ジンタス錠50mgの用法・用量
通常、成人及び体重30kg以上の小児では、亜鉛として、1回50~100mgを開始用量とし1日1回食後に経口投与する。なお、血清亜鉛濃度や患者の状態により適宜増減するが、1日1回150mgを超えないこと。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.本剤投与開始時及び用量変更時には、血清亜鉛濃度を確認すること(なお、血清亜鉛濃度を測定するための採血は本剤を服薬する前に行うことが望ましい)。
- 2.投与開始時の血清亜鉛濃度に応じて、次の用量を目安に投与を開始すること。
- [1]血清亜鉛濃度50μg/dL以上:開始用量1日1回50mg。
- [2]血清亜鉛濃度50μg/dL未満:開始用量1日1回100mg。
ジンタス錠50mgの効能・効果
低亜鉛血症。
【効能又は効果に関連する注意】
食事等による亜鉛摂取で十分な効果が期待できない患者に使用すること。
ジンタス錠50mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)銅欠乏症(頻度不明):本剤は亜鉛を含有するため、亜鉛により銅の吸収が阻害され銅欠乏症を起こすおそれがある。栄養状態不良の患者で銅欠乏に伴う汎血球減少、貧血や神経障害を起こすことがある。
- 2.その他の副作用:
- [1]血液・リンパ:(1%以上)貧血、(1%未満)鉄欠乏性貧血。
- [2]代謝・栄養:(1%未満)食欲減退。
- [3]精神・神経:(1%以上)浮動性めまい、(1%未満)頭痛、不眠症。
- [4]呼吸器:(1%未満)間質性肺疾患。
- [5]消化器:(1%以上)下痢、悪心、腹部不快感、(1%未満)下腹部痛、上腹部痛、便秘、胃潰瘍、胃食道逆流性疾患、嘔吐。
- [6]肝:(1%未満)肝機能異常。
- [7]臨床検査:(1%以上)血中銅減少、リパーゼ増加、アミラーゼ増加、肝機能検査値異常、(1%未満)体重減少。
ジンタス錠50mgの使用上の注意
【禁忌】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤投与により、アミラーゼ異常が長期持続及びリパーゼ異常が長期持続する場合には、膵機能検査(腫瘍マーカーを含む)を考慮すること。
- 2.血清亜鉛濃度や患者の状態に留意し、本剤を漫然と投与しないこと。
- 3.本剤投与により血清銅濃度低下する可能性があるため、本剤投与中は血清銅濃度を定期的に確認することが望ましい。
【肝機能障害患者】
肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(亜鉛が乳汁中に移行し、授乳中の乳児に亜鉛誘発性銅欠乏が発現するおそれがある)。
【小児等】
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は体重30kg未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
一般に生理機能が低下している。
【相互作用】
- 2.併用注意:
- [1]ポラプレジンク[本剤の効果を増強させるおそれがある(亜鉛含有製剤であるため)]。
- [2]キレート剤<経口>(ペニシラミン<経口>、トリエンチン塩酸塩<経口>)[本剤及びキレート剤の効果を減弱するおそれがあるので、1時間以上あけて投与すること(同時投与した場合、本剤がキレートされ、本剤及びキレート剤の吸収率が低下する可能性がある)]。
- [3]テトラサイクリン系抗生物質<経口>、キノロン系抗菌剤<経口>、セフジニル<経口>、経口鉄剤、ビスホスホネート系製剤<経口>、エルトロンボパグ オラミン<経口>、ドルテグラビルナトリウム<経口>[本剤及びこれらの薬剤の効果を減弱するおそれがあるので、時間をあけて投与すること(同時投与した場合、本剤及びこれらの薬剤の吸収率が低下する可能性がある)]。
【過量投与】
- 1.症状:グルコン酸亜鉛の過量投与により、重度悪心、嘔吐及び浮動性めまいが報告されている。また、硫酸亜鉛の過量投与により、腎不全及び高血糖昏睡を伴う出血性膵炎による死亡例が報告されている。
- 2.処置:過量投与時、速やかに胃洗浄を行うか催吐させて未吸収の亜鉛を除去し、血清亜鉛濃度が顕著に上昇している場合はキレート剤による治療を行うこと。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
【保険給付上の注意】
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年8月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
【保管上の注意】
室温保存。