メナクトラ筋注の組成・成分
1バイアル(0.5mL)中
髄膜炎菌(血清型A)多糖体ジフテリアトキソイド結合体:4μg
髄膜炎菌(血清型C)多糖体ジフテリアトキソイド結合体:4μg
髄膜炎菌(血清型Y)多糖体ジフテリアトキソイド結合体:4μg
髄膜炎菌(血清型W-135)多糖体ジフテリアトキソイド結合体:4μg
メナクトラ筋注の用法・用量
- 1回、0.5mLを筋肉内接種する。
【用法及び用量に関連する注意】
- 1.2歳未満の小児等に対する安全性及び有効性は確立していない。
- 2.同時接種:医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
メナクトラ筋注の効能・効果
髄膜炎菌(血清型A、C、Y及びW-135)による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防。
【効能又は効果に関連する注意】
- 1.本剤では、血清型A、C、Y及びW-135以外に起因する侵襲性髄膜炎菌感染症を予防することはできない(血清型Bに起因する侵襲性髄膜炎菌感染症を予防することはできない)。
- 2.既に発症している髄膜炎菌感染症を治療することはできない。
- 3.本剤に含まれるジフテリアトキソイドを、予防接種法に基づくジフテリアの予防接種に転用することはできない。
メナクトラ筋注の副作用
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 1.重大な副反応:
- 1)ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)。
- 2)急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明):通常、接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれるので、本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
- 3)ギラン・バレー症候群(頻度不明):四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射減弱ないし腱反射消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
- 4)横断性脊髄炎(頻度不明)。
- 5)けいれん(頻度不明)。
- 2.その他の副反応:
- [1]過敏症:(頻度不明)蕁麻疹、発疹、そう痒症。
- [2]局所症状(注射部位):(20%以上*)疼痛、(0.5~10%未満*)紅斑(発赤)、腫脹、熱感、(頻度不明)硬結。
- [3]精神神経系:(0.5~10%未満*)感覚鈍麻、(頻度不明)傾眠、易刺激性、めまい、異常号泣、錯感覚、血管迷走神経性失神、顔面神経麻痺。
- [4]皮膚:(0.5~10%未満*)湿疹。
- [5]消化器:(0.5~10%未満*)下痢、(頻度不明)嘔吐、食欲不振。
- [6]呼吸器:(頻度不明)喘鳴、呼吸困難、上気道腫脹。
- [7]筋骨格系:(20%以上*)筋肉痛、(0.5~10%未満*)筋力低下、関節痛。
- [8]循環器:(頻度不明)低血圧。
- [9]血液:(頻度不明)リンパ節症。
- [10]その他:(10~20%未満*)倦怠感、頭痛、(0.5~10%未満*)発熱、(頻度不明)疲労、悪寒。
*)承認時の国内臨床試験の成績(200例における発現頻度)に基づく。
メナクトラ筋注の使用上の注意
【接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)】
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 1.明らかな発熱を呈している者。
- 2.重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
- 3.本剤の成分又はジフテリアトキソイドによってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者。
- 4.前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
【重要な基本的注意】
- 1.本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
- 2.被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
- 3.被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
- 4.ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
【特定の背景を有する者に関する注意】
【接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)】
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 1.心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者。
- 2.予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
- 3.過去にけいれんの既往のある者。
- 4.過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者。
- 5.本剤の成分又はジフテリアトキソイドに対してアレルギーを呈するおそれのある者。
- 6.血小板減少症あるいは出血障害を有する者。
- 7.過去にギラン・バレー症候群と診断された者。
【腎機能障害を有する者】
腎機能障害を有する者:接種要注意者である。
【肝機能障害を有する者】
肝機能障害を有する者:接種要注意者である。
【妊婦】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
【授乳婦】
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
【小児等】
低出生体重児、新生児、乳児及び2歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
【高齢者】
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること(一般に生理機能が低下しており、56歳以上の者への使用経験が少ない)。
【適用上の注意】
- 1.薬剤接種時の注意:
- 1)接種時:
- (1)本剤は筋肉内注射のみに使用し、皮下注射又は静脈内注射はしないこと。
- (2)注射針の先端が血管内に刺入していないことを確認すること。
- (3)注射針及び注射筒は被接種者ごとに取り換えること。
- (4)使用前にバイアル内を目視により確認し、変色、粒子状の物質、異物の混入が認められた場合は使用しないこと。
- (5)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
- 2)接種部位:
- (1)接種部位は、左右どちらかの腕の三角筋とし、アルコールで消毒する。
- (2)筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に注意すること。
- 1)接種時:
・ 針長は筋肉内接種に足る長さであるが、組織や血管あるいは骨に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。・ 神経走行部位を避けるよう注意すること。・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
【取扱い上の注意】
- 1.外箱開封後は遮光して保存すること。
- 2.誤って凍結させたものは、品質が変化しているおそれがあるので、使用しないこと。
【保険給付上の注意】
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
【メナクトラ筋注の使用方法】
本剤は筋肉内注射用である。この操作にあたっては雑菌が迷入しないよう注意する。
- 1.冷蔵庫から取り出し、室温に戻してから速やかに使用する。・ 品質変化の懸念があるため誤って凍結させた製剤は使用しないこと。・ ワクチン名、製造番号、有効年月日を確認すること。・ 有効年月日が過ぎたものは使用しないこと。
- 2.バイアル及び注射器を準備する。バイアルのキャップカバーをバイアルからはずし、バイアルの栓及びその周囲をアルコール等で消毒した後、注射器の針をバイアルの栓の中央付近に垂直に刺す。本剤0.5mL全量を注射筒に抜き取る。・ 注射器は添付されていない。・ 使用する注射針は接種部位である三角筋に達し、その下の神経や血管あるいは骨には達しない長さのものを選択すること。・ 注射針の選択にあたっては被接種者の年齢や体型を考慮すること。・ バイアル内に変色、粒子状の物質、異物の混入が認められた場合は使用しないこと。・ 針先が本剤中にあることを確認しながら、なるべく気泡が入らないように抜き取ること。・ 本剤を他の製剤やワクチンと混合しないこと。
- 3.本剤全量を筋肉内注射する。・ 注射筒内の気泡を除去する際には、本剤を減じないよう注意すること。・ 左右どちらかの腕の三角筋部を完全に露出させ、肩峰先端から三横指下の三角筋中央部皮膚面に垂直に針を刺し、筋肉内注射する。・ 本剤は筋肉内注射のみに使用し、皮下注射又は静脈内注射はしないこと。・ 神経走行部位を避けること。・ 注射針を刺入したとき、激痛やしびれの訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。・ 本剤を他のワクチンと同時接種する際は、接種部位の局所反応が出た場合に重ならないように、少なくとも2.5cm以上あける(日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方)。
- 4.使用した注射器、バイアル瓶は医療廃棄物として廃棄する。
【保管上の注意】
凍結を避け、2~8℃で保存。