商品名

タイガシル点滴静注用50mg 添付文書情報

タイガシル点滴静注用50mgの用法用量

通常、成人には、チゲサイクリンとして初回用量100mgを30~60分かけて点滴静脈内投与、以後12時間ごとに50mgを30~60分かけて点滴静脈内投与する。

【用法及び用量に関連する注意】

  • 1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、次のことに注意すること。・ 本剤の投与期間は5~14日間が推奨されるが、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に本剤の継続投与が必要か否かを判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。・ 28日間を超えて投与した場合の本剤の有効性及び安全性は確立されていない。
  • 2.高度肝機能障害のある患者では、初回100mgを投与した後、12時間後からの投与では25mgに投与量を減らすなど慎重に投与し、投与期間中は臨床症状を注意深く観察すること。
  • 3.本剤は緑膿菌に対して抗菌活性を示さないため、緑膿菌との重複感染が明らかである場合、抗緑膿菌作用を有する抗菌薬と併用すること。

タイガシル点滴静注用50mgの効能効果

深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎。

【効能又は効果に関連する注意】

本剤の使用は、β-ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系のうち2系統以上に耐性を示した菌株であり、抗菌活性を示す他剤が使用できない場合にのみ使用すること。

タイガシル点滴静注用50mgの有効菌種

本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、アシネトバクター属(ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る)。

タイガシル点滴静注用50mgの副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
    • 2)重篤な肝障害(頻度不明):肝不全、黄疸、著しいAST上昇・著しいALT上昇・著しいAl-P上昇等重篤な肝障害があらわれることがある。
    • 3)血小板減少症(頻度不明):重篤な血小板減少症があらわれることがある。
    • 4)急性膵炎(0.2%)。
    • 5)偽膜性大腸炎(頻度不明):偽膜性大腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがある。
    • 6)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]血液:(1~10%未満)プロトロンビン時間延長、活性化部分トロンボプラスチン時間延長(aPTT延長)、(1%未満)プロトロンビン時間国際標準比増加(PT-INR増加)、(頻度不明)低フィブリノゲン血症。
    • [2]代謝・栄養障害:(1~10%未満)低蛋白血症、低血糖。
    • [3]精神神経系:(1~10%未満)頭痛、浮動性めまい。
    • [4]循環器:(1~10%未満)静脈炎、(1%未満)血栓性静脈炎。
    • [5]呼吸器:(1~10%未満)肺炎。
    • [6]肝臓:(1~10%未満)ALT上昇、AST上昇、ビリルビン血症、(1%未満)黄疸、(頻度不明)胆汁うっ滞。
    • [7]消化器:(10%以上)悪心(26.4%)、嘔吐(18.1%)、下痢、(1~10%未満)血清中アミラーゼ増加、腹痛、食欲不振、消化不良。
    • [8]腎臓:(1~10%未満)BUN増加。
    • [9]皮膚:(1~10%未満)発疹、皮膚そう痒、(頻度不明)重症皮膚反応。
    • [10]投与部位:(1%未満)注射部位炎症、注射部位疼痛、注射部位反応、注射部位浮腫、注射部位静脈炎。
    • [11]その他:(1~10%未満)治癒異常。

タイガシル点滴静注用50mgの使用上の注意

【警告】

本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5.効能又は効果に関連する注意」、「7.用法及び用量に関連する注意」、「8.重要な基本的注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。

【禁忌】

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

【重要な基本的注意】

  • 1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
  • 2.海外第3相及び第4相臨床試験の計13比較対照試験を集計して解析した結果、本剤投与群での死亡率が高かった(本剤と死亡との関連性は明らかではなく、本剤投与の際はリスク・ベネフィットを考慮すること)。
  • 3.本剤投与に際しては、患者又はその家族に本剤のリスク・ベネフィットを十分に説明してから投与すること。
  • 4.本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。・ 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。・ 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。・ 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
  • 5.本剤の投与により急性膵炎を発現することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し、腹痛、嘔吐、アミラーゼ上昇等の膵酵素上昇等の症状に注意すること。
  • 6.悪心・嘔吐が高頻度で発現し、投与中止に至ることもあることから、本剤投与中は患者の状態を十分に観察すること。
  • 7.AST上昇、ALT上昇を伴う肝障害、黄疸があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
  • 8.抗菌薬の使用は、非感受性菌(真菌を含む)の過剰増殖を促進する可能性があるので、治療中は、患者を注意深く観察し、治療中に重複感染が発現した場合には、適切な処置を行うこと。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.テトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)。

【肝機能障害患者】

  • 1)高度肝機能障害のある患者:半減期の延長が報告されている。

【妊婦】

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験において、骨着色、胎仔体重減少(胎仔骨化遅延を伴う)が認められており、また、骨格異常の発現率の増加(ラットでは12mg/kg/日:臨床曝露量の3.4倍に相当、ウサギでは4mg/kg/日:臨床曝露量の0.8倍に相当)が認められている)。なお、胎児の歯牙形成期に本剤を投与した場合、歯牙着色を起こすおそれがある。

【授乳婦】

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている)。

【小児等】

  • 1)小児等<18歳以下>を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 2)小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙着色・エナメル質形成不全、また、一過性骨発育不全を起こすことがある。

【高齢者】

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。

【相互作用】

  • 2.併用注意:
    • [1]抗凝血剤(ワルファリン等)[本剤との併用によりR-ワルファリン・S-ワルファリンのAUCがそれぞれ68%・29%上昇したので、併用する場合には、プロトロンビン時間又は他の血液凝固系検査値のモニタリングを行うこと(機序不明)]。
    • [2]経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)[本剤との併用により経口避妊薬の効果を減弱させるおそれがある(本剤は腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる)]。

【過量投与】

  • 1.処置:過量投与時、血液透析は有効ではない(本剤の解毒剤も知られていない)。

【適用上の注意】

  • 1.薬剤調製時の注意:
    • 1)調製法:1バイアルに生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液5.3mLを加え、静かに回転させながら溶解する(溶解した液5mL中にチゲサイクリン50mgを含む)。初回投与の際には2バイアルからそれぞれ5mLを、2回目以降の投与の際には1バイアルから5mLをとり、バイアルの溶解に用いた注射液で希釈して通常100mLとし、点滴静脈内投与する。ただし、注射用水は等張とならないので使用しないこと。溶解後は、速やかに希釈すること。溶解後の液の色は黄色~だいだい色である。
    • 2)希釈時:希釈した液のチゲサイクリンの濃度が1.5mg/mLを超えないこと。希釈後は、速やかに使用すること。
    • 3)配合変化:本剤は次の薬剤とは配合禁忌である;アムホテリシンB、アムホテリシンBリポソーム製剤、ジアゼパム、オメプラゾール。
  • 2.薬剤投与時の注意:本剤と他の薬剤を同一の輸液チューブにより連続注入する場合には、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を本剤の投与前後に輸液チューブ内に流すこと。

【その他の注意】

  • 1.臨床使用に基づく情報:
    • 1)複雑性腹腔内感染症患者に対する第3相臨床試験(1642例)において、腸管穿孔を有する症例のうち本剤投与群で6/817例、対照薬投与群で2/825例に敗血症/敗血症性ショックが発現した。本剤と敗血症の因果関係は確立していないが、腸管穿孔を有する重症の複雑性腹腔内感染症患者へ本剤を投与する際は他の抗菌薬との併用を考慮すること。
    • 2)院内肺炎における本剤の安全性及び有効性は確立していない。院内肺炎患者を対象とした臨床試験のうち人工呼吸器関連肺炎の症例において、本剤投与群の治癒率は47.9%(35/73例)、対照薬投与群では70.1%(47/67例)であり、死亡率は本剤投与群で19.1%(25/131例)、対照薬投与群で12.3%(15/122例)であった。菌血症を伴う人工呼吸器関連肺炎症例における死亡率は、本剤投与群で50.0%(9/18例)、対照薬投与群では7.7%(1/13例)であった。
    • 3)本剤は、テトラサイクリン系抗生物質に構造が類似していることから、テトラサイクリン系抗生物質で認められている副作用(光線過敏症、偽性脳腫瘍等)を発現する可能性があるため、本剤の投与に際しては、これらの事象の発現に注意すること。
  • 2.非臨床試験に基づく情報:ラット及びイヌの2週間投与毒性試験で、それぞれ30mg/kg/日(臨床曝露量の6.9倍に相当)及び12mg/kg/日(臨床曝露量の7.2倍に相当)投与により骨髄低形成並びにそれに起因する赤血球減少、網赤血球減少、白血球減少及び血小板減少が認められたが、いずれの変化も休薬により回復した。

【保管上の注意】

室温保存。

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