イオメロン350注シリンジ100mLの用法・用量
通常、成人1回次記量を使用する。なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。また、複数回投与する場合は、総使用量は250mLまでとする。
- [1]コンピューター断層撮影における造影:40~100mL(肝臓領域のダイナミックコンピューター断層撮影における造影の場合には、体重に応じて1.8mL/kgを静脈内投与することができる(最大投与量は135mLとする))。
- [2]静脈性尿路撮影:30~100mL。
- [3]心臓血管撮影:
- ①.心腔内撮影:20~50mL。
- ②.冠状動脈撮影:3~10mL。
- [4]胸部血管撮影:5~50mL。
- [5]腹部血管撮影:5~60mL。
- [6]四肢血管撮影:10~80mL。
- [7]ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影:10~50mL。
- [8]ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影:3~40mL。
【用法及び用量に関連する注意】
肝臓領域のダイナミックコンピューター断層撮影時の体重別の投与量は次を参照すること。
- [1]体重<56kg:投与量40~100mL。
- 体重56~75kgにおいては1.8mL/kgを上限とする。
- [2]体重60kg:投与量108mL(体重比用量1.8mL/kg)。
- [3]体重65kg:投与量117mL(体重比用量1.8mL/kg)。
- [4]体重70kg:投与量126mL(体重比用量1.8mL/kg)。
- [5]体重75kg:投与量135mL(体重比用量1.8mL/kg)。
- [6]体重75kg<:投与量135mL。
イオメロン350注シリンジ100mLの効能・効果
コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮影、心臓血管撮影、胸部血管撮影、腹部血管撮影、四肢血管撮影、ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影、ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影。
イオメロン350注シリンジ100mLの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)〈効能共通〉ショック:ショック(遅発性ショックを含む)(頻度不明)により失神、意識消失、呼吸困難、呼吸停止、心停止等の症状を起こすことがある。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展することがあるので、観察を十分に行うこと。
- 2)〈効能共通〉アナフィラキシー:呼吸困難、咽頭浮腫・喉頭浮腫等のアナフィラキシー(遅発性アナフィラキシーを含む)(頻度不明)があらわれることがある。
- 3)〈効能共通〉アレルギー反応に伴う急性冠症候群(頻度不明)。
- 4)〈効能共通〉肺水腫(頻度不明)。
- 5)〈効能共通〉急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)。
- 6)〈効能共通〉心室細動、冠動脈攣縮(いずれも頻度不明)。
- 7)〈効能共通〉肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
- 8)〈効能共通〉脳血管障害:一過性あるいは永続性の脳循環不全(脳虚血)(頻度不明)があらわれることがある。
- 9)〈効能共通〉痙攣発作(頻度不明)。
- 10)〈効能共通〉意識障害、失神:ショックを伴わない意識障害(頻度不明)、失神(頻度不明)があらわれることがあるので、検査終了後も意識レベル等の観察を十分に行うこと。
- 11)〈効能共通〉腎不全:急性腎障害(0.04%)を起こすことがある。
- 12)〈効能共通〉血小板減少(頻度不明)。
- 13)〈効能共通〉皮膚障害:皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、小膿疱、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
- 15)〈胸部血管撮影、心臓血管撮影〉造影剤脳症(頻度不明):本剤が脳血管外に漏出し、意識障害、麻痺、失語、皮質盲等の中枢神経症状があらわれることがあるので投与量は必要最小限とし、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]過敏症:(0.1~1.5%未満)発疹、そう痒、じん麻疹、(頻度不明)発赤、膨疹。
- [2]精神神経系:(0.1~1.5%未満)頭痛、めまい感、(0.1%未満)振戦、羞明、失語症、(頻度不明)ふらふら感、眠気(傾眠)、不安(不穏)、脱力、健忘、言語障害、一過性盲等の視力障害。
- [3]消化器:(0.1~1.5%未満)悪心、嘔吐、(0.1%未満)口渇、下痢、(頻度不明)腹痛、食欲不振、唾液増加、口腔内不快感、口内炎。
- [4]循環器:(0.1~1.5%未満)血圧低下、血圧上昇、(0.1%未満)ST低下、徐脈、期外収縮、動悸、(頻度不明)頻脈、不整脈、心不全、顔面蒼白、チアノーゼ。
- [5]呼吸器:(0.1~1.5%未満)くしゃみ、(0.1%未満)呼吸困難、鼻炎、咳嗽、(頻度不明)喘鳴、嗄声、咽喉頭不快感。
- [6]内分泌系:(頻度不明)甲状腺機能低下症。
- [7]その他:(0.1~1.5%未満)顔面潮紅、血中カリウム増加、胸痛、倦怠感、悪寒、味覚異常・嗅覚異常、(0.1%未満)背部痛、発熱、熱感、多汗、(頻度不明)BUN増加、血清クレアチニン増加、無尿、浮腫、しびれ感、血管痛、しゃっくり、結膜炎、流涙、眼異常。
イオメロン350注シリンジ100mLの使用上の注意
【警告】
- 1.ショック等の重篤な副作用があらわれることがある。
- 2.本剤を脳・脊髄腔内に投与すると重篤な副作用が発現するおそれがあるので、脳槽・脊髄造影には使用しないこと。
【禁忌】
- 1.ヨードに過敏症又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者。
- 2.重篤な甲状腺疾患のある患者[甲状腺内のヨード濃度が高くなり、甲状腺機能を変化させ症状を悪化させるおそれがある]。
【重要な基本的注意】
- 1.ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと。
- 2.投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応を示すことがある(本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと)。
- 3.投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発現に注意し、慎重に投与すること(また、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと)。
- 4.重篤な遅発性副作用(遅発性ショックを含む)等があらわれることがあるので、投与中及び投与後も患者の状態を十分に観察すること。
- 5.外来患者に使用する場合には、本剤投与開始より1時間~数日後にも遅発性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、嘔気、胸痛、背部痛、発熱、皮疹、そう痒感などの副作用と思われる症状が出現した場合には速やかに主治医に連絡するように指示するなど適切な対応をとること。
- 6.ヨード造影剤の投与により腎機能低下があらわれるおそれがあるので、適切な水分補給を行うこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.一般状態の極度に悪い患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
- 2.気管支喘息のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(副作用の発現頻度が高いとの報告がある)。
- 3.重篤な心障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血行動態を悪化させ、心機能を悪化させることがある)。
- 4.マクログロブリン血症のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(類薬で血液のゲル状変化をきたし死亡したとの報告がある)。
- 5.多発性骨髄腫のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(類薬で尿蛋白と結合し、尿細管閉塞させたとの報告がある)。
- 6.テタニーのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血中カルシウム低下により、症状が悪化するおそれがある)。
- 7.褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(やむを得ず検査を実施する場合には静脈確保の上、フェントラミンメシル酸塩等のα遮断薬及びプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断薬の十分な量を用意するなど、これらの発作に対処できるよう十分な準備を行い、慎重に投与すること)、血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作が起こるおそれがある。
- 8.本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じん麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者。
- 9.薬物過敏症の既往歴のある患者。
- 10.脱水症状のある患者:脱水症状を悪化させるおそれがある。
- 11.高血圧症の患者:血行動態を悪化させることがある。
- 12.動脈硬化のある患者:血行動態を悪化させることがある。
- 13.糖尿病の患者:腎機能を悪化させることがある。
- 14.甲状腺疾患<重篤な甲状腺疾患を除く>のある患者:甲状腺内のヨード濃度が高くなり、甲状腺機能を変化させ症状を悪化させるおそれがある。
- 15.急性膵炎の患者:本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと(症状が悪化するおそれがある)。
- 16.重症筋無力症の患者:心肺停止等の報告があり、症状を悪化させるおそれがある。
- 17.中枢神経系障害のある患者:脳血管障害、痙攣等を起こすおそれがある。
【腎機能障害患者】
- 1)重篤な腎障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(造影剤の主要排泄経路は腎臓であり、排泄遅延と腎機能を悪化させることがある)。
- 2)腎機能低下している患者:腎機能が悪化するおそれがある。
【肝機能障害患者】
- 1)重篤な肝障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が悪化するおそれがある)。
- 2)肝機能低下している患者:肝機能が悪化するおそれがある。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤投与の際にはX線照射を伴う)。
【授乳婦】
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物(ラット、静脈内投与)で乳汁中への移行が報告されている)。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)。
【相互作用】
- 2.併用注意:ビグアナイド系糖尿病用剤(メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩等)[ヨード造影剤で乳酸アシドーシスがあらわれたとの報告があるので、本剤を使用する場合は、ビグアナイド系糖尿病用剤の投与を一時的に中止する等の適切な処置を行うこと(ビグアナイド系糖尿病用剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている)]。
【臨床検査結果に及ぼす影響】
甲状腺機能検査等の放射性ヨードによる診断が必要な場合には、本剤の投与前に実施すること。また、本剤投与後1ヵ月間は放射性ヨードによる検査を実施しないこと。
【適用上の注意】
- 1.薬剤投与前の注意:
- 1)〈効能共通〉投与前に体温まで温めること。
- 2)〈効能共通〉投与前に水分制限はしないこと。
- 3)〈静脈性尿路撮影〉静脈性尿路撮影の場合、検査前に腸内ガスを排除し、検査終了まで絶食すること。
- 2.薬剤投与時の注意:
- 1)脳槽・脊髄造影には使用しないこと。
- 2)肝臓領域のダイナミックコンピューター断層撮影で造影する際、投与速度は最大5.0mL/秒とする。
- 3)静脈内投与により血管痛があらわれることがある。
- 4)非イオン性造影剤の血液凝固抑制作用は、イオン性造影剤に比較して弱いことがin vitro試験で認められているので、本剤による血管撮影にあたってはカテーテル内をよくフラッシュし、また、本剤注入に際し、シリンジあるいはカテーテル内で血液と本剤との接触が長時間に及ぶことを避けること。
- 5)抗ヒスタミン剤又は副腎皮質ホルモン剤と混合すると配合変化を起こす場合があるので、併用する場合は別々に使用すること。
- 6)誤って血管外に造影剤が漏出した場合には、発赤、腫脹、水疱、血管痛等があらわれることがあるので、注入時に十分注意すること。
- 7)本剤を自動注入器にて使用する際は、注入圧力は13kg/c㎡(185PSI)以下とすること。
- 3.薬剤投与後の注意:投与後は十分に水分補給を行い、造影剤の速やかな排泄を促すこと。
【取扱い上の注意】
外箱開封後は遮光して保存すること。
【保管上の注意】
室温保存。