ミオコールスプレー0.3mgの用法・用量
1回1噴霧(ニトログリセリンとして0.3mg)を舌下に投与する。なお、効果不十分の場合は1噴霧を追加投与する。
【使用法】
本剤の使用に当たっては、十分な効果を得るために正しく使うことが大切である。
- 1.オーバーキャップを押し開ける。
- 2.初めて使用する場合は、容器を立てた状態で6~7回空噴霧する。また、しばらく(約1カ月)使用していない場合、あるいは横にしたり逆さまの状態で保管・携帯した場合は、使用前に容器を立てた状態で数回空噴霧をして、十分な薬液が出ることを確認の上、使用する。
- 3.噴霧孔をできるだけ口へ近づける(容器を持つ指があごにつくまで)。残量が少なくなると、傾けた状態では正確に噴霧されないことがあるので、なるべく容器は垂直に立てて持つ。なお、寝ている場合は頭を少し起こしてから使用する。
- 4.舌を上げ、上あごにつけてから口を開け、息を止めた状態で舌下(舌の裏側)に向けて噴霧ボタンを1回押し、口を閉じる。このとき、深く吸い込まない。
- 5.使用後はオーバーキャップを閉じる。
【医師・薬剤師等へのお願い】
患者に添付の患者用説明書(ミオコールスプレー0.3mgを使用される方へ)の内容を説明の上、その文書を必ず渡す。また、用法・用量を厳重に守るよう指導する。
ミオコールスプレー0.3mgの効能・効果
狭心症発作の緩解。
ミオコールスプレー0.3mgの副作用
総症例2,148例中報告された副作用は96例(4.47%)延べ121件であった。主な副作用は、舌のしびれ24件(1.12%)、頭痛19件(0.88%)、舌の刺激感8件(0.37%)、舌痛8件(0.37%)等であった(再審査終了時)。
- 1.循環器:(0.1~5%未満)血圧低下、ほてり、動悸、(0.1%未満)眩暈、(頻度不明)脳貧血、熱感、潮紅。
- 2.精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、頭重感、(頻度不明)失神。
- 3.過敏症:(0.1%未満)発疹[投与を中止する]。
- 4.消化器:(0.1%未満)アフタ性口内炎、(頻度不明)悪心・嘔吐。
- 5.肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等、(0.1%未満)Al-P上昇、LDH上昇等。
- 6.適用部位:(0.1~5%未満)舌刺激感、舌痛、本剤自体による舌のしびれ。
- 7.その他:(0.1%未満)気分不良、(頻度不明)発汗、尿失禁、便失禁。
ミオコールスプレー0.3mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させる恐れがある]。
- 2.閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させる恐れがある]。
- 3.頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させる恐れがある]。
- 4.高度貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(眩暈、立ちくらみ等)を悪化させる恐れがある]。
- 5.硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 6.ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤投与中(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤投与中(リオシグアト)の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある]。
【慎重投与】
- 1.低血圧の患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させる恐れがある]。
- 2.心筋梗塞の急性期の患者[血圧を低下させる恐れがある]。
- 3.原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下しショックを起こす恐れがある]。
- 4.肥大型閉塞性心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させる恐れがある]。
【重要な基本的注意】
- 1.過度に使用した場合、急激な血圧低下による意識喪失を起こすことがあるので、用法・用量に十分注意する(過度の血圧低下、意識喪失が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行う)。
- 2.起立性低血圧を起こすことがあるので注意する。
- 3.本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用が起こりやすく、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
- 4.本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)との併用又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認する。また、本剤投与中及び投与後においてホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意する。
【相互作用】
- 1.併用禁忌:
- 1)ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩<バイアグラ、レバチオ>、バルデナフィル塩酸塩水和物<レビトラ>、タダラフィル<シアリス、アドシルカ、ザルティア>)[併用により、降圧作用を増強することがある(本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
- 2)グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト<アデムパス>)[併用により、降圧作用を増強することがある(本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
- 2.併用注意:次記の薬剤等との相互作用により、過度の血圧低下が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行う。
- 1)降圧作用及び血管拡張作用を有する薬物(Ca拮抗剤、ACE阻害剤、β遮断剤、利尿剤、三環系抗うつ剤、メジャートランキライザー等)[血圧低下が増強されることがあるので、過度の血圧低下が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行う(血圧低下作用が相加的に増強される)]。
- 2)アルコール摂取[血圧低下が増強されることがあるので、過度の血圧低下が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行う(血圧低下作用が相加的に増強される)]。
- 3)他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤[頭痛・血圧低下等の副作用が増強されることがあるので、過度の血圧低下が起こった場合には、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行う(血管拡張作用が増強される)]。
【高齢者への投与】
本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがあるので、注意する。
【妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
- 2.授乳中の婦人には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている]。
【過量投与】
- 1.過量投与時の徴候、症状:急激な血圧低下による意識喪失等を起こすことがある。
- 2.過量投与時の処置:下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行う。
【適用上の注意】
次の事項について患者への指導を行う。
- 1.火気に近づけて使用しない。
- 2.目など口以外に向けて使用しない。
- 3.高用量を直接肺に吸入した場合には、過度の血行動態変化につながる恐れがあるので、用法・用量を厳守する。
- 4.高温では漏洩することがある。夏期の車中、日の当たる場所等では60℃を超えることがあるので、このような場所には放置しない。
【その他の注意】
- 1.本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある(なお、ニトログリセリンの経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある)。
- 2.硝酸・亜硝酸エステル系薬剤の投与によって、ショック又はメトヘモグロビン血症が現れたとの報告がある。
- 3.本剤はエタノールを含有するのでエタノールに過敏な患者には注意して使用する。
【取扱い上の注意】
使用後火中に投じない。
【保管上の注意】
40℃以上の場所に保存しない。