ボルビサール注の組成・成分
2mL中
塩化第二鉄:9.460mg
硫酸亜鉛水和物:17.25mg
硫酸銅:1.248mg
ヨウ化カリウム:0.166mg
ボルビサール注の用法・用量
1日2mLを高カロリー静脈栄養輸液に添加し、点滴静注する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
- 1.本剤は、経口・経腸管栄養補給が十分になった場合には、速やかに投与を中止する(通常、経口・経腸管栄養により微量元素は補給される)。
- 2.高カロリー輸液用基本液等には微量元素が含まれた製剤があるので、それらの微量元素量に応じて適宜減量する。
- 3.本剤投与中に銅などの微量元素の血漿中濃度の上昇が認められた場合には、休薬、減量もしくは中止等を考慮する。
- *[血漿中微量元素濃度の基準値]中央値(下限値~上限値)
- Fe(μg/dL):103(35~174)
- Zn(μg/dL):97(70~124)
- Cu(μg/dL):94(62~132)
- I(μg/dL):5.7(3.7~14.0)
- *:健常成人男女各20名より求めた。
- *[血漿中微量元素濃度の基準値]中央値(下限値~上限値)
- 4.本剤はマンガンが配合されていないので、投与中にマンガンの全血中濃度が基準値以下となった場合には、マンガン配合微量元素製剤の投与を考慮する。
[全血中マンガン濃度の基準値]
Mn(μg/dL):0.52~2.4
ボルビサール注の効能・効果
経口栄養補給が不能又は不十分、経腸管栄養補給が不能又は不十分で高カロリー静脈栄養に頼らざるを得ない場合の亜鉛補給、鉄補給、銅補給及びヨウ素補給。
ボルビサール注の副作用
マンガンを除いた4元素(鉄、亜鉛、銅、ヨウ素)配合の微量元素製剤について実施した特別調査(長期使用)において、37例中2例(5.41%)に副作用が認められた。
次のような副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 1.過敏症:(頻度不明)*発疹。
- 2.肝臓:(0.1~5%未満)肝機能異常(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇等)、(頻度不明)*ビリルビン上昇。
- *:マンガン配合微量元素製剤で認められた副作用。
ボルビサール注の使用上の注意
【禁忌】
- 1.胆道閉塞のある患者[排泄障害により、銅などの微量元素の血漿中濃度を上昇させる恐れがある]。
- 2.本剤又は本剤配合成分に過敏症の既往歴のある患者。
【慎重投与】
- 1.肝障害のある患者[微量元素の血漿中濃度を上昇させる恐れがある]。
- 2.腎障害のある患者[微量元素の血漿中濃度を上昇させる恐れがある]。
【重要な基本的注意】
本剤を長期連用する場合には、次の点に注意する。
- 1.長期連用する場合、臨床症状の推移を十分観察したうえで、慎重に投与し、また、必要に応じ、微量元素の血漿中濃度を測定することが望ましい。
- 2.長期連用する場合、本剤はマンガンが配合されていないため、マンガンの全血中濃度が基準値以下になる恐れがあるので、必要に応じマンガンの全血中濃度を測定し、マンガン配合微量元素製剤の投与を考慮する。
【高齢者への投与】
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
【妊婦・産婦・授乳婦等への投与】
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
- 2.授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせる[授乳中の投与に関する安全性は確立していない]。
【小児等への投与】
小児等に対する安全性は確立していない[使用経験がない]。
【適用上の注意】
- 1.調製時:
- 1)本剤は光により濁る場合があるので、液の性状を観察し、液の澄明でないものは使用しない。
- 2)本剤は単独のシリンジで採取し、高カロリー静脈栄養輸液に添加する(他の注射剤との直接混合は、沈殿等の配合変化を起こすことがある)。なお、ビタミン剤(ビタミンB2剤<高カロリー静脈栄養輸液を除く>及びビタミンC剤<高カロリー静脈栄養輸液を除く>、ビタミンB2・Cの配合剤<高カロリー静脈栄養輸液を除く>)をシリンジ内で直接本剤と混合した場合沈殿によりフィルターの目づまりが生じることがあるので、別々のシリンジを用いる。
- 3)本剤はワンポイントカットアンプルを使用しているので、ヤスリを用いず、アンプル枝部のマーク(青)の反対方向に折り取る。アンプルカット時に異物の混入を避けるため、アンプル首部の周りをエタノール綿等で清拭のこと。
- 2.投与経路:本剤は高カロリー静脈栄養輸液に必ず添加して使用し、直接静脈内に投与しない。
【取扱い上の注意】
- 1.安定性試験:最終包装品を用いた加速試験(40℃、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
- 2.注意:使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用する。
【保管上の注意】
遮光。