オテズラ錠20mgの用法・用量
通常、成人にはアプレミラストとして次のとおり経口投与し、6日目以降はアプレミラストとして1回30mgを1日2回、朝夕に経口投与する。
- [1]1日目:朝10mg。
- [2]2日目:朝10mg、夕10mg。
- [3]3日目:朝10mg、夕20mg。
- [4]4日目:朝20mg、夕20mg。
- [5]5日目:朝20mg、夕30mg。
- [6]6日目以降:朝30mg、夕30mg。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.〈効能共通〉投与開始時に漸増投与を行わなかった場合、悪心、下痢、嘔吐等の発現率が高いことが示されているため、「用法・用量」を遵守すること。
- 2.〈効能共通〉重度腎機能障害患者(Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス値が30mL/min未満)では、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性があることから、本剤30mgを1日1回投与するなど、減量も考慮し、慎重に投与すること(なお、本剤30mgを1日1回投与とする場合、投与開始時は朝の用量のみ投与すること)。
- 3.〈局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉本剤による治療反応は、通常投与開始から24週以内に得られるため、24週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
オテズラ錠20mgの効能・効果
- [1]局所療法で効果不十分な尋常性乾癬。
- [2]乾癬性関節炎。
- [3]局所療法で効果不十分なベーチェット病による口腔潰瘍。
【効能又は効果に関連する注意】
- 1.〈局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉次のいずれかを満たす尋常性乾癬又は乾癬性関節炎患者に投与すること[1)ステロイド外用剤等で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者、2)難治性の皮疹又は関節症状を有する患者]。
オテズラ錠20mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)重篤な感染症(0.7%):ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある。
- 2)重篤な過敏症(0.1%未満):アナフィラキシー等の過敏症があらわれることがある。
- 3)重度下痢(頻度不明)。
- 2.その他の副作用:
- [1]感染症・寄生虫症:(1~5%未満)上気道感染、ウイルス性上気道感染、気管支炎、副鼻腔炎、(1%未満)尿路感染、咽頭炎、上咽頭炎。
- [2]胃腸障害:(5%以上)下痢、悪心、(1~5%未満)嘔吐、消化不良、腹痛、上腹部痛、排便回数増加、腹部不快感、胃食道逆流性疾患、軟便、(1%未満)腹部膨満。
- [3]神経系障害・精神障害:(5%以上)頭痛、(1~5%未満)緊張性頭痛、片頭痛、(1%未満)浮動性めまい、不眠症、うつ病。
- [4]代謝・栄養障害:(1~5%未満)食欲減退、体重減少。
- [5]その他:(1~5%未満)疲労、乾癬、(1%未満)咳嗽、高血圧、そう痒症、発疹、背部痛、過敏症。
オテズラ錠20mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 2.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。
【重要な基本的注意】
本剤の投与は適応疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.感染症の患者、感染症が疑われる又は再発性感染症の既往歴のある患者:感染症を悪化又は顕在化させるおそれがある。
【腎機能障害患者】
- 1)重度腎機能障害のある患者(Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス値が30mL/min未満):減量を考慮し、慎重に投与すること(本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがある)。
【生殖能を有する者】
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与前に問診等により妊娠していないことを確認し、本剤が胚胎児毒性のリスクを有する可能性があることを説明した上で投与を開始すること(また、妊娠可能な女性には、投与期間中は適切な避妊を行うよう指導すること)。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(マウスで臨床用量の2.3倍に相当する用量で早期吸収胚数増加及び着床後胚損失率増加、胎仔体重減少、骨化遅延が、サルで臨床用量の2.1倍に相当する用量で流産が認められており、ヒトにおいて胚胎児毒性を引き起こす可能性が否定できない)。
【授乳婦】
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、本剤を投与した動物試験(マウス)で乳汁への移行が報告されている)。
【小児等】
小児等は臨床試験では除外されている。
【高齢者】
感染症、下痢、悪心、嘔吐等の副作用の発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
【相互作用】
本剤は主にCYP3A4で代謝される。
- 2.併用注意:CYP3A4酵素誘導作用を有する薬剤(リファンピシン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、フェニトイン等)[本剤の効果の減弱に注意すること(本剤の血漿中濃度が減少すると考えられる)]。
【適用上の注意】
- 1.薬剤交付時の注意:
- 1)PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- 2)錠剤を噛み砕いたり、割ったりせずに服用するよう指導すること。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:〈局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉国内臨床試験(254例)において、うつ病及び自殺関連事象は報告されなかった。局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎の場合、海外臨床試験(併合)のプラセボ対照期において、うつ病は、プラセボ群1411例中8例(0.6%)、本剤30mg1日2回投与群1668例中17例(1.0%)に認められ、このうちプラセボ群2例(0.1%)、本剤30mg1日2回投与群4例(0.2%)については本剤との因果関係は否定されなかった。また自殺関連事象は、プラセボ群1411例中1例(0.1%:自殺既遂)、本剤30mg1日2回投与群1668例中2例(0.1%:自殺企図、自殺念慮各1例)に認められ、いずれも本剤との因果関係は否定されている。海外臨床試験(併合)の本剤の全投与期間において、うつ病は、本剤30mg1日2回投与群2357例中63例(2.7%)に認められ、このうち10例(0.4%)については本剤との因果関係は否定されなかった。また自殺関連事象は、本剤30mg1日2回投与群2357例中3例(0.1%:自殺企図2例、自殺念慮1例)に認められ、いずれも本剤との因果関係は否定されている。〈局所療法で効果不十分なベーチェット病による口腔潰瘍〉国際共同第3相試験のプラセボ対照期において、うつ病は、プラセボ群103例中1例(1.0%)、本剤30mg1日2回投与群104例中1例(1.0%)に認められ、このうちプラセボ群1例については治験薬との因果関係は否定されなかった。本剤全投与期間においてうつ病は本剤30mg1日2回投与群187例中2例(1.1%)に認められ、いずれも本剤との因果関係は否定されている。また、自殺関連事象は、プラセボ対照期及び本剤全投与期間のいずれでも認められなかった。
【保管上の注意】
室温保存。