商品名

ネオイスコチン原末 添付文書情報

ネオイスコチン原末の用法用量

通常成人は、イソニアジドメタンスルホン酸ナトリウム水和物として1日量0.4~1.0g(8~20mg/kg)を1~3回に分けて毎日又は週2日経口投与する。必要な場合には、1日量1.5gまで増量してもよい。年齢、症状により適宜増減する。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。

ネオイスコチン原末の効能効果

肺結核及びその他の結核症。

ネオイスコチン原末の有効菌種

本剤に感性の結核菌。

ネオイスコチン原末の副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 1.重大な副作用:
    • 1)劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明)。
    • 2)痙攣(頻度不明)。
    • 3)視神経炎、視神経萎縮(いずれも頻度不明)(症状:視力低下、中心暗点等、処置方法:ビタミンB6投与等)。
    • 4)末梢神経炎(頻度不明)(症状:四肢異常感覚、しびれ感、知覚障害、腱反射低下、筋力低下、筋萎縮等、処置方法:ビタミンB6投与等)。
    • 5)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)。
    • 6)薬剤性過敏症症候群(頻度不明)(初期症状:発疹、発熱、続発する所見:肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等):ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
    • 7)SLE様症状(頻度不明)(症状:発熱、紅斑、筋肉痛、関節痛、リンパ節腫脹、胸部痛等、処置方法:副腎皮質ホルモン剤投与等)。
    • 8)間質性肺炎(頻度不明)(症状:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等、処置方法:副腎皮質ホルモン剤投与等)。
    • 9)腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明)(症状:発熱、皮疹、乏尿、浮腫、蛋白尿、腎機能検査値異常等)。
    • 10)無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)。
  • 2.その他の副作用:
    • [1]肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満)黄疸。
    • [2]過敏症:(頻度不明)発熱、発疹[再投与が必要な場合には減感作を行うこと]。
    • [3]血液:(0.1~5%未満)出血傾向(喀血、血痰、鼻出血、眼底出血等)、(0.1%未満)貧血、赤芽球癆、白血球減少、好酸球増多。
    • [4]精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、めまい、倦怠感、(0.1%未満)精神障害(せん妄、抑うつ、記憶力低下、幻覚、感情異常、興奮等)。
    • [5]中枢神経系:(0.1%未満)小脳障害(平衡障害、運動失調、企図振戦、言語障害、眼球運動障害、嚥下障害等)。
    • [6]消化器:(0.1~5%未満)食欲不振、悪心、嘔吐、胃部膨満感、腹痛、便秘。
    • [7]内分泌:(頻度不明)女性化乳房、乳汁分泌、月経障害、インポテンス。
    • [8]その他:(頻度不明)関節痛。

ネオイスコチン原末の使用上の注意

【禁忌】

重篤な肝障害のある患者。

【重要な基本的注意】

  • 1.劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。
  • 2.本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある(治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること)。

【合併症・既往歴等のある患者】

  • 1.精神障害の既往歴のある患者:精神障害が再発するおそれがある。
  • 2.アルコール中毒の患者:肝障害、精神障害があらわれるおそれがある。
  • 3.てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:やむを得ず投与する必要がある場合には観察を十分に行うこと(痙攣を起こすことがある)。
  • 4.薬物過敏症の患者。
  • 5.血液障害、出血傾向のある患者:これらの症状が悪化するおそれがある。

【腎機能障害患者】

  • 1)腎障害又はその疑いのある患者:本剤の血中濃度が上昇し、末梢神経炎等の副作用が生じやすくなる。

【肝機能障害患者】

  • 1)重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害が悪化するおそれがある)。
  • 2)肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴、あるいはその疑いのある患者:肝障害が悪化又は再発するおそれがある。

【妊婦】

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(イソニアジドの動物実験(マウス)で胎仔発育障害作用が報告されている。また、イソニアジドとアミノサリチル酸製剤を併用投与されている患者で、奇形を有する児の出現率が高いとする疫学的調査結果がある)。

【授乳婦】

授乳しないことが望ましい(イソニアジドでヒト母乳中へ移行することが報告されている)。

【小児等】

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

【高齢者】

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

【相互作用】

イソニアジドで次のような報告がある。

  • 2.併用注意:
    • [1]他の抗結核薬(リファンピシン等)[重篤な肝障害があらわれることがある(リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、肝毒性を有する代謝物の産生が増加すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [2]クマリン系抗凝固薬(ワルファリン)[ワルファリンの作用を増強しプロトロンビン時間の延長が認められることがある(本剤がワルファリンの肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [3]抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン等)[これらの作用を増強し中毒症状が発現することがある(本剤が抗てんかん薬の肝薬物代謝を阻害し、血中濃度が上昇する<イソニアジドで報告>)。また、カルバマゼピンでは本剤の肝毒性が増強されることがある(カルバマゼピンが肝毒性を有する本剤の代謝物の産生を促進すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [4]経口糖尿病用薬、インスリン[これらの血糖降下作用を減弱又は増強することがあるので、血糖値の観察を十分に行う(血糖降下作用の減弱については、本剤が炭水化物代謝を阻害し、血中ブドウ糖濃度上昇及び糖耐性障害を引き起こすと考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [5]ジスルフィラム[協調困難、情緒障害等があらわれることがある(本剤とジスルフィラムがそれぞれカテコールアミン代謝酵素を阻害すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [6]サイクロセリン[めまい・眠気等の中枢神経系の副作用を増強するとの報告がある(機序は不明である<イソニアジドで報告>)]。
    • [7]シクロスポリン[シクロスポリンの作用が減弱することがある(本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、シクロスポリンの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [8]イトラコナゾール[イトラコナゾールの作用が減弱するおそれがある(機序は明らかではないが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、イトラコナゾールの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [9]血圧降下薬、交感神経興奮薬、副交感神経抑制薬、三環系抗うつ薬[これらの作用を増強するおそれがある(機序は明らかではないが、MAO阻害に関連していると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [10]レボドパ[レボドパの作用が減弱するおそれがある(機序は明らかではないが、本剤によりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [11]水酸化アルミニウム含有の制酸薬<服用>[本剤の効果が減弱されるおそれがあるが、この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まるとの報告がある(これらの薬剤とキレートを形成又は、吸着し、本剤の吸収が低下すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [12]ペチジン塩酸塩[呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等があらわれるおそれがあるので、併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する(神経系のセロトニンの取り込みを阻害するペチジン塩酸塩とMAO阻害作用をもつ本剤との併用により、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [13]ヒスチジンを多く含有する魚(マグロ等)[頭痛・紅斑・嘔吐・そう痒等のヒスタミン中毒を起こすことがある(本剤のヒスタミン代謝酵素阻害作用により、体内にヒスタミンが蓄積すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。
    • [14]チラミンを多く含有する食物(チーズ等)[血圧上昇、動悸があらわれることがある(本剤のMAO阻害作用により、チラミンは不活性化されず、アドレナリン作動性神経終末部において蓄積されているカテコールアミンの遊離を促進すると考えられている<イソニアジドで報告>)]。

【過量投与】

イソニアジドの経口投与で次のような報告がある。

  • 1.症状:過量投与時、痙攣、昏睡、代謝性アシドーシス、高血糖があらわれることがある。
  • 2.処置:過量投与時、痙攣の抑制にはジアゼパムを静脈内注射、過量投与時、代謝性アシドーシスには炭酸水素ナトリウムを静脈内注射する。過量投与時、気道を確保し、十分な呼吸を確保し、イソニアジドの服用量と同量のピリドキシンを静脈内注射する(重症の場合、血液灌流あるいは血液透析を行うことが望ましい)。

【その他の注意】

  • 1.臨床使用に基づく情報:ヒトにおいてはイソニアジド投与と腫瘍発生との関連性は認められなかったとする疫学的調査結果が報告されている。
  • 2.非臨床試験に基づく情報:イソニアジドのマウスによる実験[例:飼料中0.01~0.25%混入(約15~375mg/kg体重)7か月間経口投与]で肺腫瘍の発生が報告されている。しかし、ラット及びハムスターによる実験では腫瘍誘発作用は報告されていない。

【保管上の注意】

室温保存。

ネオイスコチン原末

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