ボルズィ錠5mgの用法・用量
通常、成人にはボルノレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.通常用量を超えて増量する場合には、傾眠等の副作用が増加することがあるので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与することとし、症状の改善に伴って減量に努めること。
- 2.本剤は就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床して仕事等で活動する可能性があるときは服用させないこと。
- 3.入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること。
- 4.中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤と併用する場合は、ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強するおそれがあるため、1日1回2.5mgとすること。
- 5.中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)では、ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強するおそれがあるため、1日1回2.5mgとすること。
- 6.他の不眠症治療薬と併用したときの有効性及び安全性は確立されていない。
ボルズィ錠5mgの効能・効果
不眠症。
ボルズィ錠5mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]一般・全身障害および投与部位の状態:(1%未満)倦怠感。
- [2]臨床検査:(1%未満)血中乳酸脱水素酵素増加。
- [3]神経系障害:(3%以上)傾眠、(1%未満)浮動性めまい、睡眠時麻痺。
- [4]精神障害:(1~3%未満)悪夢。
ボルズィ錠5mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 2.重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者。
- 3.イトラコナゾール投与中、ポサコナゾール投与中、ボリコナゾール投与中、クラリスロマイシン投与中、リトナビル含有製剤投与中、エンシトレルビル フマル酸投与中、コビシスタット含有製剤投与中、セリチニブ投与中の患者。
【重要な基本的注意】
- 1.不眠症あるいは本剤の影響により、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、17.臨床成績の項を熟知し患者状態を十分把握した上で自動車運転等の危険を伴う機械操作の適否を慎重に判断し、危険を伴う作業等を行う場合には十分な注意が必要であることを適切に患者に指導する(また、眠気等があらわれた場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者に指導する)。
- 2.症状が改善した場合は、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.ナルコレプシー又はカタプレキシーのある患者:症状を悪化させるおそれがある。
- 2.脳器質的障害のある患者:本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。
- 3.呼吸機能障害<軽度閉塞性睡眠時無呼吸を除く>のある患者:これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。
【肝機能障害患者】
- 1)重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者:投与しないこと(ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇するおそれがあり、重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない)。
- 2)軽度及び中等度肝機能障害<Child-Pugh分類A及びB>のある患者:ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇するおそれがある。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【相互作用】
ボルノレキサントは主にCYP3A4によって代謝される。
- 1.併用禁忌:イトラコナゾール<イトリゾール>、ポサコナゾール<ノクサフィル>、ボリコナゾール<ブイフェンド>、クラリスロマイシン<クラリス、クラリシッド>、リトナビル含有製剤<ノービア、カレトラ、パキロビッド>、エンシトレルビル フマル酸<ゾコーバ>、コビシスタット含有製剤<ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス>、セリチニブ<ジカディア>[本剤の作用を著しく増強させるおそれがある(これらの薬剤の強いCYP3A阻害作用により、ボルノレキサントの代謝が阻害され、ボルノレキサントの血漿中濃度が顕著に上昇するおそれがある)]。
- 2.併用注意:
- [1]中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル塩酸塩等)[本剤の作用を増強させるおそれがある(これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、ボルノレキサントの代謝が阻害され、ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇するおそれがある)]。
- [2]グレープフルーツジュース[本剤の作用を増強させるおそれがある(グレープフルーツジュースの成分により、ボルノレキサントの代謝が阻害され、ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇するおそれがある)]。
- [3]CYP3A誘導作用を有する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)[本剤の作用を減弱させるおそれがある(これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、ボルノレキサントの代謝が促進され、ボルノレキサントの血漿中濃度が低下するおそれがある)]。
- [4]中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)[中枢神経系に対する抑制作用を増強させるおそれがある(本剤及びこれらの薬剤は中枢神経系に対する抑制作用を有するため、相互に作用を増強させるおそれがある)]。
- [5]アルコール(飲酒)[精神運動機能の相加的な低下を生じる可能性があるため、本剤を服用時に飲酒は避けさせること(本剤及びアルコールは中枢神経系に対する抑制作用を有するため、相互に作用を増強させるおそれがある)]。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
【その他の注意】
- 2.非臨床試験に基づく情報:
- 1)ラット2年間がん原性試験において臨床曝露量の33倍に相当する用量を投与した雄で膵島細胞腫増加が認められた。
【保管上の注意】
室温保存。



