商品名

オルダミン注射用1g 添付文書情報

オルダミン注射用1gの用法用量

〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉

経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に用いる。用時、1バイアルあたり10mLの注射用水又は血管造影用X線造影剤を加えて5%溶液に調製する。通常、成人には静脈瘤1条あたり5%モノエタノールアミンオレイン酸塩として1~5mLを食道静脈瘤内に注入する。なお、注入量は静脈瘤の状態及び患者の病態により適宜増減するが、1内視鏡治療あたりの総注入量は20mL以内とする。

〈胃静脈瘤の退縮〉

バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術に用いる。用時、1バイアルあたり10mLの血管造影用X線造影剤を加えて5%溶液に調製する。通常、成人には5%モノエタノールアミンオレイン酸塩として、1治療あたり0.4mL/kg以内を胃静脈瘤内に注入する。なお、1治療あたり5%モノエタノールアミンオレイン酸塩としての総注入量は30mL以内とする。

〈静脈奇形の硬化退縮〉

静脈奇形の硬化療法に用いる。用時、1バイアルあたり10mLの注射用水又は血管造影用X線造影剤を加えて5%溶液に調製する。通常、5%モノエタノールアミンオレイン酸塩として、1治療あたり0.4mL/kg以内を静脈奇形病変内に注入する。なお、1治療あたり5%モノエタノールアミンオレイン酸塩としての総注入量は30mL以内とする。

オルダミン注射用1gの効能効果

  • [1]食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮。
  • [2]胃静脈瘤の退縮。
  • [3]静脈奇形の硬化退縮。

【効能又は効果に関連する注意】

  • 1.〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮、胃静脈瘤の退縮〉患者の選択にあたっては、経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法又はバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術の適応患者であることを十分に確認すること。
  • 2.〈静脈奇形の硬化退縮〉患者の選択にあたっては、ガイドラインを参考に確定診断された患者で、かつ硬化療法の適応患者であることを十分に確認すること。

オルダミン注射用1gの副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)ショック(0.1%未満)。
    • 2)急性腎障害(0.1%未満):本剤の内皮細胞傷害作用により溶血があらわれ、急性腎障害に至るおそれがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、本剤投与後に血尿等の溶血を示唆する所見が認められた場合には、人ハプトグロビンの投与を行うなど、直ちに適切な処置を行うこと(また、定期的に血液検査などを行うこと)。
    • 3)播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.1%未満)。
    • 4)肝性昏睡(頻度不明):定期的に血液検査などを行うこと。
    • 5)重篤な血栓症:門脈血栓(1%未満)、肺梗塞(頻度不明)、脳血管障害(頻度不明)があらわれることがあるので、投与に際しては本剤の標的とする部位以外への流出に注意するとともに、施行後は患者の状態を十分に観察すること。
    • 6)食道穿孔(頻度不明):食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮を目的として本剤を使用する場合には、食道穿孔があらわれることがあるので、食道静脈瘤外注入とならないよう注意するとともに、施行後は患者の状態を十分に観察すること。
    • 7)胃潰瘍(0.1%未満):重篤な胃潰瘍(巨大胃潰瘍)があらわれることがある。
    • 8)急性呼吸窮迫症候群、肺水腫(頻度不明):急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、胸部X線による両側性びまん性肺浸潤陰影が認められた場合には、呼吸管理、循環管理等の適切な処置を行うこと。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]血液:(5%以上)溶血[胃静脈瘤に係る医師主導臨床試験に基づく発現頻度]、(1~5%未満)白血球増多、貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少、(1%未満)白血球減少。
    • [2]腎臓:(1~5%未満)肉眼的血色素尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、(1%未満)蛋白尿。
    • [3]肝臓:(5%以上)LDH上昇、ビリルビン上昇、(1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、アルブミン低下、(1%未満)γ-GTP上昇、ALP上昇、尿ウロビリノーゲン上昇、血清総蛋白低下。
    • [4]食道:(1~5%未満)食道狭窄、食道潰瘍、*食道静脈瘤[*:胃静脈瘤に係る医師主導臨床試験に基づく発現頻度]、(1%未満)食道内巨大血腫、食道びらん・食道潰瘍出血、(頻度不明)食道静脈瘤出血。
    • [5]消化器:(5%以上)腹痛[胃静脈瘤に係る医師主導臨床試験に基づく発現頻度]、(頻度不明)出血性胃炎、胃潰瘍出血・十二指腸潰瘍出血。
    • [6]胸部:(1~5%未満)胸痛、(1%未満)胸水貯留、縦隔炎。
    • [7]中枢神経系:(1%未満)血圧上昇、頭痛。
    • [8]循環器:(1%未満)血圧低下。
    • [9]筋肉:(1~5%未満)CK上昇。
    • [10]その他:(5%以上)発熱、※腫脹(25.0%)[※:静脈奇形に係る医師主導臨床試験に基づく発現頻度]、(1~5%未満)疼痛、(1%未満)嘔気、心窩部痛、(頻度不明)菌血症。

発現頻度は使用成績調査を含む。

オルダミン注射用1gの使用上の注意

【警告】

ときにショック等の重篤な副作用があらわれることがある。

【禁忌】

  • 1.ショックあるいは前ショック状態にある患者[副作用としてショックが報告されており、症状がさらに悪化するおそれがある]。
  • 2.多臓器障害あるいは播種性血管内凝固症候群(DIC)状態の患者[副作用としてDICが報告されており、症状がさらに悪化するおそれがある]。
  • 3.胃潰瘍出血、十二指腸潰瘍出血又は胃びらん出血のある患者[出血をさらに助長させるおそれがある]。
  • 4.経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に際し、内視鏡検査が危険と判断される患者[全身衰弱状態、心肺機能低下等の患者では内視鏡の挿入操作により症状がさらに悪化するおそれがある]。
  • 5.心肺に重篤な合併症を有する患者[心肺機能の悪化のおそれがある]。
  • 6.腎に重篤な合併症を有する患者。
  • 7.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

【重要な基本的注意】

  • 1.〈効能共通〉本剤は経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法、バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術又は静脈奇形の硬化療法に十分な知識及び経験のある医師が使用すること。
  • 2.〈効能共通〉ときにショック等があらわれることがあるので、本剤による治療に際しては十分に問診し、患者の全身状態を観察し、異常が生じた場合直ちに投与を中止すること。使用に際しては、救急処置がとれるようにすること。
  • 3.〈効能共通〉標的とする部位以外への流出により急性呼吸窮迫症候群、肺水腫があらわれることがあるので、対処部位での血流動態を観察し、流出に注意すること。
  • 4.〈効能共通〉ときに播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、定期的に血液検査などを行うこと。
  • 5.〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉食道静脈瘤周囲に注入した場合、食道潰瘍、食道狭窄の発現の可能性が高くなるので、食道静脈瘤周囲へは注入しないこと。また、食道静脈瘤で、食道静脈瘤外注入となった場合、食道穿孔、食道内巨大血腫が発現することがあるので、十分注意すること。
  • 6.〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に際しては、必要に応じて、血管造影用X線造影剤を混和することにより、本剤が血管内に注入されたことを確認できるように施行することが望ましい。
  • 7.〈静脈奇形の硬化退縮〉標的とする部位以外への流出により、周辺部位の壊死や潰瘍等があらわれることがあるので、流出に注意すること。静脈奇形で顔面の病変に投与し、失明に至った症例が報告されている。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.全身消耗性疾患を有する患者:症状がさらに悪化するおそれがある。
  • 2.心血管障害・脳血管障害のある患者:症状がさらに悪化するおそれがある。

【腎機能障害患者】

  • 1)腎に重篤な合併症を有する患者:投与しないこと(腎障害を増悪させるおそれがある)。
  • 2)腎障害<腎に重篤な合併症を有する場合を除く>のある患者:腎障害を増悪させるおそれがある。

【肝機能障害患者】

  • 1)重篤な肝障害のある患者:肝障害を増悪させるおそれがある。

【妊婦】

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

【授乳婦】

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

【小児等】

〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮、胃静脈瘤の退縮〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。〈静脈奇形の硬化退縮〉低出生体重児、新生児、乳児及び3歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

【高齢者】

用量に注意すること(一般に生理機能が低下している)。

【相互作用】

  • 2.併用注意:ポリドカノール製剤[同時投与を避けることが望ましく、1内視鏡治療で同時に使用すると、食道潰瘍・食道狭窄・胸水貯留の発現率が高くなることが報告されている(同様の作用機序を有する)]。

【過量投与】

  • 1.症状:過量投与時、急性腎障害が発生し、重篤な場合は死亡することがある。
  • 2.処置:過量投与時、乏尿、腎機能低下(血清クレアチニン上昇、BUN上昇等)等の徴候がみられた場合には、利尿剤の投与及び人工透析など適切な処置を行うこと。

【適用上の注意】

  • 1.薬剤調製時の注意:
    • 1)本剤は注射用水又は血管造影用X線造影剤と混和後すみやかに使用すること。
    • 2)細菌の汚染を避けるため、調製は使用直前に行い、使用後の残液は再使用しないこと。
    • 3)低温条件下で保存後に調製すると溶解に時間を要し、また、血管造影用X線造影剤との配合でもヨード含有量が多いものほど溶解に時間を要することが確認されている。
    • 4)溶液の調製方法及び使用方法:
      • (1)本剤のバイアルのフリップオフキャップを外し、ゴム栓表面をアルコール綿で清拭する。次いで、希釈剤として10mLの注射用水又は血管造影用X線造影剤を注射筒に取り、ゴム栓の中心部に注射針を垂直に刺入してバイアル内に注入する。
      • (2)注入後、水平方向に振って均一に溶解していることを確認した上で使用すること。希釈剤としての適否は次のとおりである。
        • [1]注射用水:適。
        • [2]生理食塩液:不適[白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用しないこと]。
        • [3]血管造影用X線造影剤:
          • ①.イオパミドール製剤<ヨード含有量:300・370mg/mL>:適。
          • ②.イオヘキソール製剤<ヨード含有量:300・350mg/mL>:適。
          • ③.イオベルソール製剤<ヨード含有量:320・350mg/mL>:不適[白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用しないこと]。
          • ④.イオメプロール製剤<ヨード含有量:300・350・400mg/mL>:適。
          • ⑤.イオプロミド製剤<ヨード含有量:300・370mg/mL>:不適[白濁することがあるので使用しないこと]。
      • (3)本剤は、調製時の振盪によって溶液中に微細な気泡が分散した状態となるが、1~3分の静置で気泡が溶液の表面に集結するので、表面の気泡を避けるように注意して注射筒に吸引する。
  • 2.薬剤投与時の注意:
    • 1)〈効能共通〉注入量は必要最小限にとどめること。
    • 2)〈効能共通〉ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること。
    • 3)〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉食道静脈瘤周囲には使用しないこと。
    • 4)〈胃静脈瘤の退縮〉胃静脈瘤の退縮の場合、静脈から逆行性に胃静脈瘤の排血路にバルーン付きカテーテルを挿入し、バルーンを拡張させて排血路を閉塞させ、カテーテルを通じ、透視下に胃静脈瘤内を充填できるまで本剤を注入する。
    • 5)〈胃静脈瘤の退縮〉胃静脈瘤の退縮の場合、本剤を胃静脈瘤に対してバルーン閉塞下に注入する前に、他の排血路を血管塞栓用コイル等にて塞栓し、可能な限り本剤が流出しないように注意すること。
    • 6)〈胃静脈瘤の退縮〉胃静脈瘤の退縮の場合、本剤を胃静脈瘤内に注入した後はバルーンを拡張させたまま一定時間保持すること。

【その他の注意】

  • 1.臨床使用に基づく情報:
    • 1)〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉内視鏡的食道静脈瘤硬化療法後に食道癌の発現が報告されている。

【保管上の注意】

室温保存。

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