マウスではこれらの変化は認められなかった。In vitro眼粘膜刺激性試験で、本剤はウシ角膜の混濁度上昇させたことから、眼に直接接触した場合眼粘膜刺激性を示す可能性がある。In vitro安全性薬理試験において、本剤はウサギ・プルキンエ線維の活動電位持続時間に対して弱い延長作用を示し、ナトリウムチャネル電流を軽度に阻害並びに急速活性化遅延整流カリウム電流を軽度に阻害(HERGによりエンコードされる)及び緩徐活性化遅延整流カリウム電流を軽度に阻害(IC50>30μM)、カルシウム電流を中等度に阻害(IC50=10.4μM)した。イヌにおける心電図変化(洞性徐脈、PR間隔延長、QT間隔延長及びQRS群延長)が最初に実施した2週間経口投与毒性試験で観察された。別途実施したイヌにおける2週間経口投与毒性試験及び9ヵ月間経口投与毒性試験では薬剤に関連した心電図の変化はみられなかった。

【取扱い上の注意】

開封後は湿気を避けて保存すること。

【保険給付上の注意】

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

【保管上の注意】

室温保存。

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