リブテンシティ錠200mgの用法・用量
通常、成人にはマリバビルとして1回400mgを1日2回経口投与する。
【用法及び用量に関連する注意】
強いCYP3A4誘導剤<リファンピシン・セイヨウオトギリソウ食品除く>又は中程度CYP3A4誘導剤<リファンピシン・セイヨウオトギリソウ食品除く>と本剤との併用は避け、代替薬への変更を考慮し、併用が避けられない場合は、マリバビルとして1回1200mgまでの増量(1日2回経口投与)を考慮すること。
リブテンシティ錠200mgの効能・効果
臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症。
【効能又は効果に関連する注意】
- 1.既存の抗サイトメガロウイルス療法の治療効果が不十分と考えられる患者に投与すること。
- 2.中枢神経系サイトメガロウイルス感染症及びサイトメガロウイルス網膜炎に対する有効性及び安全性は検討していない(非臨床試験の結果から、本剤は血液脳関門を透過し得るが、中枢神経系への通過量は低いと考えられる)。
リブテンシティ錠200mgの副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 2.その他の副作用:
- [1]神経系障害:(10%以上)味覚障害、(1%以上10%未満)頭痛。
- [2]胃腸障害:(10%以上)悪心、嘔吐、下痢、(1%以上10%未満)上腹部痛。
- [3]全身障害:(10%以上)疲労、(1%以上10%未満)食欲不振。
- [4]臨床検査:(1%以上10%未満)免疫抑制剤濃度増加、体重増加。
リブテンシティ錠200mgの使用上の注意
【禁忌】
- 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 2.ガンシクロビル投与中又はバルガンシクロビル投与中の患者。
- 3.リファンピシン投与中又はセイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中(St.John’s Wort)の患者。
【重要な基本的注意】
本剤による治療中及び治療後に薬剤耐性によるウイルス学的失敗が認められる可能性があるため、サイトメガロウイルスDNA量又はサイトメガロウイルス抗原陽性細胞数等をモニタリングすること。治療に反応しない場合は本剤に対する耐性発現の可能性を考慮し、投与継続の可否を検討すること(本剤に対する耐性を示すウイルス由来のプロテインキナーゼ(UL97)変異がガンシクロビル及びバルガンシクロビルに対する交差耐性をもたらす可能性がある)。
【肝機能障害患者】
重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした臨床試験は実施していない(本剤は主に肝臓で代謝されるため、重度の肝機能障害患者では本剤の血漿中濃度が増加するおそれがある)。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(ラットを用いた受胎能及び胚・胎仔発生試験において、本剤の臨床用量における曝露量未満の曝露量で、生存胎仔数減少、早期吸収胚数増加及び着床後胚死亡増加が認められている)。
【授乳婦】
授乳しないことが望ましい(マリバビル又はその代謝物のヒトでの乳汁移行性は不明であり、ラットを用いた出生前及び出生後の発生毒性試験において、本剤の臨床用量における曝露量未満と推定される曝露量で、母動物一般毒性発現に伴う出生仔生存率低下及び出生仔身体的発達遅延を伴う出生仔体重増加抑制が認められている)。
【小児等】
小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。
【相互作用】
本剤は、主に薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、本剤はCYP3A4、P-糖蛋白(P-gp)及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の阻害作用を有する。
- 1.併用禁忌:
- [1]ガンシクロビル<デノシン>、バルガンシクロビル<バリキサ>[併用により、これらの薬剤の抗ウイルス作用が阻害されるおそれがある(本剤は、これらの薬剤の活性化又はリン酸化に必要なウイルス由来のUL97を阻害する)]。
- [2]リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品:
- ①.リファンピシン<リファジン>[本剤とリファンピシンを併用投与したとき、本剤の単独投与時と比較して、本剤のAUCは40%・Cmaxは61%に減少し、これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が大きく減少し本剤の有効性が減弱するおそれがある(これらの薬剤は、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を誘導する)]。
- ②.セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[これらの食品との併用により、本剤の血漿中濃度が大きく減少し本剤の有効性が減弱するおそれがある(これらの食品は、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を誘導する)]。
- 2.併用注意:
- [1]タクロリムス、シクロスポリン、エベロリムス、シロリムス:
- ①.タクロリムス[本剤とタクロリムスを併用投与したとき、タクロリムスの単独投与時と比較して、タクロリムスのAUCは151%・Cmaxは138%に増加し、これらの薬剤との併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が増加するおそれがあるため、併用薬剤の血漿中濃度を頻回(特に本剤投与開始後及び本剤投与中止後に)にモニタリングし、必要に応じてこれらの薬剤の用量を調節すること(本剤は、これらの薬剤の代謝及び排泄に必要なCYP3A4及びP-gpを阻害する)]。
- ②.シクロスポリン、エベロリムス、シロリムス[これらの薬剤との併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が増加するおそれがあるため、併用薬剤の血漿中濃度を頻回(特に本剤投与開始後及び本剤投与中止後に)にモニタリングし、必要に応じてこれらの薬剤の用量を調節すること(本剤は、これらの薬剤の代謝及び排泄に必要なCYP3A4及びP-gpを阻害する)]。
- [2]強いCYP3A4誘導剤又は中程度のCYP3A4誘導剤(フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、エファビレンツ、リファブチン等)[これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が減少し本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、併用は避け、代替薬への変更を考慮し、併用が避けられない場合は、本剤の増量を考慮すること(これらの薬剤は、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を誘導する)]。
- [3]ロスバスタチン[併用により、ロスバスタチンの血漿中濃度が増加するおそれがあるため、ロスバスタチン関連事象<特にミオパチー及び横紋筋融解症>の発現を注意深く観察すること(本剤は、ロスバスタチンの排泄に必要なBCRPを阻害する)]。
- [4]ジゴキシン[本剤とジゴキシンを併用投与したとき、ジゴキシンの単独投与時と比較して、ジゴキシンのAUCは121%・Cmaxは125%に増加し、併用により、ジゴキシンの血漿中濃度が増加するおそれがあるため、ジゴキシンの血漿中濃度をモニタリングし、必要に応じてジゴキシンの用量を減量すること(本剤は、ジゴキシンの排泄に必要なP-gpを阻害する)]。
- [5]サラゾスルファピリジン[併用により、サラゾスルファピリジンの血漿中濃度が増加するおそれがある(本剤は、サラゾスルファピリジンの排泄に必要なBCRPを阻害する)]。
- [1]タクロリムス、シクロスポリン、エベロリムス、シロリムス:
【その他の注意】
- 2.非臨床試験に基づく情報:マウスを用いた2年間がん原性試験において、臨床曝露量の約4.0倍の曝露量に相当する用量で、雄マウスの複数の組織に血管腫及び血管肉腫の発生増加が報告されている。
【取扱い上の注意】
- 1.ボトルキャップの開け方:キャップをボトル本体に強く押しつけたまま(カチカチ音がしない状態まで)左に回して開けること。
【保険給付上の注意】
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年8月末日までは、1回14日分を限度とした投薬しか認められない。
【保管上の注意】
室温保存。
リブテンシティ錠200mgの成分一致薬品
成分一致薬品は見つかりませんでした。