ビジパーク320注100mLの用法・用量
通常、成人1回、次記の量を使用する。また、血管内に投与する場合の総投与量は、150mLまでとする。四肢血管撮影:12~70mL(ヨウ素含有量3.84~22.4g)。
ビジパーク320注100mLの効能・効果
四肢血管撮影。
ビジパーク320注100mLの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)ショック(0.1%未満):ショック(遅発性ショックを含む)があらわれることがある。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合がある。
- 2)アナフィラキシー(頻度不明):呼吸困難、咽頭浮腫・喉頭浮腫等のアナフィラキシー(遅発性アナフィラキシーを含む)があらわれることがある。
- 3)肺水腫(頻度不明)。
- 4)心室細動(頻度不明)。
- 5)痙攣発作(頻度不明):発現した場合には、フェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。
- 6)腎不全(頻度不明):急性腎障害があらわれることがある。
- 7)急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)。
- 2.その他の副作用:
- [1]過敏症:(0.1~5%未満)発疹、蕁麻疹、発赤、そう痒感、浮腫、潮紅、(0.1%未満)結膜炎、点状出血、剥離等、(頻度不明)多形紅斑。
- [2]循環器:(0.1%未満)血圧低下、(頻度不明)チアノーゼ。
- [3]血液:(0.1~5%未満)赤血球減少、白血球増多、血小板減少、ヘマトクリット減少。
- [4]呼吸器:(0.1~5%未満)せき、咽頭不快感・喉頭不快感、(0.1%未満)鼻閉、くしゃみ。
- [5]精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、(0.1%未満)視力障害、難聴、嗅覚錯誤。
- [6]消化器:(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、(0.1%未満)腹痛、腹部膨満感。
- [7]肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、LDH上昇等。
- [8]腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、(0.1%未満)乏尿。
- [9]電解質:(0.1~5%未満)カリウム値変動等。
- [10]尿:(0.1~5%未満)尿糖上昇。
- [11]内分泌系:(頻度不明)甲状腺機能低下症。
- [12]その他:(0.1~5%未満)悪寒、(0.1%未満)倦怠感、発熱、胸部圧迫感。
ビジパーク320注100mLの使用上の注意
【警告】
- 1.即時性ショック、遅発性ショック等の重篤な副作用があらわれることがある。
- 2.本剤は脳槽・脊髄造影の効能又は効果を有していないので、脳槽・脊髄造影には使用しないこと。
【禁忌】
- 1.ヨードに過敏症又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者。
- 2.重篤な甲状腺疾患のある患者[ヨードが甲状腺に集積し、症状が悪化するおそれがある]。
【重要な基本的注意】
- 1.ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと。
- 2.投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応があらわれることがある(本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと)。
- 3.投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発現に注意し、慎重に投与すること(また、異常が認められた場合には、ただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと)。
- 4.ヨード造影剤の投与により腎機能低下があらわれるおそれがあるので、適切な水分補給を行うこと。
- 5.血管内に投与する場合には、重篤な遅発性副作用(遅発性ショックを含む)等があらわれる可能性があるので、投与中及び投与後も、患者の状態を十分に観察すること。
- 6.血管内に投与する場合は、入院患者に投与すること(投与後、48時間は患者の状態を観察すること)。
- 7.血管内に投与した場合、投与開始より1時間~数日後も遅発性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、血管内に投与した場合、発疹、発熱、悪心、めまい、胸中苦悶感等の副作用と思われる症状が発現した場合は、速やかに主治医に連絡するよう指示をするなど適切な対応をとること。血管内に投与した場合、本剤で報告された遅発性副作用は発疹、蕁麻疹、そう痒感、悪心・嘔吐で、投与後3日以上経過して発現する例も報告されている。
- 8.血管内に複数回投与した場合の副作用発現に関しては、その頻度が高くなることが懸念されるので、アレルギー既往歴、過去の造影検査歴等の問診を行い、副作用の発現の可能性が高いと判断したときには再投与しないこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.一般状態の極度に悪い患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
- 2.気管支喘息のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(副作用の発現頻度が高いとの報告がある)。
- 3.重篤な心障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血圧低下、不整脈、徐脈等の報告があり、症状が悪化するおそれがある)。
- 4.マクログロブリン血症の患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(類薬において静脈性胆嚢造影で血液のゼラチン様変化をきたし、死亡したとの報告がある)。
- 5.多発性骨髄腫の患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(特に多発性骨髄腫で脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)があらわれるおそれがある)。
- 6.テタニーのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血中カルシウムの低下により、症状が悪化するおそれがある)。
- 7.褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(やむを得ず造影検査を実施する場合には静脈確保の上、フェントラミンメシル酸塩等のα遮断薬及びプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断薬の十分な量を用意するなど、これらの発作に対処できるよう十分な準備を行い、慎重に投与すること)、血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作が起こるおそれがある。
- 8.本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者。
- 9.薬物過敏症の既往歴のある患者。
- 10.脱水症状のある患者:急性腎障害があらわれるおそれがある。
- 11.高血圧症の患者:血圧上昇等、症状が悪化するおそれがある。
- 12.動脈硬化のある患者:心・循環器系に影響を及ぼすことがある。
- 13.糖尿病の患者:急性腎障害があらわれるおそれがある。
- 14.甲状腺疾患<重篤な甲状腺疾患を除く>のある患者:ヨードが甲状腺に集積し、症状が悪化するおそれがある。
- 15.急性膵炎の患者:本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと(また、症状が悪化するおそれがある)。
【腎機能障害患者】
- 1)重篤な腎障害(無尿等)のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(本剤の主たる排泄経路は腎臓であり、排泄遅延から急性腎障害等、症状が悪化するおそれがある)。
- 2)腎機能低下している患者:腎機能が悪化するおそれがある。
【肝機能障害患者】
- 1)重篤な肝障害のある患者:診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が悪化するおそれがある)。
- 2)肝機能低下している患者:肝機能が悪化するおそれがある。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤投与の際にはX線照射をともなう)。
【授乳婦】
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット静脈内投与)で乳汁中に移行したとの報告がある)。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は、主として腎臓から排出されるが、腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)。
【相互作用】
- 2.併用注意:
- [1]ビグアナイド系糖尿病用薬(メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩等)[乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので、本剤を使用する場合にはビグアナイド系糖尿病用薬の投与を一時的に中止するなど適切な処置を行うこと(ヨード造影剤の投与後に腎機能低下があらわれた場合、ビグアナイド系糖尿病用薬の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている)]。
- [2]インターロイキン2製剤(テセロイキン)[本剤投与前の2週間以内にインターロイキン2を投与した患者で、インフルエンザ様症状や皮膚反応等の遅発性副作用が発現するリスクが高くなるとの報告がある(機序は不明である)]。
【臨床検査結果に及ぼす影響】
本剤投与により、甲状腺機能検査等の放射性ヨードによる検査に影響を及ぼすことがあるので、放射性ヨードによる検査は本剤投与前に実施すること(また、本剤投与後2週間は放射性ヨードによる検査を実施しないこと)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤投与前の注意:
- 1)投与前に体温まで温めること。
- 2)投与前に極端な水分制限はしないこと。
- 2.薬剤投与時の注意:
- 1)脳槽・脊髄撮影には使用しないこと。本剤は製剤により効能・効果、また撮影の種類により用法・用量が異なるので注意すること。
- 2)抗ヒスタミン薬又は副腎皮質ホルモン剤と混合すると配合変化を起こす場合があるので、併用する場合は別々に使用すること。
- 3)注入装置の洗浄が不十分な場合には、注入器内部に付着する残存液に由来する銅イオン溶出等によって、生成物を生じるおそれがあるので、使い捨て以外の器具を用いる場合には内部の汚れに注意し、洗浄、滅菌を十分に行うこと。
- 4)血管痛、血栓性静脈炎があらわれることがある。
- 5)本剤を用いてカテーテル等を使用する血管撮影を実施する際にはカテーテル内をよくフラッシュさせ、カテーテル内で本剤と血液とを長期にわたって接触させることを避けること(非イオン性造影剤(本剤を含む)の血液凝固抑制作用はイオン性造影剤に比較して弱いとの報告がある(in vitro))。
- 6)誤って、血管外に造影剤を漏出させてしまった場合には発赤、腫脹、水疱、血管痛等があらわれることがあるので、注入時に十分注意すること。
- 3.薬剤投与後の注意:投与後も水分補給を行い、造影剤の速やかな排泄を促すこと。
【保管上の注意】
室温保存。