商品名

リットフーロカプセル50mg 添付文書情報

リットフーロカプセル50mgの用法用量

通常、成人及び12歳以上の小児には、リトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与する。

【用法及び用量に関連する注意】

  • 1.免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤と免疫調整生物製剤、他の経口JAK阻害剤、シクロスポリン等の強力な免疫抑制剤<感染症のリスクが増加>との併用はしないこと(本剤とこれらの薬剤との併用経験はない)。
  • 2.本剤による治療反応は、通常投与開始から48週までには得られるため、48週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。

リットフーロカプセル50mgの効能効果

円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)。

【効能又は効果に関連する注意】

  • 1.本剤投与開始時に、頭部全体の概ね50%以上に脱毛が認められ、過去6ヵ月程度毛髪に自然再生が認められない患者に投与すること。
  • 2.円形脱毛症以外の脱毛症に対する適応はない。

リットフーロカプセル50mgの副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)感染症:帯状疱疹(0.9%)、口腔ヘルペス(0.8%)、単純ヘルペス(0.5%)、COVID-19(0.2%)、敗血症(0.1%)等があらわれることがある。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、感染症がコントロールできるようになるまで本剤を休薬すること。
    • 2)リンパ球減少(1.6%)、血小板減少(0.3%)、ヘモグロビン減少(0.2%)、好中球減少(0.2%)。リンパ球数:本剤投与開始後、リンパ球数が500/mm3未満となった場合には、500/mm3以上に回復するまで休薬すること。血小板数:本剤投与開始後、血小板数が100000/mm3未満となった場合には、100000/mm3以上に回復するまで休薬すること。ヘモグロビン値:本剤投与開始後、ヘモグロビン値が8.0g/dL未満となった場合には、8.0g/dL以上に回復するまで休薬すること。好中球数:本剤投与開始後、好中球数が1000/mm3未満となった場合には、1000/mm3以上に回復するまで休薬すること。
    • 3)静脈血栓塞栓症(頻度不明)。
    • 4)肝機能障害:ALT上昇(0.9%)、AST上昇(0.5%)等を伴う肝機能障害(頻度不明)があらわれることがある。
    • 5)出血:鼻出血(0.5%)、尿中血陽性(0.1%)、挫傷(0.1%)等の出血(頻度不明)があらわれることがある。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]胃腸障害:(1%以上)悪心、下痢、腹痛、(1%未満)口内乾燥、消化不良、嘔吐、腹部膨満、便秘、慢性胃炎。
    • [2]一般・全身障害及び投与部位の状態:(1%以上)疲労、(1%未満)発熱。
    • [3]感染症及び寄生虫症:(1%以上)気道感染、咽頭炎、毛包炎、尿路感染、(1%未満)胃腸炎、副鼻腔炎、膀胱炎、皮膚感染、鼻炎、扁桃炎。
    • [4]筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)筋肉痛、筋痙縮、顎痛。
    • [5]血液及びリンパ系障害:(1%未満)貧血、白血球減少症。
    • [6]呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)咳嗽、口腔咽頭痛、鼻漏。
    • [7]耳及び迷路障害:(1%未満)難聴、耳鳴、耳痛。
    • [8]神経系障害:(1%以上)頭痛、(1%未満)浮動性めまい、錯感覚、感覚鈍麻。
    • [9]生殖系及び乳房障害:(1%未満)不規則月経。
    • [10]精神障害:(1%未満)不眠症、睡眠障害。
    • [11]代謝及び栄養障害:(1%未満)高コレステロール血症。
    • [12]皮膚及び皮下組織障害:(1%以上)ざ瘡、蕁麻疹、(1%未満)皮膚そう痒症、発疹、脱毛症、アレルギー性皮膚炎。
    • [13]臨床検査:(1%未満)CK増加、SARS-CoV-2検査陽性、体重増加、血中コレステロール増加。

発現頻度は円形脱毛症患者を対象とした臨床試験及び尋常性白斑患者を対象とした臨床試験のデータを併合し集計した。

リットフーロカプセル50mgの使用上の注意

【警告】

  • 1.本剤投与により、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは重篤な感染症悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等が報告され、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されていることを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
  • 2.感染症:
    • 1)重篤な感染症:敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。
    • 2)結核:ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤において、播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎結核、リンパ節結核等)を含む結核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与すること。JAK阻害剤において、ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者に投与後活動性結核が認められた例も報告されている。
  • 3.本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。

【禁忌】

  • 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
  • 2.重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状が悪化するおそれがある]。
  • 3.活動性結核の患者[症状が悪化するおそれがある]。
  • 4.重度肝機能障害<Child Pugh分類C>のある患者。
  • 5.好中球数が1000/mm3未満の患者。
  • 6.リンパ球数が500/mm3未満の患者。
  • 7.ヘモグロビン値が8.0g/dL未満の患者。
  • 8.血小板数が100000/mm3未満の患者。
  • 9.妊婦又は妊娠している可能性のある女性。

【重要な基本的注意】

  • 1.本剤は、免疫反応に関与するJAK3及びTECファミリーキナーゼを阻害するので、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性があり、本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や感染症増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること(TEC:tyrosine kinase expressed in hepatocellular carcinoma)。
  • 2.本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。本剤投与中は胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。
  • 3.ヘルペスウイルスを含むウイルス再活性化(帯状疱疹、口腔ヘルペス等)が報告されていることから、ヘルペスウイルス再活性化等の徴候や症状の発現に注意すること(ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、本剤の投与を中断し速やかに適切な処置を行うこと)。また、ヘルペスウイルス以外のウイルス再活性化にも注意すること。
  • 4.JAK阻害剤によるB型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。
  • 5.感染症発現のリスクを否定できないので、本剤開始直前及び投与中の生ワクチンの接種は行わないこと。
  • 6.好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少及び血小板減少があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与開始後は定期的に好中球数、リンパ球数、ヘモグロビン値及び血小板数を確認すること。
  • 7.総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇及びトリグリセリド上昇等の脂質検査値異常があらわれることがあるので、本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認すること(臨床上必要と認められた場合には、脂質異常症治療薬の投与等の適切な処置を行うこと)。
  • 8.肝機能障害があらわれることがあるので、トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十分に行うこと。
  • 9.固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者。
  • 2.結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
    • (1)結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。
    • (2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
  • 3.B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):肝機能検査値やHBV DNAのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。JAK阻害剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。なお、HBs抗原陽性、又はHBs抗原陰性かつHBc抗体陽性かつHBs抗体陰性、又はHBV DNA陽性の患者は臨床試験では除外されている。
  • 4.C型肝炎患者:HCV抗体陽性及びHCV RNA陽性の患者は臨床試験では除外されている。
  • 5.易感染性の状態にある患者:感染症を発現するリスクが高い。
  • 6.好中球減少<好中球数1000/mm3未満を除く>のある患者:好中球減少が更に悪化するおそれがある。
  • 7.リンパ球減少<リンパ球数500/mm3未満を除く>のある患者:リンパ球減少が更に悪化するおそれがある。
  • 8.ヘモグロビン値減少<ヘモグロビン値8.0g/dL未満を除く>のある患者:ヘモグロビン減少が更に悪化するおそれがある。
  • 9.血小板減少<血小板数100000/mm3未満を除く>のある患者:血小板減少が更に悪化するおそれがある。
  • 10.静脈血栓塞栓症のリスクを有する患者。

【肝機能障害患者】

  • 1)重度肝機能障害<Child Pugh分類C>のある患者:投与しないこと(重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない)。

【生殖能を有する者】

妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

【妊婦】

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。ラット及びウサギの胚・胎仔発生試験において、器官形成期の経口投与で胎仔毒性が認められ、このときの血漿中薬物濃度は円形脱毛症患者に本剤50mgを1日1回投与したときの血漿中濃度と比較したときそれぞれ49倍及び55倍であった。ラットの出生前及び出生後の発生に関する試験では、出生後生存率低下及び出生仔体重低下、性成熟への影響並びに黄体数減少が認められ、このときの血漿中薬物濃度は円形脱毛症患者に本剤50mgを1日1回投与したときの血漿中濃度と比較したとき41倍であった。

【授乳婦】

本剤投与中は授乳しないことが望ましい(ラットで乳汁中へ移行することが報告されている)。

【小児等】

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

【相互作用】

本剤はCYP3Aに対する中程度の阻害作用及びCYP1A2に対する阻害作用を有する。

  • 2.併用注意:
    • [1]CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム等)[安全域が狭いCYP3A基質であり、血中濃度の上昇により重篤な副作用が発現する可能性のある薬剤と併用する場合には慎重に投与し、必要に応じて減量を考慮すること(本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
    • [2]CYP1A2の基質となる薬剤(テオフィリン等)[安全域が狭いCYP1A2基質であり、血中濃度の上昇により重篤な副作用が発現する可能性のある薬剤と併用する場合には慎重に投与し、必要に応じて減量を考慮すること(本剤がCYP1A2を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

【適用上の注意】

  • 1.薬剤交付時の注意:
    • 1)PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

【その他の注意】

  • 1.臨床使用に基づく情報:
    • 1)円形脱毛症患者を対象とした臨床試験4試験の併合解析において、本剤50mg併合群[50mg投与例、200/50mg投与例(200mgを4週間投与後50mg投与)(プラセボ→50mg投与例、プラセボ→200/50mg投与例の本剤が投与された後のデータを含む)並びに第2/3相プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較用量設定試験の10mg、30mg及び200/30mg投与例(200mgを4週間投与後30mg投与)の被験者で非盲検非対照長期投与試験に移行し、本剤50mgが投与された後のデータを併合]の重篤な感染症の発現頻度(因果関係を問わない)は1.0%(12/1228例)であり、100人年あたりの発現率(crude incidence rate)は0.59であった。また、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>及び非黒色腫皮膚癌の発現頻度(因果関係を問わない)はそれぞれ0.6%(7/1228例)及び0.2%(3/1228例)であり、100人年あたりの発現率はそれぞれ0.34及び0.15であった。
    • 2)心血管系事象のリスク因子を有する関節リウマチ患者を対象としたJAK阻害剤トファシチニブクエン酸塩の海外臨床試験の結果、主要評価項目である主要な心血管系事象(Major Adverse Cardiovascular Events:MACE)及び悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率について、TNF阻害剤群に対するハザード比(95%信頼区間)はそれぞれ1.33(0.91,1.94)及び1.48(1.04,2.09)であり、95%信頼区間上限は予め設定していた非劣性マージン1.8を超え、TNF阻害剤群に対する非劣性が検証されなかったことが報告されている。
  • 2.非臨床試験に基づく情報:ラットのがん原性試験(24ヵ月投与)において、100mg/kg/日の雌で良性胸腺腫、100mg/kg/日の雄で良性甲状腺濾胞細胞腺腫の発現頻度の上昇が認められ、このときの血漿中薬物濃度は円形脱毛症患者に本剤50mgを1日1回投与したときの血漿中濃度と比較したとき29倍であった。イヌの9ヵ月間反復投与毒性試験において、軸索ジストロフィーが20mg/kg/日以上で認められ、このときの血漿中薬物濃度は円形脱毛症患者に本剤50mgを1日1回投与したときの血漿中濃度と比較したとき14倍であった。また、本剤はJAK阻害作用を有することから免疫系及び造血系へ影響を及ぼす可能性があり、非臨床試験ではリンパ球数減少及び赤血球数減少等に加えて、免疫抑制に起因する二次的な作用(日和見感染症など)がみられた。ラットの受胎能試験において、本剤を投与した雄と交配した無処置の雌において着床前胚損失率上昇が認められ、このときの血漿中薬物濃度は円形脱毛症患者に本剤50mgを1日1回投与したときの血漿中濃度と比較したとき55倍であった。精子形成(精子数、精子形成率、運動性及び形態)に対する影響はみられなかった。

【保管上の注意】

室温保存。

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