商品名

ジカディア錠150mg 添付文書情報

ジカディア錠150mgの用法用量

通常、成人にはセリチニブとして450mgを1日1回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

【用法及び用量に関連する注意】

副作用により本剤を休薬、減量、中止する場合には、次の基準を考慮すること。また、1日150mgで投与継続が困難な場合は、本剤を中止すること。

[副作用に対する休薬、減量及び中止基準]

  • [1]間質性肺疾患:Gradeを問わない;投与中止。
  • [2]肝機能障害:
    • ①.a.Grade1以下のAST増加かつGrade2の血中ビリルビン増加又はGrade1以下のALT増加かつGrade2の血中ビリルビン増加、b.Grade2のAST増加かつGrade1以下の血中ビリルビン増加又はGrade2のALT増加かつGrade1以下の血中ビリルビン増加又はGrade3のAST増加かつGrade1以下の血中ビリルビン増加又はGrade3のALT増加かつGrade1以下の血中ビリルビン増加;AST増加、ALT増加及び血中ビリルビン増加がGrade1以下に回復するまで休薬する(投与再開時には、7日間以内に軽快した場合は休薬前と同じ投与量、7日間を超えて軽快した場合は投与量を150mg減量する)。
    • ②.a.Grade1以下のAST増加かつGrade3の血中ビリルビン増加又はGrade1以下のALT増加かつGrade3の血中ビリルビン増加、b.Grade2以上AST増加・正常上限1.5倍超2倍以下血中ビリルビン増加又はGrade2以上ALT増加・正常上限1.5倍超2倍以下血中ビリルビン増加;AST増加、ALT増加及び血中ビリルビン増加がGrade1以下に回復するまで休薬する(7日間以内に軽快した場合は、投与量を150mg減量して投与再開し、7日間以内に軽快しない場合は、投与中止する)。
    • ③.Grade4のAST増加かつGrade1以下の血中ビリルビン増加又はGrade4のALT増加かつGrade1以下の血中ビリルビン増加;AST増加及びALT増加がGrade1以下に回復するまで休薬する(投与再開時には、投与量を150mg減量する)。
    • ④.a.Grade4の血中ビリルビン増加、b.Grade2以上のAST増加かつ正常上限の2倍超の血中ビリルビン増加又はGrade2以上のALT増加かつ正常上限の2倍超の血中ビリルビン増加;投与中止。
  • [3]QT間隔延長:
    • ①.QTc500msec超が2回以上認められた場合;ベースライン又は481msec未満に回復するまで休薬する(投与再開時には、投与量を150mg減量する)。
    • ②.QTc500msec超かつTorsade de pointes、QTc500msec超かつ多形性心室性頻脈又はQTc500msec超かつ重症不整脈、又はベースラインからのQTc延長が60msec超かつTdp、ベースラインからのQTc延長が60msec超かつ多形性心室性頻脈又はベースラインからのQTc延長が60msec超かつ重症不整脈の徴候・症状が認められた場合;投与中止(Tdp:Torsade de pointes)。
  • [4]徐脈:
    • ①.症候性で治療を要する重篤な徐脈の場合;無症候性又は心拍数が60bpm以上に回復するまで休薬する(投与再開時には、投与量を150mg減量する)。
    • ②.生命の危険があり緊急治療を要する徐脈の場合;投与中止。
  • [5]悪心・嘔吐・下痢:a.Grade3以上の悪心・Grade3以上の嘔吐・Grade3以上の下痢、b.適切な制吐剤の使用にもかかわらずコントロールできない悪心・制吐剤の使用にもかかわらずコントロールできない嘔吐又は止瀉剤の使用にもかかわらずコントロールできない下痢の場合;Grade1以下に回復するまで休薬する(投与再開時には、投与量を150mg減量する)。
  • [6]高血糖:適切な治療を行っても250mg/dLを超える高血糖が持続する場合;血糖がコントロールできるまで休薬する(投与再開時には、投与量を150mg減量して再開する)。
  • [7]リパーゼ又はアミラーゼ増加:Grade3以上のリパーゼ増加又はGrade3以上のアミラーゼ増加;Grade1以下に回復するまで休薬する(投与再開時には、投与量を150mg減量する)。

GradeはCTCAE ver.4に準じる。

ジカディア錠150mgの効能効果

ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。

【効能又は効果に関連する注意】

  • 1.十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ALK融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いること)。
  • 2.本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

ジカディア錠150mgの副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)間質性肺疾患(0.6%)。
    • 2)肝機能障害(4.2%):ALT上昇、AST上昇、総ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
    • 3)QT間隔延長(7.5%)、徐脈(1.8%)。
    • 4)重度下痢(1.1%):脱水、電解質異常等の異常が認められた場合には、本剤を休薬、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
    • 5)高血糖(2.9%)・糖尿病(0.2%)。
    • 6)膵炎(0.2%):腹痛等の膵炎を示唆する症状が認められた場合や膵酵素上昇が持続する場合には、画像診断等を行うこと。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]感染症及び寄生虫症:(10%未満)感染症(肺炎、口腔カンジダ症、胃腸炎、肺感染、鼻咽頭炎等)。
    • [2]血液及びリンパ系障害:(10%未満)貧血。
    • [3]代謝及び栄養障害:(20%以上)食欲減退、(10%未満)低リン酸血症。
    • [4]眼障害:(10%未満)視覚障害(霧視、光視症、視力障害、硝子体浮遊物、眼調節障害、老視等)。
    • [5]心臓障害:(10%未満)心膜炎。
    • [6]胃腸障害:(20%以上)*悪心(34.8%)、*下痢(50.6%)、*嘔吐、腹痛(31.3%)、(10%未満)食道障害(胃食道逆流性疾患、嚥下障害)、消化不良、便秘。
    • [7]肝胆道系障害:(20%以上)肝機能検査値異常(52.8%)(ALT増加(44.5%)、AST増加(38.0%)、γ-GTP増加、血中ビリルビン増加等)。
    • [8]皮膚及び皮下組織障害:(10~20%未満)発疹。
    • [9]腎及び尿路障害:(10~20%未満)血中クレアチニン増加、(10%未満)腎機能障害、腎不全。
    • [10]全身障害:(20%以上)疲労。
    • [11]臨床検査:(10~20%未満)体重減少、(10%未満)アミラーゼ増加、リパーゼ増加。

*)悪心、下痢、嘔吐の副作用発現頻度はA2112試験の450mg食後投与群の集計。

ジカディア錠150mgの使用上の注意

【警告】

  • 1.本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  • 2.本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部CT検査等の実施など、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。

【禁忌】

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

【重要な基本的注意】

  • 1.間質性肺疾患があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。また、胸部CT検査等の実施など、患者の状態を十分観察すること。必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLCO)等の検査を行うこと。
  • 2.肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
  • 3.QT間隔延長、徐脈があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に心電図及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、また、脈拍、血圧測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること(また、必要に応じて電解質を補正すること)。
  • 4.高血糖があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に血糖値を測定するなど、患者の状態を十分に観察すること。
  • 5.リパーゼ増加、アミラーゼ増加することがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に検査を行うこと。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者:間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。
  • 2.QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者:QT間隔延長が発現するおそれがある。

【肝機能障害患者】

  • 1)重度の肝機能障害のある患者:減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇するとの報告があり、また、重度肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない)。

【生殖能を有する者】

妊娠可能な女性:妊娠可能な女性は、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

【妊婦】

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、妊婦又は妊娠している可能性のある女性にやむを得ず投与する場合には、本剤投与による胎児へのリスクについて患者に十分説明すること(ラット及びウサギに、セリチニブをそれぞれ50及び25mg/kg/日(AUCに基づく用量比較で臨床曝露量のそれぞれ0.6及び0.4倍に相当)反復投与したところ、胎仔骨格変異が認められた)。

【授乳婦】

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行は不明である)。

【小児等】

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

【高齢者】

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。

【相互作用】

本剤はCYP3Aの基質となる。本剤はCYP3Aを強く阻害する。また、CYP2C9を阻害する。

  • 2.併用注意:
    • [1]QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(アミオダロン、クラリスロマイシン、ドロペリドール等)[QT間隔延長を起こすおそれがあるので、患者の状態を十分に観察すること(いずれもQT間隔を延長させるおそれがある)]。
    • [2]徐脈を起こすことが知られている薬剤(β遮断剤、非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤、クロニジン等)[徐脈を起こすおそれがあるので、可能な限り併用しないこと(いずれも徐脈を起こすおそれがある)]。
    • [3]CYP3A阻害剤(ケトコナゾール(経口剤は国内未承認)、イトラコナゾール、リトナビル、サキナビル等)[本剤の血中濃度が増加し副作用が増加するおそれがあるので、併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮し、併用が避けられない場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤のCYP3A阻害により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。
    • [4]CYP3A誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品等)[本剤の血中濃度が低下し本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい(これらの薬剤のCYP3A誘導により、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。
    • [5]CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム(経口剤は国内未承認)、フェンタニル、タクロリムス等)[副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(本剤の強いCYP3A阻害により、これらの薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある)]。
    • [6]CYP2C9の基質となる薬剤(ワルファリン、フェニトイン、ジクロフェナク等)[副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(本剤のCYP2C9阻害により、これらの薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある)。ワルファリンと併用する場合にはプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)のモニタリングの頻度を増やすこと(ワルファリンの抗凝固作用が促進される可能性がある)]。
    • [7]胃内pHを上昇させる薬剤(プロトンポンプ阻害剤等)[エソメプラゾールと併用した場合、本剤の血中濃度が低下したとの報告がある(pHの上昇により、本剤の溶解性が低下すると考えられる)]。

【適用上の注意】

  • 1.薬剤交付時の注意:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

【保管上の注意】

室温保存。

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