ルテウム腟用坐剤400mgの用法・用量
プロゲステロンとして1回400mgを1日2回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する。
ルテウム腟用坐剤400mgの効能・効果
生殖補助医療における黄体補充。
ルテウム腟用坐剤400mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)血栓症(頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害、動脈血栓塞栓症又は静脈血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症又は肺塞栓症)、血栓性静脈炎、網膜血栓症があらわれたとの報告がある。
- 2.その他の副作用:
- [1]生殖器:(5%以上)不正子宮出血、外陰腟そう痒症、(5%未満)絨毛膜下血腫、切迫流産、外陰部腟カンジダ症、(頻度不明)稽留流産、自然流産、骨盤痛、卵巣腫大。
- [2]乳房:(頻度不明)乳房圧痛、乳房痛、乳房不快感。
- [3]精神神経系:(頻度不明)傾眠、頭痛、浮動性めまい、味覚異常、気分動揺、気分変化。
- [4]消化器:(5%未満)下腹部痛、腹痛、(頻度不明)腹部不快感、腹部膨満、放屁、上腹部痛、便秘、下痢、嘔吐、胃拡張。
- [5]皮膚:(頻度不明)発疹、皮膚そう痒症。
- [6]その他:(頻度不明)適用部位そう痒感、不快感、疲労、冷感、体温変動感、寝汗、体重増加、関節痛、直腸新生物、失禁、頻尿、ほてり。
ルテウム腟用坐剤400mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 2.乳癌又は生殖器癌の既往歴又はその疑いのある患者[腫瘍の悪化又は顕性化を促すおそれがある]。
- 3.診断の確定していない異常性器出血のある患者[病因を見のがすおそれがある]。
- 4.動脈血栓塞栓症又は静脈血栓塞栓症、重度血栓性静脈炎又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され、これらの症状が悪化又は再発することがある]。
- 5.稽留流産又は子宮外妊娠の患者[妊娠維持作用により死亡胎児の排出が困難になるおそれがある]。
- 6.重度肝機能障害のある患者。
- 7.ポルフィリン症の患者[症状が悪化するおそれがある]。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤の投与中止により、不安、気分変化、発作感受性の増大を引き起こす可能性があるので、投与中止の際には注意するよう患者に十分説明すること。
- 2.傾眠状態や浮動性めまいを引き起こすことがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.てんかん又はその既往歴のある患者:副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。
- 2.うつ病又はその既往歴のある患者:注意深く観察し、うつ病症状悪化を認めた場合は、投与を中止するなど注意すること(副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある)。
- 3.片頭痛、喘息又はその既往歴のある患者:病態に影響を及ぼすおそれがある。
- 4.心疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留や体液貯留により、症状が増悪するおそれがある。
- 5.糖尿病の患者:糖尿病が悪化するおそれがある。
【腎機能障害患者】
- 1)腎疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留や体液貯留により、症状が増悪するおそれがある。
【肝機能障害患者】
- 1)重度肝機能障害のある患者:投与しないこと(代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪するおそれがある)。
- 2)中等度以下の肝機能障害のある患者:症状が増悪するおそれがある。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤の成分は、ヒト母乳中へ移行するとの報告がある)。
【相互作用】
- 2.併用注意:他の腟剤(抗真菌剤<腟剤>等)[本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある(プロゲステロンの放出及び吸収を変化させる可能性がある)]。
【過量投与】
過量投与時、傾眠状態があらわれることがある。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:
- 1)本剤は腟内にのみ投与し、内服しないよう指導すること。
- 2)本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
- 3)本剤は一度溶けた場合に品質が劣化することがあるので、涼しい場所(25℃以下)で保管し、一度溶けた製剤は使用しないよう指導すること。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。
【保管上の注意】
25℃以下で保存。