アブリスボ筋注用の組成・成分
- 0.5mL中:
- RSV-A融合前Fタンパク質:0.06mg
- RSV-B融合前Fタンパク質:0.06mg
アブリスボ筋注用の用法・用量
〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉
抗原製剤を専用溶解用液全量で溶解後、妊娠24~36週の妊婦に、1回0.5mLを筋肉内に接種する。
〈60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防〉
抗原製剤を専用溶解用液全量で溶解後、1回0.5mLを筋肉内に接種する。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉接種対象者・接種時期:〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉本剤は妊娠28~36週の間に接種することが望ましい(本剤の臨床試験において、妊娠28~36週に本剤を接種した場合に有効性がより高い傾向が認められている)。
- 2.〈効能共通〉溶解後は溶液全量を採取し接種すること。
- 3.〈効能共通〉同時接種:〈効能共通〉医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
アブリスボ筋注用の効能・効果
- [1]妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防。
- [2]60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防。
【効能又は効果に関連する注意】
- 1.〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉本剤の臨床試験において生後6ヵ月までの有効性が検証されている(生後6ヵ月以降の有効性は確立していない)。
- 2.〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉本剤の接種後14日以内に出生した乳児における有効性は確立していない(本剤の有効性は妊婦への能動免疫により産生された抗体が胎児に移行することにより得られることから、本剤の接種後14日以内に出生した乳児においては、胎児への抗体の移行が十分でない可能性がある)。
- 3.〈60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防〉60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防の場合、本剤の効果の持続性に関するデータは得られていない。
アブリスボ筋注用の副作用
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副反応:ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。
- 2.その他の副反応:
- [1]〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉
- ①.〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉局所症状(注射部位):(10%以上*)疼痛(40.6%)、(10%未満*)紅斑、腫脹。
- ②.〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉精神神経系:(10%以上*)頭痛(31.0%)。
- ③.〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉筋・骨格系:(10%以上*)筋肉痛(26.5%)。
- *)臨床試験において、電子日誌及び症例報告書により母親参加者から収集した副反応の発現割合。
- [2]〈60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防〉
- ①.〈60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防〉局所症状(注射部位):(10%以上*)※疼痛、(1%~10%未満*)※紅斑、※腫脹。
- ②.〈60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防〉免疫系:(1%未満*)過敏症。
- [1]〈妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防〉
*)臨床試験において、電子日誌及び症例報告書により収集した副反応の発現割合。※)臨床試験において、電子日誌により収集した副反応の発現割合。
アブリスボ筋注用の使用上の注意
【接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)】
- 1.明らかな発熱を呈している者。
- 2.重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
- 3.本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者。
- 4.前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
- 2.被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
- 3.被接種者、その介護者又は保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
- 4.ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後一定時間は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
【特定の背景を有する者に関する注意】
【接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)】
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 1.血小板減少症、凝固障害を有する者、抗凝固療法施行中の者:筋肉内接種部位の出血のおそれがある。
- 2.本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者。
- 3.過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者。
- 4.心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する者。
- 5.予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
- 6.過去に痙攣の既往のある者。
【腎機能障害を有する者】
腎機能障害を有する者:接種要注意者である。
【肝機能障害を有する者】
肝機能障害を有する者:接種要注意者である。
【授乳婦】
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への本剤の移行は不明である)。
【高齢者】
接種にあたっては、問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること(一般に、生理機能が低下している)。
【相互作用】
- 2.併用注意:百日せき菌の防御抗原を含有するワクチン(沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン)[百日せき菌の防御抗原を含有するワクチンの単独接種と比べて本剤との同時接種で百日せき菌の防御抗原に対する免疫応答が低下するとの報告がある(機序及び臨床的影響は不明である)]。
【適用上の注意】
- 1.薬剤調製時の注意:
- 1)バイアルに添付された専用溶解用液以外は使用しないこと。
- 2)添付の専用溶解用液が充填されたシリンジに注射針を装着し、抗原製剤を含むバイアルに専用溶解用液全量を加えた後、プランジャーロッドを押し込んだ空のシリンジ及び注射針を装着したまま、ゆっくりと円を描くように回して完全に溶解すること(振り混ぜないこと)。
- 3)溶解後速やかに溶液全量を装着したままのシリンジに抜き取ること。
- 4)筋肉内接種用の注射針に交換する(調製に用いた注射針は筋肉内接種に用いないこと)。
- 2.薬剤接種時の注意:
- 1)シリンジに抜き取った溶液は全量(0.5mL)接種すること。
- 2)調製後はすぐに使用すること(すぐに使用できない場合は、15~30℃で保存し、調製後4時間以内に使用し、調製後の液は凍結しないこと)。
- 3)使用前に粒子状物質や色調の変化がないことを目視で確認し、異常が認められた場合には使用しないこと(調製後の液は無色澄明である)。
- 4)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
- 5)通常、上腕三角筋に筋肉内接種すること。静脈内、皮内、皮下への接種は行わないこと。
- 6)組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。
- (1)針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
- (2)神経走行部位を避けること。
- (3)注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
【取扱い上の注意】
凍結させないこと(誤って凍結させたものは、使用しないこと)。
【保険給付上の注意】
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
【保管上の注意】
2~8℃。