オルガラン静注1250単位の用法・用量
通常、成人にはダナパロイドナトリウムとして1回1250抗第10a因子活性単位を12時間ごとに静脈内注射する(1日量2500抗第10a因子活性単位)。なお、症状に応じ適宜減量する。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.本剤の抗第10a因子活性単位は本薬独自の標準品を用いて測定しており、ヘパリン又は低分子ヘパリン類の抗第10a因子活性単位と同一ではないので注意すること。
- 2.20日を越える投与は経験が少なく、安全性は確認されていない。
オルガラン静注1250単位の効能・効果
汎発性血管内血液凝固症(DIC)。
オルガラン静注1250単位の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難)があらわれることがある。
- 2)血小板減少症(頻度不明):ヘパリン又は低分子ヘパリンで起因される血小板減少症(HIT)の既往歴のある患者のうち、ときに本剤投与により血小板減少症があらわれることがあるので、既往歴のある患者では本剤投与後に血小板数を測定し、著明な血小板減少がみられたときには、投与を中止すること。
- 3)出血(頻度不明):消化管出血等の重篤な出血があらわれることがある。
- 4)ショック(頻度不明)。
- 2.その他の副作用:
- [1]精神神経系:(1%未満)めまい。
- [2]過敏症:(頻度不明)発疹、局所過敏反応又は全身過敏反応。
- [3]血液:(1%未満)赤血球数減少、血色素量減少、ヘマトクリット減少、白血球数減少、好酸球増多、好塩基球増多、単球増多。
- [4]肝臓:(1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、(1%未満)総ビリルビン上昇、ALP上昇、LAP上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇。
- [5]腎臓:(1%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白、尿潜血。
- [6]代謝異常:(1%未満)中性脂肪上昇。
- [7]その他:(頻度不明)血腫。
オルガラン静注1250単位の使用上の注意
【重要な基本的注意】
- 1.類薬で、脊椎・硬膜外麻酔の併用あるいは腰椎穿刺の併用等により、穿刺部位血腫が生じ、神経の圧迫により麻痺に至ったとの報告があるので、このような場合に本剤を使用するときには、患者の神経障害の徴候及び症状を十分観察し、異常がみられた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.出血している患者:血友病、血小板減少性紫斑病、消化管潰瘍、脳内出血のある患者には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(出血を助長するおそれがある)。
- 2.血液透析が必要な患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(排泄遅延により、出血を起こすおそれがあり、また、投与中に血液透析が必要な状態に至った場合には速やかに投与を中止する)。
- 3.本剤又は亜硫酸塩に対し過敏症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(添加剤として乾燥亜硫酸ナトリウムを含有している)。
- 4.出血する可能性が高い患者:急性細菌性心内膜症、重症高血圧症、糖尿病網膜症の患者には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血管や臓器の障害部位に出血が起こるおそれがある)。
- 5.ヘパリン起因性血小板減少症の既往歴がありヘパリン抗体と本剤との交差反応性(HITの既往歴がありヘパリン抗体と本剤との交差反応性)のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
- 6.脳手術後日の浅い、脊椎手術後日の浅い、眼科手術後日の浅い又は頭部外傷後日の浅い患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(出血を助長することがある)。
- 7.喘息のある患者:添加剤として使用している乾燥亜硫酸ナトリウムに対して感受性の高い患者ではアナフィラキシー様症状を起こすおそれがある。
【腎機能障害患者】
- 1)重篤な腎障害のある患者:血清クレアチニン値が2mg/dL以上の場合には、投与量を減らすか投与間隔を延ばす、又は投与の中止を考慮すること(排泄遅延により、出血を起こすおそれがある)。
【肝機能障害患者】
- 1)重篤な肝障害のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(凝固因子やアンチトロンビン3の産生が低下しているので、本剤の作用が変動するおそれがある)。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
授乳中の女性への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中では抗第10a因子活性は認められなかったとの報告があるが、動物実験(ラット)において3H-ダナパロイドナトリウムを投与したとき、放射活性の乳汁中への移行が認められたとの報告がある)。
【小児等】
小児等を対象として臨床試験は実施していない。
【高齢者】
一般に生理機能が低下している。
【相互作用】
- 2.併用注意:
- [1]抗凝固剤[本剤の作用が増強するおそれがある(本剤とこれら薬剤の抗凝固作用が相加的に作用し、出血作用が増強するおそれがある)]。
- [2]血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤等)[類似化合物<ヘパリン>でその作用を増強することが報告されている(本剤の抗凝固作用とこれら薬剤のフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強するおそれがある)]。
- [3]血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩等)、非ステロイド系抗炎症剤等[類似化合物<ヘパリン>でその作用を増強することが報告されている(本剤の抗凝固作用とこれら薬剤の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強するおそれがある)]。
- [4]ペニシリン系抗生物質(クロキサシリンナトリウム、チカルシリンナトリウム)[本剤の作用が増強するおそれがある(これら薬剤と相加的に作用し、出血傾向が増強するおそれがある)]。
- [5]潰瘍性のある薬剤(コルチコステロイド)[本剤により出血傾向が増強するおそれがある(これら薬剤による潰瘍性出血が増強するおそれがある)]。
- [6]強心配糖体(ジゴキシン)[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の抗第10a因子活性のクリアランスが増加し、消失半減期が短縮する)]。
- [7]テトラサイクリン系抗生物質、ニトログリセリン製剤[類似化合物<ヘパリン>でその作用を減弱することが報告されている(機序は不明である)]。
【過量投与】
- 1.症状:過量投与時、出血症状があらわれるおそれがある。
- 2.処置:過量投与時、凝血能の変動に注意し、異常がみられた場合には新鮮凍結人血漿を投与する又は血漿分離交換法(プラスマフェレーシス)などの適切な処置を行うこと(なお、プロタミンは部分的に本剤の抗凝固活性を中和するが、その効果は不十分である)。
【保管上の注意】
室温保存。
オルガラン静注1250単位の成分一致薬品
成分一致薬品は見つかりませんでした。