カーディオライト注射液 第一(259MBq1筒)の用法・用量
〈心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断〉
通常、成人には、本品370~555MBqを静脈より投与し、30分以降にガンマカメラを用いて心筋血流シンチグラムを得る。または、心電図に同期させてデータ収集を行い、心筋血流シンチグラムを得る。なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
〈初回循環時法による心機能の診断〉
通常、成人には、本品740MBqを肘静脈より急速に投与し、直後より心RIアンギオグラムを得る。必要に応じ、収集したデータより駆出分画を算出する。また、心電図に同期させてデータ収集を行い、拡張末期像及び収縮末期像を得る。なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
〈副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断〉
・ ダブルフェーズ法
通常、成人には、本品370~740MBqを静脈より投与し、投与後5~15分(初期像)及び投与後2~3時間(後期像)に頸部及び胸部を撮像してシンチグラムを得る。必要に応じて断層像を追加する。
・ サブトラクション法
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)による甲状腺シンチグラフィを実施後、通常、成人には、本品185~600MBqを静脈より投与し、その10分後に撮像する。必要に応じて断層像を追加する。なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
【用法及び用量に関連する注意】
〈心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断、初回循環時法による心機能の診断〉初回循環時法及び心筋血流シンチグラフィをともに行う必要のある患者においては、初回循環時法を行った後、本品投与30分以降に心筋血流シンチグラフィを併せて行うことができる。〈副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断〉サブトラクション法実施時の甲状腺シンチグラフィは、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)の添付文書を参照の上、次の要領で実施する。・ 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)を用いる場合:通常、成人には、日局「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」74~370MBqを静脈より投与し、頸部及び胸部の像を30分後に撮像する。・ ヨウ化ナトリウム(123I)を用いる場合:通常、成人には、日局「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」3.7~7.4MBqを経口投与し、頸部及び胸部の像を4時間後に撮像する。
カーディオライト注射液 第一(259MBq1筒)の効能・効果
- [1]心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断。
- [2]初回循環時法による心機能の診断。
- [3]副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断。
カーディオライト注射液 第一(259MBq1筒)の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副作用:
- 1)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック及び血管浮腫、呼吸困難等のアナフィラキシーがあらわれることがある。
- 2.その他の副作用:
- [1]過敏症:(頻度不明)蕁麻疹、そう痒感、顔面紅潮、発疹。
- [2]循環器:(頻度不明)ST変化、徐脈。
- [3]精神神経系:(1%以上)口内苦味感や金属臭(64.1%)。
- [4]消化器:(頻度不明)嘔吐、嘔気、悪心。
- [5]その他:(0.1~1%未満)頭痛、発熱、(頻度不明)血管痛、全身熱感、浮揚感、口渇、けいれん、意識消失、胸痛。
カーディオライト注射液 第一(259MBq1筒)の使用上の注意
【重要な基本的注意】
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
【授乳婦】
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤投与時の注意:
- 1)〈効能共通〉両頭針を取りつける際、プランジャーロッドを押さないようにすること。
- 2)〈効能共通〉シリンジ中にごくわずかに気泡が含まれている場合があり、注射液を投与してもこの気泡は通常シリンジ内に残るが、誤って投与することのないよう気泡の位置に注意しながら投与すること。
- 2.診断上の注意:〈副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断〉本品による副甲状腺シンチグラフィは、多腺性疾患において全ての病的副甲状腺を検出する能力には限界があることが知られている。
【取扱い上の注意】
放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
【保管上の注意】
室温保存。