アルケラン錠2mgの用法・用量
- (1)1日1回メルファランとして2~4mgを連日経口投与する。
- 又は、
- (2)1日1回メルファランとして6~10mgを4~10日間(総量40~60mg)経口投与し、休薬して骨髄機能の回復を待ち(通常2~6週間)、1日2mgの維持量を投与する。
- 又は、
- (3)1日1回メルファランとして6~12mgを4~10日間(総量40~60mg)経口投与し、休薬して骨髄機能の回復を待ち(通常2~6週間)、同様の投与法を反復する。
なお、投与中は頻回に血液検査を行い、特に白血球数、血小板数を指標として適宜用量を増減又は休薬する。
【用法及び用量に関連する注意】
本剤の投与により、骨髄抑制があらわれるので血液検査を十分に行い、特に白血球数3000/mm3以下又は血小板数100000/mm3以下に減少した場合は骨髄機能が回復するまで減量又は休薬すること。
アルケラン錠2mgの効能・効果
次記疾患の自覚的ならびに他覚的症状の寛解:多発性骨髄腫。
アルケラン錠2mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)骨髄抑制(66.0%):汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血があらわれることがある。
- 2)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):症状に伴ってまれに心停止(頻度不明)が起こることがある。
- 3)重篤な肝障害(7.5%)、黄疸(2.2%):肝炎や黄疸があらわれることがある。
- 4)間質性肺炎、肺線維症(いずれも頻度不明):異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
- 5)溶血性貧血(頻度不明)。
- 2.その他の副作用:
- [1]消化器:(0.1%以上)悪心、嘔吐、食欲不振、口内炎、(頻度不明)腹痛、胃重感、下痢、腹部膨満感、胃潰瘍・十二指腸潰瘍。
- [2]過敏症:(0.1%以上)発疹、(頻度不明)発熱、そう痒感、紅斑、丘疹、めまい、血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹、浮腫。
- [3]皮膚:(0.1%以上)脱毛。
- [4]肝臓:(0.1%以上)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇。
- [5]その他:(頻度不明)感染誘発、卵巣機能不全、月経異常、BUN増加。
アルケラン錠2mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.白血球数2000/mm3以下又は血小板数50000/mm3以下に減少した患者[致死的感染症誘発や出血傾向増大の危険性が高くなる]。
- 2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
【重要な基本的注意】
- 1.骨髄抑制があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
- 2.骨髄異形成症候群(MDS)、急性白血病が発生したとの報告があるので、本剤を投与する際は、患者に対する有益性及び危険性を考慮すること。
【合併症・既往歴等のある患者】
- 1.他の化学療法剤投与中又は化学療法剤投与直後の患者あるいは放射線照射中又は放射線照射直後の患者:重症の骨髄抑制があらわれるおそれがある。
- 2.感染症がある患者:感染症が増悪するおそれがある。
- 3.尿毒症を伴う患者:観察を十分に行い適宜減量のこと(本剤の毒性が増大される)。
【腎機能障害患者】
投与量が過多にならないよう考慮すること(腎機能障害のある患者では本剤のクリアランスが低下し、本剤による副作用が増強するおそれがある)。
【生殖能を有する者】
- 1)妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること。
- 2)パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠する可能性のある男性には、投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること(5mg/kg以上を雄マウスに投与した実験で生殖細胞に対する遺伝毒性が報告されている)。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(妊娠中に本剤を使用する場合、又は本剤を使用中に妊娠した場合は、胎児に異常が生じる可能性があることを患者に説明すること(動物試験(雌ラット)に大量投与(1.0mg/kg以上)した際に、胚死亡・胎仔死亡及び催奇形性が報告されており、また他のアルキル化剤(シクロホスファミド)で催奇形性を疑う症例報告がある))。
【授乳婦】
授乳しないことが望ましい。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)。
【過量投与】
- 1.症状:本剤の過量の経口投与において、最も起こり得る初期症状は悪心、嘔吐及び下痢であり、また、主な副作用は白血球減少、血小板減少及び貧血をきたす骨髄抑制である。
- 2.処置:本剤は血液透析により除去されないとの報告がある(本剤の過量投与が疑われた場合は、輸血、血液造血因子、抗感染症薬の投与等の支持療法を行い、また、必要に応じ無菌管理を考慮すること)。
【その他の注意】
- 1.臨床使用に基づく情報:本剤を投与した患者において染色体異常が認められたとの報告がある。
- 2.非臨床試験に基づく情報:
- 1)マウス(1回0.75及び1.5mg/kgを週3回、6ヵ月間、腹腔内投与)及びラット(1回0.9及び1.8mg/kgを週3回、6ヵ月間、腹腔内投与)におけるがん原性試験で、マウスでは肺腫瘍及びリンパ肉腫の発生、ラットでは腹膜肉腫の発生が報告されている。
- 2)本剤は動物試験(ラット及びマウス)において遺伝毒性が認められている。
- 3)動物試験(ラット及びイヌ)において精子形成抑制作用が認められたとの報告がある。
- 4)類縁薬シクロホスファミドを投与した雄ラットを、シクロホスファミドを投与しない雌ラットと交配させたところ、胎仔死亡増加及び奇形を認めたとの報告がある。
【取扱い上の注意】
開封後は湿気を避けて遮光して保存すること。
【保管上の注意】
2~8℃で保存。