ピロニック錠100mgの用法・用量
通常、成人には尿素(13C)として100mg(1錠)を空腹時に1回経口投与する。
[標準的な13C-尿素呼気試験法]
- (1)本剤服用前に呼気を採取する。
- (2)本剤(1錠)を、水約50mLとともに空腹時に服用する。ただし、錠剤をつぶしたり、口腔内で噛み砕いたり、水に溶解したりせず、そのまま速やかに服用する。
- (3)服用後直ちに口腔内を水で2~3回うがいをして吐き出し、口腔内に残存する尿素(13C)を排除する。
- (4)水でうがいの後は左側臥位の姿勢を5分間保ち、その後は座位の姿勢を保つ。
- (5)本剤服用後所定の時間に呼気を採取する。
- (6)服用前と服用後の呼気中13CO2(13CO2/12CO2比)を測定し、その変化量(Δ13CO2‰)を算出し、判定する。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.服用後の至適な呼気採取時間及び判定基準:本剤服用後の呼気採取時間は、呼気中13CO2の測定方法により異なる。質量分析法:服用10分後に呼気採取し、Δ13CO2‰が3.0‰以上の場合は、H.pylori感染陽性と判定する。赤外分光法:服用15分後に呼気採取し、Δ13CO2‰が6.0‰以上の場合は、H.pylori感染陽性と判定する。なお、赤外分光法で1.8%(2例/113例)の割合で偽陽性あるいは偽陰性が生じたので、測定値がカットオフ値近辺であった場合は、別の検査法も参考にすることが望ましい。また、赤外分光法においては、呼気中のCO2濃度が低い場合、Δ13CO2値の再現性が乏しくなることがあり、低値領域では判定に影響することがあるので注意すること。
- 2.感染診断実施上の留意事項:13C-尿素呼気試験法の判定結果は、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール等のプロトンポンプインヒビター(PPI)の服用中や中止直後、アモキシシリン、クラリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質の服用中や中止直後、メトロニダゾールの服用中や中止直後、ビスマス製剤の服用中や中止直後及び抗ウレアーゼ活性のあるエカベトの服用中や中止直後等のヘリコバクター・ピロリに対する静菌作用を有する薬剤の服用中や中止直後では、偽陰性になる可能性があるため、除菌前及び除菌後の感染診断の実施にあたっては、当該静菌作用を有する薬剤投与中止又は終了後2週間以上経過していること。
- 3.除菌後の感染診断(除菌判定):除菌判定については、除菌治療薬剤投与終了後4週以降の時点で実施すること。
ピロニック錠100mgの効能・効果
ヘリコバクター・ピロリの感染診断。
ピロニック錠100mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]血液:(0.1~0.5%未満)白血球増多。
- [2]肝臓:(0.5%以上)ALP上昇、γ-GTP上昇、(0.1~0.5%未満)AST上昇、ALT上昇。
- [3]腎臓:(0.1~0.5%未満)尿蛋白、尿潜血、血尿。
- [4]その他:(0.5%以上)総コレステロール上昇。
ピロニック錠100mgの使用上の注意
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.胃切除を受けた患者:本剤の胃内滞留時間が短縮することにより、判定に影響を及ぼすことがある。
- 2.無酸症の患者又はHelicobacter heilmanniiが胃内に生息する等のウレアーゼ活性を有する細菌が胃内に生息する患者:偽陽性となるおそれがある。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【適用上の注意】
- 1.診断上の注意:
- 胃内のH.pyloriの菌体数と13C-尿素呼気試験法の結果(Δ13CO2値)の相関は確立していない。
【保管上の注意】
室温保存。