商品名

ボルベン輸液6% 添付文書情報

ボルベン輸液6%の用法用量

持続的に静脈内投与する。投与量及び投与速度は、症状に応じ適宜調節するが、1日50mL/kgを上限とする。

【用法及び用量に関連する注意】

  • 1.投与に際しては、通常成人では本剤500mL当たり、小児では10mL/kg当たり30分以上かけて点滴静注することが望ましい。

ボルベン輸液6%の効能効果

循環血液量の維持。

ボルベン輸液6%の副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。
    • 2)腎機能障害(頻度不明):急性腎障害等の腎機能障害があらわれ腎代替療法が必要となるおそれがある。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]血液:(1%未満)貧血、赤血球減少。
    • [2]臨床検査:(10%以上)血清アミラーゼ増加、(1~10%未満)血中クロール増加、血中ナトリウム増加、(1%未満)活性化部分トロンボプラスチン時間延長、プロトロンビン時間延長、血中ナトリウム減少、血中カリウム減少、血中クレアチニン増加。
    • [3]皮膚:(1%未満)皮膚そう痒症。
    • [4]呼吸器:(1%未満)呼吸不全。
    • [5]その他:(1%未満)処置後出血、創傷出血。

ボルベン輸液6%の使用上の注意

【警告】

重症患者管理における相対的な循環血液量低下で本剤を使用した場合には、患者の状態を悪化させるおそれがあるため、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。

【禁忌】

  • 1.本剤及び本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
  • 2.重度高ナトリウム血症あるいは重度高クロール血症を有する患者[本剤は塩化ナトリウムを含有するため症状を悪化させるおそれがある]。
  • 3.肺水腫、うっ血性心不全など水分過負荷のある患者[循環血液量を増加させるため症状を悪化させるおそれがある]。
  • 4.頭蓋内出血中の患者[頭蓋内出血を悪化させるおそれがある]。
  • 5.乏尿を伴う腎不全あるいは無尿を伴う腎不全の患者。
  • 6.透析治療を受けている患者[本剤の排泄が遅れるおそれがある]。
  • 7.重症敗血症の患者[患者の状態を悪化させるおそれがある]。

【重要な基本的注意】

  • 1.アナフィラキシーが起こることがあるため、最初の10~20mLは患者をよく観察しながらゆっくりと投与すること。
  • 2.組織残留性を考慮して投与は必要最小限にとどめること。
  • 3.本剤の高用量投与により、凝固因子及びその他の血漿蛋白などの血液成分の希釈が起きることがある。さらに、血液成分の希釈のみによらない凝固異常が生じることがあることから、患者の状態に応じて本剤の用量を適宜調節した上で、必要に応じて血液製剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
  • 4.腎機能及び体液バランスについてモニタリングするなど、患者の状態を十分に観察しながら適切な量を投与すること。
  • 5.急性腎障害等の腎機能障害があらわれ腎代替療法が必要となるおそれがあるので、腎機能を定期的に観察すること。
  • 6.血清電解質をモニターすること。
  • 7.投与期間は、循環血液量減少、血行動態及び血液希釈の程度に応じて調節すること。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.心不全のある患者:水分過負荷となるおそれがある。
  • 2.出血性素因のある患者:出血傾向が助長されるおそれがある。
  • 3.外傷性大出血の患者:本剤の高用量投与により血液成分の過度の希釈が起こり出血を助長するおそれがある。
  • 4.敗血症<重症敗血症を除く>の患者:重症化した場合に、患者の状態を悪化させるおそれがある。

【腎機能障害患者】

  • 1)乏尿を伴う腎不全あるいは無尿を伴う腎不全の患者:投与しないこと(腎不全の患者では本剤の排泄が遅れるおそれがある)。
  • 2)重度腎機能障害のある患者:水分過負荷となるおそれ及び腎機能が悪化するおそれがある。

【妊婦】

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

【授乳婦】

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(なお、本剤の母乳中への移行は不明である)。

【小児等】

  • 1)低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
  • 2)海外臨床試験において、41例の非心臓外科手術を受けた新生児を含む2歳未満の小児での本剤の平均投与量は16±9mL/kgであった。

【高齢者】

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

【相互作用】

  • 2.併用注意:アミノ糖系抗生物質(カナマイシン、ゲンタマイシン等)[併用薬の腎毒性を増強させるおそれがあるので、腎障害が発生した場合には、適切な処置を行うこと(機序不明)]。

【臨床検査結果に及ぼす影響】

本剤投与により血中にマクロアミラーゼが形成され、血清アミラーゼ値が高値となることがあるので、膵機能障害を疑わせる臨床症状が認められ、膵機能検査を行う場合には、血清アミラーゼ以外(血清リパーゼ等)の検査も行うこと。

【過量投与】

  • 1.症状:過量投与時、循環器系の過負荷の原因となるため、肺水腫等が認められる場合がある。
  • 2.処置:過量投与時、投与を中止し、必要に応じ利尿剤を投与すること。

【適用上の注意】

  • 1.全般的な注意:
    • 1)使用時には、感染に対する配慮をすること。
    • 2)注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと(斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある)、また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
  • 2.薬剤調製時の注意:薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
  • 3.薬剤投与時の注意:
    • 1)原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと(輸液セット内に空気が流入するおそれがある)。
    • 2)容器の目盛りは目安として使用すること。
    • 3)残液は使用しないこと。

【その他の注意】

  • 1.臨床使用に基づく情報:
    • 1)海外臨床試験において、重症敗血症<感染が確認されかつSIRS基準を有し少なくとも1つ臓器不全>(=SOFAスコア3以上)患者にHES製剤を使用した場合、酢酸リンゲル液を使用した場合と比較して投与後90日時点での死亡のリスクが増加し腎代替療法を要した患者の割合が高かったとの報告がある(SIRS:全身性炎症反応症候群)。また、敗血症患者を含むICU入院患者にHES製剤を使用した場合、生理食塩液を使用した場合と比較して投与後90日までの死亡のリスクは増加しなかったが、腎代替療法を要した患者の割合が高かったとの報告がある。
    • 2)海外臨床試験において、成人の人工心肺を使用した心臓手術時の輸液管理にHES製剤を使用した場合、アルブミンを使用した場合と比較して輸血が必要となる術後出血及び出血による再手術のリスクが高かったとの報告がある。

【取扱い上の注意】

  • 1.液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  • 2.次の場合には使用しないこと。・ 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合には使用しないこと。・ 容器から薬液が漏れている場合には使用しないこと。・ 性状その他薬液に異状が認められる場合には使用しないこと。・ ゴム栓部のキャップがはずれている場合には使用しないこと。

【保管上の注意】

室温保存。

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