オプスミット錠10mgの用法・用量
通常、成人には、マシテンタンとして10mgを1日1回経口投与する。
オプスミット錠10mgの効能・効果
肺動脈性肺高血圧症。
【効能又は効果に関連する注意】
- 1.WHO機能分類クラス1における有効性及び安全性は確立していない。
- 2.本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。
オプスミット錠10mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)貧血(4.0%):貧血、ヘモグロビン減少が起こる可能性がある。
- 2.その他の副作用:
- [1]血液及びリンパ系障害:(0.5%以上5%未満)血小板減少。
- [2]免疫系障害:(頻度不明)過敏症(皮疹、蕁麻疹、血管浮腫)。
- [3]神経系障害:(5%以上)頭痛、(0.5%以上5%未満)片頭痛、浮動性めまい。
- [4]血管障害:(0.5%以上5%未満)潮紅、低血圧。
- [5]呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(0.5%以上5%未満)鼻閉、呼吸困難。
- [6]胃腸障害:(0.5%以上5%未満)悪心/嘔吐、腹痛、下痢。
- [7]皮膚及び皮下組織障害:(0.5%以上5%未満)皮膚そう痒症/発疹。
- [8]一般・全身障害:(0.5%以上5%未満)浮腫、末梢性浮腫、顔面浮腫、胸痛。
- [9]臨床検査:(0.5%以上5%未満)肝機能検査異常、ALT増加、AST増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、(頻度不明)白血球数減少。
オプスミット錠10mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
- 2.重度肝障害のある患者。
- 3.強いCYP3A4誘導剤投与中(リファンピシン、セイヨウオトギリソウ含有食品、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、リファブチン)の患者。
- 4.本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.他のエンドセリン受容体拮抗薬において肝酵素値上昇が認められているため、肝機能検査を必ず投与開始前に行い、投与中は、必要に応じて肝機能検査を定期的に実施すること。本剤投与中に臨床的に顕著にAST値上昇、顕著にALT値上昇した場合、これら肝酵素値上昇に伴いビリルビン値が基準値上限の2倍を超える場合、又はこれら肝酵素値上昇に伴い黄疸などの肝障害の徴候を伴う場合には、本剤の投与を中止すること。
- 2.ヘモグロビン減少が起こる可能性があるため、本剤の投与開始前及び投与中は必要に応じてヘモグロビン濃度を定期的に測定することが望ましい。
- 3.本剤の投与により肺水腫の徴候がみられた場合は肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮し、肺静脈閉塞性疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止すること。
- 4.本剤は血管拡張作用を有するため、本剤の投与に際しては、血管拡張作用により患者が有害な影響を受ける可能性がある状態(降圧剤投与中、安静時低血圧、血液量減少、重度の左室流出路閉塞、自律神経機能障害等)にあるのかを十分検討すること。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.重度貧血のある患者。
- 2.低血圧の患者。
- 3.肺静脈閉塞性疾患患者:本剤を投与しないことが望ましい(血管拡張薬を使用した場合に肺水腫の発現が報告されている)。
【腎機能障害患者】
- 1)透析中の患者:臨床試験では除外されている。
- 2)重度腎障害のある患者:血圧及びヘモグロビンの測定を考慮すること(低血圧及び貧血が起こる可能性がある)。
【肝機能障害患者】
- 1)重度肝障害のある患者:投与しないこと(類薬において重篤な肝障害の報告があり、国内第2/3相臨床試験及び海外第3相臨床試験では除外されている)。
- 2)投与開始前の肝酵素<AST・ALT>値の何れかが基準値上限の3倍を超える又は投与開始前の肝酵素<AST・ALT>値の両方が基準値上限の3倍を超える患者:国内第2/3相臨床試験及び海外第3相臨床試験では除外されている。
【生殖能を有する者】
本剤の投与に際しては、次について説明及び指導し、妊娠する可能性のある女性には本剤投与開始前及び投与中は1ヵ月に1回妊娠検査を実施すること。・ 妊娠する可能性のある女性には、妊娠中に本剤を服用した場合の胎児に及ぼす危険性について説明及び指導すること。・ 妊娠する可能性のある女性には、投与中及び投与中止後1ヵ月間は確実な避妊法を用いるとともに、妊娠した場合若しくはその疑いがある場合には、医師に直ちに連絡すること。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット及びウサギ)で下顎弓癒合異常及び心血管系異常などが報告されており、最小毒性量に基づく安全域はラットで約3倍未満、ウサギで約30倍未満であり、また、胚吸収増加などが報告されている)。
【授乳婦】
本剤投与中は授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)では、本剤は乳汁中に移行することが確認されており、また、母動物(ラット)に妊娠17日から分娩後20日まで経口投与した結果、出生仔体重低値及び出生仔死亡増加が認められている)。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
一般に生理機能が低下していることが多い。
【相互作用】
本剤は主にCYP3A4及びCYP2C9により代謝される。
- 1.併用禁忌:強いCYP3A4誘導剤(リファンピシン<リファジン>、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品、カルバマゼピン<テグレトール>、フェニトイン<アレビアチン>、フェノバルビタール<フェノバール>、リファブチン<ミコブティン>)[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(強いCYP3A4誘導作用により、本剤の曝露量を減少させる)]。
- 2.併用注意:
- [1]強いCYP3A4阻害剤(ケトコナゾール(経口剤、注射剤は国内未発売)、HIV感染症治療薬(リトナビル等))[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある(強いCYP3A4阻害作用により、本剤の曝露量を増加させる)]。
- [2]中程度のCYP3A4阻害作用かつ中程度のCYP2C9阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール)[本剤の血中濃度が上昇し本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある(CYP3A4阻害作用及びCYP2C9阻害作用により、本剤の曝露量を増加させる可能性がある)]。
- [3]CYP3A4誘導剤<強い誘導剤は禁忌>(エファビレンツ、モダフィニル、ルフィナミド等)[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがある(CYP3A4誘導作用により、本剤の曝露量を減少させる)]。
【過量投与】
- 1.症状:外国において、健康男性にマシテンタン600mgを単回経口投与した時、主な有害事象は、頭痛、悪心、嘔吐であった。
- 2.処置:過量投与時、マシテンタンは血漿タンパクとの親和性が高いため、透析により除去できないと考えられる。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:
- 1)海外臨床試験において、月経障害、卵巣嚢胞、白血球減少症及び白血球減少に関する有害事象がプラセボ群では1.1%(2/184例)、0.0%(0/184例)、1.6%(4/249例)及び0.0%(0/249例)であったのに対し、マシテンタン10mg投与では5.1%(10/194例)、1.5%(3/194例)、2.5%(6/242例)及び0.8%(2/242例)であり、プラセボに比べ、マシテンタンで多く報告された。
- 2)関連性は明確ではないが本剤投与後に精子数減少をみとめた症例が報告されており、本剤はヒトの精子形成に影響を及ぼすおそれがある。なお、他のエンドセリン受容体拮抗薬を服用した患者においても精子数減少が報告されている。
- 2.非臨床試験に基づく情報:ラット及びイヌの反復投与毒性試験において、精細管萎縮又は精細管拡張が認められた。ラットの反復投与毒性試験において、可逆的な異常精子割合増加が認められた。イヌの反復投与毒性試験において、精子形成低下が認められた。
【保管上の注意】
室温保存。
オプスミット錠10mgの成分一致薬品
成分一致薬品は見つかりませんでした。