二酸化炭素（エア・ウォーター） 添付文書情報

酸素吸入に併用する場合は、通常純酸素に対して数%本品を混ぜる。

• ［1］酸素吸入時の呼吸中枢の刺激。
• ［2］高山病における呼吸困難、麻酔時における覚せいと手術後の肺拡張不全の予防。
• ［3］一酸化炭素、モルヒネ、シアン化合物などの中毒時における呼吸中枢の興奮性低下。
• ［4］炭酸水の水浴による脈拍の減少及び拡張期血圧の減少、静脈血の心臓還流の改善と拍出量の増加、皮膚の充血、呼吸量の増加。
• ［5］ドライアイスでの狼瘡、色素斑などの皮膚疾患の腐食剤としての使用。
• ［6］腹腔鏡下外科手術に必要な視野確保及び術野確保。
• ［7］X線コンピュータ断層撮影に必要な腸管拡張。

【重要な基本的注意】

• 1．使用に当たっては、必ずガス名を「医薬品ラベル」で確認すること。
• 2．吸入により軽いめまい、呼吸困難、嘔吐などの中毒症状を呈した場合は清浄な空気を吸わせること（また、しばらく安静にさせること）。
• 3．吸入により意識を失ったときは、直ちに投与を中止し人工呼吸、あるいは酸素吸入を行うこと。
• 4．腹腔鏡下外科手術及びX線コンピュータ断層撮影時の送気ガスとして使用する際は、該当医療機器の添付文書を必ず参照すること。

【適用上の注意】

• 1．薬剤調製時の注意：
  • 1）本品は「液化ガス」のため、容器は立てて使用する。
  • 2）容器のバルブは静かに開閉する。
  • 3）容器は粗暴な取扱いをせず、転倒、転落等による衝撃及びバルブの損傷を防止するために、安定した床に倒れないように置き、ロープ等で固定して使用する。
  • 4）容器と配管等の取付部は、使用に先立ち漏洩検知液等で必ず点検する。
  • 5）調整器及び圧力計等は、二酸化炭素用のものを使用する。
  • 6）使用方法によっては、-70℃以下の超低温になることがあるため、凍傷等を起こさないように注意する。
  • 7）使用後は容器バルブを必ず閉める。
• 2．薬剤投与時の注意：
  • 1）容器は常に温度40℃以下で使用し、直射日光を避け、火気・暖房の付近に置かない。
  • 2）酸欠の危険性があるので、換気に十分に注意する。

【取扱い上の注意】

• 1．消費上の注意：
  • 1）設備の使用開始時及び使用終了時に異常の有無を点検するほか、1日に1回以上設備等の作動状況を点検すると共に定期的にガス濃度、圧力及び気密を点検する。もし、異常があるときは、設備の補修等の危険防止措置を講じる。
• 2．ガス漏洩時の注意：
  • 1）ガス漏れのある場合は容器バルブを閉じて、ガスの使用を中止する。
  • 2）安全弁（破裂板）からガスが噴出した場合は、容器から離れ換気を良くし、販売店に連絡する。
  • 3）二酸化炭素は空気より重く、低い場所に滞留し高濃度になりやすいので注意する（二酸化炭素の許容濃度は5000ppm）。
• 3．貯蔵上の注意：
  • 1）容器は粗暴な取扱いをせず、転倒、転落等による衝撃及びバルブの損傷を防止するために、安定した床に倒れないように置き、ロープ等で縛りつける、又は保管箱に入れる。
  • 2）容器は直射日光の当たらない場所で、常に温度40℃以下に保つ。
  • 3）容器は湿気水滴等による腐食を防止する措置を講ずる。
    • （1）容器置場は、錆・腐食を防止するため、水分を浸入させないようにして、腐食物質を近くに置かない。
    • （2）水分、異物等の混入による腐食等を防止するため、使用済みの容器でも、容器のバルブは必ず閉めておく。
  • 4）容器は「高圧ガス容器置場」であることを明示した所定の場所に保管する。
    • （1）容器は、充てん容器と使用済み容器を区分して置く。
    • （2）種類の異なるガスの容器は区分して置く。
    • （3）容器置場には作業に必要な用具以外のものを置かない。
    • （4）容器置場には関係者以外の立入りを禁止する。
  • 5）容器置場は必ず換気を図る（酸欠防止のため）。
• 4．移送時の注意：
  • 1）容器は、常に温度40℃以下に保ち、直射日光を避け、転落させないよう、固定して安全に運搬する。

【保険給付上の注意】

本剤は保険給付の対象とならない（薬価基準未収載）。

【保管上の注意】

40℃以下で保存する。