フェノールスルホンフタレイン注0.6%「AFP」の用法・用量
排尿後、水300~500mLを飲ませ、30分後に通常成人ではフェノールスルホンフタレイン注射液1.0mL(フェノールスルホンフタレインとして6.0mg)を肘静脈又は筋肉内に注射する。
[小児用量例]
- [1]体重3~5kg:注射量2mg。
- [2]体重5~10kg:注射量3mg。
- [3]体重10~20kg:注射量4mg。
- [4]体重20kg以上:注射量6mg。
フェノールスルホンフタレイン注0.6%「AFP」の効能・効果
腎機能検査。
フェノールスルホンフタレイン注0.6%「AFP」の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:過敏症:(0.1%未満)発赤、そう痒感、顔面潮紅、胸内苦悶、血圧低下等。
フェノールスルホンフタレイン注0.6%「AFP」の使用上の注意
【禁忌】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
注入から検査終了まで、被検者に横臥又は坐位をとらせるなど安静にさせ観察を十分に行うこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.アレルギー素因のある患者。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【高齢者】
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤投与時の注意:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため次の点に注意すること。・ 筋肉内注射時神経走行部位を避けて慎重に投与すること。・ 筋肉内注射時、くりかえし注射する場合には、左右交互に注射するなど、筋肉内注射時同一部位を避けること。特に、小児等には注意すること。・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
- 2.測定時の注意:
- 1)採尿:注射後15、30、60及び120分の4回採尿する。尿量が少ないとき(40mL以下)成績は不正確となる。尿量が少ない場合には排尿はカテーテルで行うことが望ましい。
- 2)比色:各分画採取尿をそれぞれメスシリンダーに採り、25%水酸化ナトリウム溶液数滴(10%水酸化ナトリウム溶液5mLでも良い)を加え、十分に呈色させた後1000mLの目盛まで水で希釈し、栓をして混和する。この各分画採取呈色尿をフェノールスルホンフタレイン標準液と比色し、色素排泄量を求める。光電比色法による操作法は次のとおりである。
- (1)各分画採取尿を1000mLのメスシリンダーに採り、水で500mLに希釈する。それから5mLずつを採り水5mLを加え85%リン酸1滴を加え酸性とする。これを対照尿として用いる。
- (2)シリンダー中の残部に10%水酸化ナトリウム溶液10mLを加え、十分発色させ、水で1000mLに希釈する。
- (3)前記対照尿を用い559nmで比色し、別に作製した検量線から尿中フェノールスルホンフタレインの濃度を求める。
- なお、色素が退色するので、採尿後なるべく早く行う。特に水酸化ナトリウム溶液で赤変させた尿は1時間以内に測定する。
- (4)検量線の作製法:本剤1.0mLを試験尿と同様の方法で1000mLに希釈し、これを100%標準液とし、5、10、15・・・(%)の希釈系列を作り、前記と同様に操作して検量線を作製する。
- 3)標準液:標準液の調製は、フェノールスルホンフタレイン注射液1.0mLを正確に1Lのメスフラスコに採り、精製水500mL及び10%水酸化ナトリウム溶液2.0mLを加えた後、さらに目盛まで精製水を加え希釈混和する。この液を100%標準液とし順次希釈して標準液系列を作る(次参照)。なお、100%標準液は冷暗所に保存すれば6ヵ月間はほとんど退色しない。
- [1]標準液濃度100%:100%液5.00mL、精製水0mL。
- [2]標準液濃度80%:100%液4.00mL、精製水1.00mL。
- [3]標準液濃度60%:100%液3.00mL、精製水2.00mL。
- [4]標準液濃度50%:100%液2.50mL、精製水2.50mL。
- [5]標準液濃度45%:100%液2.25mL、精製水2.75mL。
- [6]標準液濃度40%:100%液2.00mL、精製水3.00mL。
- [7]標準液濃度35%:100%液1.75mL、精製水3.25mL。
- [8]標準液濃度30%:100%液1.50mL、精製水3.50mL。
- [9]標準液濃度25%:100%液1.25mL、精製水3.75mL。
- [10]標準液濃度20%:100%液1.00mL、精製水4.00mL。
- [11]標準液濃度15%:100%液0.75mL、精製水4.25mL。
- [12]標準液濃度10%:100%液0.50mL、精製水4.50mL。
- [13]標準液濃度5%:100%液0.25mL、精製水4.75mL。
- <参考>健康成人の時間別フェノールスルホンフタレイン排泄率は次のとおりである。
- [1]15分:最小25%、最大50%、平均35%。
- [2]30分:最小40%、最大60%、平均50%。
- [3]60分:最小50%、最大75%、平均65%。
- [4]120分:最小55%、最大85%、平均70%。
- 筋肉内注射の場合は、注射後第1時間尿に35~60%、第2時間尿に15~25%、すなわち2時間合計尿50~80%をもって正常とし、50%以下の場合は腎機能障害がある。また年齢別の15分値は概ね次のとおりである。
- [1]小児:平均値40%、棄却限界なし。
- [2]20~29歳:平均値41%、棄却限界52~31%。
- [3]30~39歳:平均値36%、棄却限界50~22%。
- [4]40~49歳:平均値36%、棄却限界50~23%。
- [5]50~59歳:平均値33%、棄却限界47~20%。
- [6]60~69歳:平均値31%、棄却限界43~19%。
- [7]70~79歳:平均値29%、棄却限界40~18%。
- 軽度の腎障害では120分値が正常であっても15分値は低値を示すことが多く重症の腎炎、ネフローゼ等では15分、120分ともに低値を示す。一般的に静脈内注射で15分値が25%以下の場合には2時間の総排泄量のいかんにかかわらず腎機能、特に尿細管の障害を意味する。
- 3.診断上の注意:次記の場合、測定値に誤差を生じることがある。
- 1)患者の体の状態による影響:・ 黄疸あるいは胆道閉塞がある場合、測定値に誤差を生じることがある。・ 循環器系不全がある場合、測定値に誤差を生じることがある。・ 脱水状態又は発熱がある場合、測定値に誤差を生じることがある。・ 尿着色、尿混濁又は血尿がある場合、測定値に誤差を生じることがある。
- 2)薬剤との併用による影響:・ 抗コリン薬、アスピリン、プロベネシド、ペニシリン、サルファ剤、サイアザイド系利尿薬:フェノールスルホンフタレインの排泄を遅らせ測定値に誤差を生じることがある。・ アントラキノン類、スルホブロモフタレインナトリウム<BSP>、フェノールフタレイン、ヘキサミン:尿の変色が起こり尿中フェノールスルホンフタレイン排泄量がみかけ上増加することが報告されている。
【保管上の注意】
室温保存。
フェノールスルホンフタレイン注0.6%「AFP」の成分一致薬品
成分一致薬品は見つかりませんでした。